とある5月9日の夜。ソウル市内で一人の女子高生が男たちの集団に捕まり、無惨に殺された。しかし事件は表沙汰になることなく闇に葬り去られた。1年後、事件に関わった7人の男たちを一人、また一人と拉致しては、激しい拷問によって自白を強要する謎の集団が現われる。はたして女子高生はなぜ殺されたのか。そして謎の集団の正体とその目的とは。やがて事件の真相が徐々に明らかになってくるかに思われたが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2014年制作の 韓国映画 韓国 です。 (122分)

 

「嘆きのピエタ」 「メビウス」 の キム・ギドク 監督、脚本の作品です。

 

 

 

 

 

 

8mm  一人の少女が謎の男たちに捕まり、窒息死させられる場面から始まります。それ

 

からどれ位の期間が経ったのでしょうか、一人の男が謎の組織に誘拐され、そのアジ

 

トへと連れて来られます。 リーダーらしき男が ある写真 を見せ、「去年の5月9日

 

何をしたのか全て書け」 と紙とペンを渡されます。 それを断る男でしたが、酷い拷

 

問に遭い書かざるをえなくなります。 

 

 

 

 

 

 

血で判を押させられ、男は解放されます。 チーン ここまではこちら側に特に説明はさ

 

れません。 そして謎の集団は、再び同じようにある男を誘拐し、同じように拷問に

 

かけて 5月9日についてを書かせます。 ピコピコハンマーハッ最初に拷問を受けた男は、この謎の

 

集団の正体を知る為、一人で追跡する事となります。ランニング 

 

 

 

 

 

 

そして徐々にこの集団の行為の意味が解って来る事になります。オープニングで殺害

 

された少女 ミンジュに関わった人間達と、その理由を探っているようでした。 

 

そして何故か、ミンジュという少女を殺害したのは政府に携わっている人間ばかり 

 

そしてそれを追い込む謎の集団の正体は、政府の人間でも、秘密警察でもない、ただ

 

の民間人の集団。 

 

 

 

 

 

 

メンバーのほとんどは社会の下層階級の人間だったのでした! 事件に関わった人間

 

が大物になるにつれ、暴力性が増していくことで、集団の中でも疑問が湧き、離脱す

 

る人間も出てきます。それでも追及しようとするリーダー。 

 

何故ミンジュは殺されなければならなかったのか はてなマーク 上へ行けば行く程、不透明で

 

闇に隠された政府という存在と、その下層でもがき、犠牲になっている一般の人間。

 

しかし、行き過ぎた個人の正義は、体制に対抗する為、次第に暴力性を増し、彼等の

 

反抗するべきものと皮肉にも、表裏一体の存在になってしまっている事に気付きませ

 

ん。

 

 

 

 

 

 

持てる者、持たざる者の対比を通して、生きることの哀しみを描いた作品でもありま

 

す。ミンジュの死に固執する理由は、映画としてはあまりにも浅く、短絡的で残念で

 

ありますし、同じ役者が何役かを演じている必要性も、意味を考える以前に話をやや

 

こしくさせている印象になってしまいます。 それでなくても登場人物が多いのです

 

から。

 

最終的には、黒澤明の 「悪い奴ほどよく眠る」 のような終息となり、韓国の暗い闇を

 

見せられエンディングを迎える事となります。 もやもや

 

 

 

 

 

 

キム・ギドク作品特有のバイオレンス描写と、何ともいえない変な余韻の残る映画で

 

あります。 私達自身、「自分の意見や価値観をしっかりと持たないといけない」 と

 

いう事がメッセージとして込められている作品でもあります。 そうあれびっくり!と願う

 

ばかりの私でした。

 

機会がありましたらご覧になってみて下さいませです。 目

 

では、また次回ですよ~! パー