生まれてすぐに親に捨てられ天涯孤独に生きてきたイ・ガンドは、法外な利息を払えない債務者に重傷を負わせ、その保険金で借金を返済させる取り立て屋をしている そんなガンドの目の前に、母親を名乗るミソンという女が現れた ミソンの話を信じられず、彼女を邪険に扱うガンド しかし彼女は電話で子守歌を歌い、捨てたことをしきりに謝り、ガンドに対し無償の愛を注ぎ続ける だがガンドが心を開こうとした矢先、姿を消したミソンから助けを求める電話がかかってきた。

 

 

 

 

 

 

こちらは2012年制作の 韓国映画  韓国  です(104分)

 

ヴェネツィア国際映画祭で金獅子賞を受賞 ベル した作品という事でレンタルしてみまし

 

た。タイトルにある ピエタ とは、聖母マリアがイエスの亡骸を抱く彫刻や絵の事を指

 

すそうで、今作には キリスト教的 な思想が、最後まで貫かれている作品であります 

 

そう言うと何やら難しい映画では?と思ってしまいますが、知識の無い私でも(普通

 

に道徳的な理解があれば)理解し、楽しめる?サスペンス映画的 作品であります

 

 

 

 

8mm 産まれてすぐに親に捨てられ、天涯孤独な男 ガンド  彼は高利貸しに雇われ、借

 

金の取り立てをしています とは言っても、ほとんどが返せる当てのない個人事業者

 

の人間ばかり、そんな相手からお金を捻出させる方法は、債務者を障害者にして、そ

 

の保険金を返済金に充てるという物 返済日に訪れ、返せないと分かった時点で 顔色

 

一つ変えずに、工具や機械で相手の腕や足を傷付け、障害者にしてしまうのでありま

 

す 血

 

 

 

 

そんな生活を送っていた 、ガンドの前に突然 母親 と名乗る女性が現われます 勝手

 

に部屋に上がり込み、食器を洗いはじめる女 追い出しても外で待ち続ける女 ガン

 

ドの前で土下座して許しを乞います おじぎ  彼はそれを受け入れられず拒絶し続けます

 

が、それでも離れようとしない女 (ここまではサイコパスのストーカー女のお話のよ

 

うです)根負けしたガンドは部屋に招き入れ、母親としてその女を責めます その日

 

から女は、母親としてガンドに食事や身の回りの世話、そして眠りながら 無意識で自

 

慰行為 するガンドの布団に手を入れるという驚愕の 無償の愛 を捧げ続けるのであり

 

ました 

 

 

 

 

最初は拒絶していたガンドでしたが日を追うごとに母親として受け入れて行くのでし

 

た 今まで母性を知らなかった彼は次第に人間性に目覚め、知らぬ間に慈悲の気持ち

 

まで持つようになっていました それは彼の仕事にも表れてくる程の大きな変化、ガン

 

ドという男のこれまでの人生を根本から覆すような出来事だったのでした ある日、

 

母親が居なくなっている事に気付いたガンドは 常軌を逸したようになり、捜し回りま

 

す 母親はフラっと帰って来ますが、ガンドは怒り狂う程、母親を攻め立てます 

 

 

 

 

もうガンドは、母親の居ない生活は考えられないようになっていました ガンドの誕

 

生日、母親が頼み事をします それは 「木を1本植えて」 花木。  というものでした、早

 

速 母親の言う場所に木を植える二人、母親は 「私が死んだら、この木の下に埋めて

 

ね」 とガンドに言いますが 「縁起悪い事を言うな!」 と怒ります むかっ その数日

 

後、木に水をやるガンドに母親から 「助けて」 と電話が入りそのまま切れてしまいま

 

す 慌てて部屋へ帰ると母親の姿は無く、部屋は荒らされていました 

 

 

 

 

これまで仕事で散々怨みをかって来たガンドは心当たりの人物達の所を訪ね歩いて行

 

きます その人々の現在の姿や生活を目の当たりにするガンド 車椅子の生活の者、廃

 

人のようになっている者、障害者の生活に耐えられなくなり自ら死を選んだ者 母親

 

に出会う前だったら何とも感じなかったでしょうが、現在の彼には自分が犯してきた 

 

罪と痛み を感じるようになってしまっていました それでも母親の行方を必死で探す

 

ガンド そこへ母親から一枚の建物の写真が送信されて来ます 慌ててその建物へ向

 

かうガンド 会社 そこに母親は居たのですが、、、

 

 

 

 

ある種の、サスペンス映画として観る事が出来る作品であります 中盤からおおよその

 

お話は読めるかも知れませんが、ラストの悲壮感に満ちたガンドの行動は予想出来な

 

いでしょう 取り立てに行く場所のほとんどは、自営の小さな金属加工の工場や農家

 

で、つつましく生活している人々ばかりです、遠景には大きなビルが立ち並んでいる

 

のですが、そこに取り残された人間です ギア 

 

 

 

 

この構図から 資本主義の冷酷さも感じられます ここに登場する人物達は皆、その犠牲

 

者なのですから  この作品は 母親と息子を描いています、特にタイトルにもあるよ

 

うに 母親の無償の愛についてが軸になり、ガンドはそれを受けた事で 愛と罪 を知っ

 

てしまう事になります それ故の 驚愕のラスト を迎えます、、、 軽トラ DASH! 時間をみ

 

ては編んでいたセーターの意味の怖さと、植えた木の意味 彼女自身もガンドに対し

 

て、ある種の 心の揺らぎも表れる、母親という名の 母性的な宿命 ハート

 

 

 

 

そしてラスト障害者になった夫を支える為に、朝早くからビルの立ち並ぶ都会へ、物

 

売りの為トラックで向かう献身的な妻、そのトラックの軌道を描く 赤い 贖罪 の線、

 

僅か、900万円の製作費で 10日間で撮影したという本作でありますが、ハリウッ

 

ドのビッグバジェット作品には無い世界がここには繰り広げられているのでありまし

 

た 興味が湧きましたらご覧になってみて下さいませです

 

では、また次回ですよ~! バイバイ