バツイチで2人のかわいい娘を持つクリスティアンは有名美術館のキュレーター 彼は次の展覧会に向けて人々の思いやりをテーマに掲げ、それを形にしたインスタレーション「ザ・スクエア」を発表する そんなある日、道端で思わぬトラブルに巻き込まれ、携帯と財布を盗まれてしまう すると“ザ・スクエア”の精神とは裏腹に、盗まれた物を取り戻すために後先考えずに行動しまうクリスティアンだったが、、、

 

 

 

 

 

 

こちらは2017年制作の スウェーデン映画 スウェーデン です(151分)

 

第70回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門で上映され、最高賞であるパル

 

ム・ドールを​​​​​受賞した作品であります ベル この年の審査委員長は ペドロ・アルモド

 

バル でした。

 

 

 

 

Movie  主人公である クリスティアン は有名美術館のキュレーター ( 美術館などの、展

 

覧会の企画・構成・運営などをつかさどる管理責任者 )  現代美術のインスタレーシ

 

ョン​​​​​​ 「スクエア」という地面に正方形を描いた作品を展示すると発表します その中

 

では 「すべての人が平等の権利を持ち、公平に扱われる」 という 「思いやりの聖

 

域」 をテーマにした参加型アートでした 赤  ある日、出勤途中にスリの集団に財布

 

と携帯電話を盗まれてしまいます。 GPS機能が働いていた為 パソコンで追跡し、

 

ある団地の敷地の何処かにある事を確信します マップピン  

 

 

 

 

部下の男と相談し、面白半分でそこの全戸に脅迫文のビラを投函して犯人をあぶり出

 

す事に、、、 結果的に盗品は手元へと帰ってきたものの、ここから彼の人生は大きく

 

狂い始めるのであります  離婚した元妻と暮らしていた二人の娘が訪ねて来て、しば

 

らく一緒に過ごすことになるクリスティアンでしたが、そんな中  ビラを撒いた団地に

 

住む少年が訪れ、ビラに書かれている人間が自分だと親に疑われ 「よくも人を泥棒扱

 

いしたな、謝れ!家族に怒られてゲームも何もかも取り上げられた」 と家にまで来て

 

ひつこく責めたてられます ガーン  一夜を共にした女性からは迫られ ドキドキ プライベ

 

ートの慌ただしさにかまけて 「スクエア」 の宣伝を他人に任せてしまい、結果 世間

 

からの中傷にさらされ責任をとり、辞任するに至ってしまいます  そんな父親の姿を

 

見つめる娘達、、、 目 

 

 

 

 

「スクエア」 という象徴とは相反する クリスティアンと現実の世界を嫌味たっぷり

 

に、時にシュールな視点で描いています 世の中の不誠実さや理不尽さが、実は自分

 

自身の不寛容で不誠実で差別意識の反映だと気づかずどんどん深みにはまっていく ク

 

リスティアン 足 この映画の不思議な所は、四角い映画の画面に映っていない場所

 

から聞こえて来る音や出来事が重要であるにもかかわらず、そちらには触れない事が

 

多々ある事です 

 

 

 

 

それらはある意味、自分に直接関係ない事はただのノイズでしかないとでも言いたげ

 

で、自分以外の世界に無関心な現代人を比喩しているようです 画面中でもホームレ

 

スや、缶を片手に小銭をせがむ物乞いが多く登場しますが、通行人は皆 透明人間のよ

 

うに見えていないふりをするのが象徴的です 空き缶  誰もが平等の権利と義務がある、

 

という「スクエア」  逆に言えばその 「スクエア」 の外側にいる人も生みだすという

 

矛盾でもあります  盾  トリトン

 

 

 

 

劇中最もインパクトがあるシーンが大人数での晩餐会の場面です そこへ出し物とし

 

て登場する パフォーマンスアーティストは、野生の動物になりきり ディナー会場に入

 

場します 彼は ゴリラ という野生の象徴を演じます 一方で豪勢なディナーを食べて

 

いる人たちはとても文化的な存在です しかし、そこに野生的なものが入って来る

 

と、彼らも文化的な振る舞いを忘れて野生のようになってしまいます 

 

 

 

 

このシーンは公共の場で多くの人がいればいるほど、好ましくない行為が行われてい

 

ることに対するリアクションにかかる時間が長くなるという“傍観者効果”を表現され

 

ています その緊張がピークに達した時、ひとりが暴力に走り始めたことをきっかけ

 

に、突如として他の傍観していた人間までも暴力をはじめるという姿は、まるでイン

 

ターネットの書込みに似ています パソコン  その正反対とも言える四角いコートの中で行

 

われるチアリーディングの場面 (チアリーディングは スクエア の中でお互いが信頼

 

し、助け合ってパフォーマンスを行うチームワークの象徴です) ​​​​​​この対比も非常にシ

 

ニカルであります 黄色のボンボン 黄色のボンボン   但し音楽は絶妙なセンスで映画にマッチしております

 

 

 

 

そんな かなり 斜めから の視点で描かれている映画ですが、深く考えなくても楽しめ

 

る作品ではありますし、私はさほど長くは感じませんでした ちょっと皮肉っぽく

 

て、嫌~な気持ちにはなりますが、、もやもや  ただ、パルムドール はてなマーク という感じも

 

ありますが、こればっかりは審査委員の決断でありますからね  それとは別に、現代

 

美術等に興味があるとより楽しめるかもしれません  ナゾの人  少しでも興味が湧きました

 

らご覧になってみて下さいませです

 

では、また次回ですよ~! パー