「嘆きのピエタ」でベネチア国際映画祭金獅子賞を受賞した鬼才キム・ギドクの監督作で、その狂気に満ちた過激すぎる内容から韓国で上映制限がかけられた問題作

 

 

 

 

 

 

       -  뫼비우스  MOEBIUS  - 監督  脚本  撮影  編集 キム・ギドク  

 

 出演 チョ・ジェヒョン、ソ・ヨンジュ、イ・ウヌ 他

 

こちらは2013年制作の 韓国映画 韓国 です(89分)

 

 

 

 

父と母に思春期の息子の3人家族 何不自由ない上流階級の家庭ながら、お互いの関係はすっかり冷え切っていた。 ある日、夫の不貞に気づいた妻は嫉妬に狂い、夫の性器を切り取ろうとする。 それに失敗した妻は、今度は息子の性器に手を伸ばし、それを切断してしまうのだった。 妻はそのまま家を出て行き、2人で取り残された夫と息子だったが、、、

 

 

 

 

8mm  以前こちらでご紹介した 「殺されたミンジュ」、「嘆きのピエタ」 の キム・ギドク が同作の後に制作したものが本作になります。 映画は 家族を主軸とした 変態 ペ〇ス サスペンス映画となっております。 本作のもっとも特徴的な部分は、セリフを完全に排除している所です。 うめき声や泣き声などは発せられますが、不自然なまでに言葉としてのセリフを言わせない徹底ぶりで、最初は非常に違和感を感じますが、それも しばらくすれば慣れて来ます。 ( ただ、その意図は今一つ良く分かりませんでしたが、内容が内容だけに言葉にすると陳腐になるからかもです )

 

 

 

 

そんな本作のお話ですが、夫の不倫に嫉妬心を燃えあがらせた妻は、夫の性器を切り落とそうとしますが(早い段階でビックリですが)失敗。 怒りの収まらない妻は何故か自分の息子に矛先を向け、寝ている息子のムスコを切り落としてしまいます ナイフ 

そのまま妻は失踪し、残された父親と息子の二人の生活が始まりますが、息子は性器が無い事でイジメに遭い、父親の浮気相手の女性に出会った事で事件に巻き込まれる事になってしまいます。  

 

 

 

 

父親は自責の念に駆られ自らのムスコを切除  滝汗  この切除されたムスコは、後に本当の 息子のムスコ になるという輪廻のメビウスであります。

やっと落ち着いたかと思っていた生活に、失踪していた妻が突然戻って来た事で、再びの大波乱が巻き起こる事になります。 日本では 「阿部定事件」 が有名ですが、男性監督ならではの チ〇コ という突起物への愛着と、そこから得られる快楽への依存を芸術の香りを漂わせつつ表現した作品です。 そこには韓国のキリスト教的な解釈は無く快楽を優先している所には 逆に 好感がもてます。 

 

 

 

 

ムスコで得られなくなった快楽を補う方法を優先的に検索する父親も異様ですが、自傷行為によって 同じエクスタシーを得られる事を発見する父親。  それを真っ先に息子に伝授するというのも、、、 それもこれも本を正せば 父親のムスコ のせいなのですがね。 男の自慰行為場面が多く描写されるのも本作の特徴でもあります。 R18+指定。刺さったナイフの柄をキコキコするシーンなんぞは、正に手〇〇のようでございます。男の チ〇コ という疫病神、腫瘍 についてと、その チ〇コの旅 を描いた冒険映画でもあるのでした、、。  

 

 

 

 

監督のインタビューにこんなものがありました 「人間が起こす犯罪には二つの欲が絡んでいると思います 一つは「お金」、もう一つは「性欲」です 私は「嘆きのピエタ」で「お金」をテーマに描きました。 今回は「性欲」に特化した作品を作ろうと思ったことがきっかけです。 性欲を極限まで求める人間を描くにはまずその根源となる性器を切り取ってみよう。 そうしたら人間がどう行動するのか、それを描きたかったのです」 

 

 

 

 

なるほど、やはりそうでしたか、、、グッ  本作のポイントとなる女性の二人、妻と愛人を イ・ウヌ という女優さんが一人二役で演じています。 なかなか面白い女優さんですが、裸になる場面も多いのですが、ちょっと レプリカント感 が 露わに見えてしまう所がちょっと映画とは別に気になってしまいました UNNATURAL は妙に目につく​付くものです 私の気のせいだったらごめんなさい。 ただあまりに、、って何の話をしてるんだ私!

 

 

 

 

愛憎、執着、嫉妬、差別、憎悪、そして チ〇コ 、バイオレンス、サスペンス、ホラー と様々な側面を持った作品ですし、深堀りすれば色々と考察出来る映画でもあります本作で主演を務める予定だった女優さんが降板、その後告訴されたりとスキャンダラスなイメージがつきまとったキム・ギドク監督でしたが、今年の12月11日に急逝されました。哀悼の意を込め、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です

 

では、また次回ですよ~! パー