パリで働くモウリーンは、世界中を飛びまわる女優キーラをクライアントに持つパーソナル・ショッパー キーラのわがままに振り回されながらも仕事を完璧にこなす彼女だったが、3ヵ月前に双子の兄が急死したばかりで、いまだその悲しみから立ち直れずにいた 兄と同様霊媒師としての能力を持つモウリーンは生前の約束通り、兄からのサインがあると信じてそれを待ち続けていた そんな中、モウリーンの携帯に謎めいたメッセージが届き始める まるで彼女を監視しているような内容に不安を募らせるモウリーンだったが、、、

 

 

 

 

 

 

こちらは2016年制作の フランス フランス 映画です(105分)

 

本作でこの年の カンヌ国際映画祭 で 監督賞を受賞した オリヴィエ・アサヤス (兼脚

 

本)による、この 「パーソナル・ショッパー」 は何とも不思議な映画でありました 

 

ジャンル分けするのが難しいストーリーなのですが、強いていえば スピリチュアルな

 

心理サスペンス映画でしょうか?

 

 

 

 

Movie  タイトルにもなっている 「パーソナル・ショッパー」 とは、多忙なセレブのよ

 

うな人間に代わって、服やアクセサリーといった物を、個人の好みに合わせ用意する

 

スタイリストのようなお仕事であります ビキニ 主人公の モウリーン はパリで女優の

 

キーラのパーソナル・ショッパーとして働いていました 最近双子の兄ルイスを亡く

 

したばかりの彼女でしたが、兄妹は霊媒師でもありました 亡くなった兄との約束 ど

 

ちらかが先に死んだら死後の世界からサインを送ろうと約束していました その言葉を

 

信じ待ち続けるモウリーン 悲しみの中、多忙な生活を送っていたある日、彼女の携

 

帯宛てにメッセージが届きます

 

 

 

 

もしや兄からでは? と期待する彼女でしたが、それは期待とは違う相手のようでした 

 

誰からかもわからない不安を感じながらも、送られて来る様々なメッセージとやりと

 

りするモウリーン 徐々にそのメッセージの問いに導かれるように従う彼女  スマホ  

 

その謎のメッセージによって徐々に自己の欲求を開放していくモウリーンでしたが、

 

ある日クライアントである キーラの自宅に荷物を届けに部屋に入ると、バスルームで

 

血だらけで死んでいるキーラを発見 血 モウリーンは謎のメッセージ相手から事件

 

に巻き込まれてしまったのでありました、、、 滝汗

 

 

 

 

本作の特徴的な所は普通のサスペンス映画には収まらない所です、それどころかホラ

 

ー映画のようなゴーストの描写までありますし、殺人まで行われます しかし、映画

 

の根幹はモウリーンと兄の約束です 現世とあちらの世界があると考えるモウリーン 

 

双子で分身のような兄にしか心を開けなくなっていた彼女 そんなモウリーンのコミ

 

ュニケーション不全に全ての出来事の焦点が集まっています クライアントのキーラ

 

ともほぼすれ違いで、電話やメモでのやりとり メモ 恋人とも遠距離でパソコンを通

 

じて PC そして謎のメッセージと、来るとも知れない兄からのサイン そんな受け

 

身であるモウリーンが自分のアイデンティティを見つけていく過程が描かれていきま

 

す。

 

 

 

 

同時に兄に先立たれ、遺されたモウリーンは、兄の魂の存在を感じたいという願望が

 

強くあるのですが、同時にこの約束は、既に亡くなり、霊的存在となったルイスにと

 

っては彼の魂を現世に縛り付けてる原因になってしまっています ルイスは、モウリ

 

ーンに自分の存在を気づいてもらえず、この約束を果たせない限りは、死後の世界へ

 

と旅立つことが出来ないでいます。 そして彼をそうさせているのが、約束に対する

 

自分の執念だという事に最後は気付く事で、互いに呪縛から解かれ本当の自由を手に

 

する事になるのでした。 

 

 

 

 

中盤、謎の相手からのメッセージによるサスペンス的な展開は、兄の不在という現実

 

から逃避させてくれる出来事だったのではないでしょうか?そして、もしかしたら兄

 

のように自分を理解してくれる存在になり得てくれるのではないかという期待 それ

 

に依存する事で現実に向き合うことを避けようとしたとも考えられます しかしその

 

後に起こる事件がカンフル剤になり、彼女は強制的に目を覚ませられ、嫌でもリアル

 

な世界と向き合う事になるのでした。

 

 

 

 

そうなって初めてモウリーンは、兄が自分を離さなかったのではなく、自分が兄にし

 

がみついていたことに気づく瞬間に終わりを迎えます  END  唐突で不思議なエンディ

 

ングを迎える本作ですが、これらの一連の出来事を描く事で、モウリーンを通してコ

 

ミュニケーションとは何かを考えさせてくれる作品になっております。 何やら難し

 

そうな映画に思われるかも知れませんが、私は意外と好みの部類の作品でありました

 

 

 

 

主演の クリステン・スチュワート という女優さんの代表作 「トワイライト」 シリー

 

ズを観ていなかったので分からなかったのですが、「パニックルーム」 や 「エージェ

 

ントウルトラ」等にも出ておられた方でした 本作での彼女は正にはまり役で、見事

 

にモウリーンという役そのもので、男前でいて、メイクしてドレスを着るといきなり

 

スーパーモデルのように変貌する凄さは流石であります ラブラブ  

 

 

 

 

撮影も編集も独特で音楽も美しい映画です 予告のイメージとはちょっと違うお話か

 

もしれませんが、スピリチュアルな部分も意外と違和感なく受け入れやすい描き方を

 

されていて、独特のサスペンス映画としてもご覧になれると思いますので、気になっ

 

た方はご覧になってみて下さいませです  目

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

主題歌の「Track of time」という曲です ライブ演奏よろしければお聴きください