天正10年、利休は茶頭として信長に仕えていたが、6月の本能寺の変で信長は明智光秀に殺された 数年後利休は信長の後継者として力を伸ばしてきた秀吉の茶頭となった 利休は茶の湯を通して全国の武将を魅了し、わびの極致と言われる京都・山崎の待庵など贅の限りを尽くし自分の世界を築いていった しかし、石田三成が台頭してきてから、秀吉と利休の関係が狂い始めた、、、

 

 

 

 

 

 

こちらは1989年制作の 松竹映画  松  です(135分)

 

千利休の半生と、秀吉との関係から決別までを描いた 勅使河原宏 監督の作品であり

 

ます。野上彌生子の小説 「秀吉と利休」 の映画化になる本作ですがご承知のとおり、

 

全く歴史等の 学 が無い私でありまして、利休はおろか豊臣秀吉すら、何をした人物な

 

のかを知らないというレベル チーン 軽く調べて鑑賞いたしました

 

 

 

 

とはいえ、本作でも歴史的な部分は大まかに省略されており、メインはやはり 利休と

 

秀吉の微妙な関係であります (大島渚ならこれをホモセクシャルに描きそうですが) 

 

千利休を 三國連太郎 秀吉を 山崎努 が演じております 難しい部分は飛び越えて、下

 

層民の家から天下統一まで果たした秀吉を、かなりデフォルメした描き方で理解しや

 

すくしており、時には可愛らしくも思えるキャラクター設定になっています (ヒゲも

 

付け髭だったとは!)映画の冒頭から利休を印象付ける場面で始まります 秀吉を招

 

く為に茶の用意をする利休 朝顔を一輪だけ摘み 朝顔 他に咲いている花を全て切り

 

落としてしまいます 到着した秀吉は庭を見て不思議そうな顔をします 茶室に入る

 

と一輪だけ生けた花が、、、その表現に感服する秀吉でありました  笑い泣き   恋の矢

 

 

 

 

そもそも茶道は  maccha* 四畳半の簡素な小部屋で、亭主と客との精神交流を重視するも

 

の だそうですが、当時の茶道や茶会といったものがどのような位置付けや、意味をも

 

つものだったのかが、少し分かりづらい部分があり 同時に利休という人物が秀吉や

 

政治にどの程度影響力を持っていたのかが、歴史を知らない私には不明でありました 

 

 

 

 

ただ、秀吉が下層民出身にコンプレックスを持ち、利休という人物にある種 尊敬と憧

 

れを抱いていた事は理解出来ました 急激に出世した秀吉が、天下人であるにも、母

 

親と妻の前では田舎言葉になり、側近の前で出生を偽ろうと見栄を張る場面などは人

 

間味あふれて微笑ましい場面です。

 

 

 

 

監督自身 生け花の草月流三代目家元の為、画面に映る花は自身で生けたもので、そ

 

のこだわりは劇中で使われる茶器や掛け軸、屏風にも表れていて、所蔵する美術館か

 

ら本物を借りて撮影に使用​​​​​したそうであります 金屏風 演者はさぞ緊張した事でありま

 

しょうね  滝汗 色彩豊かな衣装を、かの ワダ・エミ が担当して目も楽しませてくれ

 

ます 音楽は 武満徹 です そんな最強の布陣でありますが、個人的にいくつか微妙に

 

感じた所もありまして、まずは撮影です  勅使河原宏 という監督に大きな期待をして

 

いた私のハードルが高かった面も大きいのですが、あまり構図や照明に、正直美しさ

 

をあまり感じませんでした 映画の内容と同様に、ありのままの美しさを表現したと

 

もとれますが、ラストシーンの画に比べそれ以外に深みを感じませんでした。 

 

 

 

 

もう一つは脚本で、あそこまでいった利休の哲学や思想が映画で伝わって来ない事 

 

秀吉があそこまで心酔していた利休に自害を命じるまでの心の揺らぎと葛藤が描き切

 

れていなかったように思いました。 それは単に私に学がなく、理解力が無い事も多

 

分にあるのですが、、、aya それ以外の 茶の作法や、身のこなし時代的なディテール

 

は楽しむ事が出来ました( 利休がどうやってあの狭い茶室空間に辿り付いたのか はてなマーク 

 

や、作法のディテールを見せる ハウツー作品 の面白さもあったら、より楽しめたかも

 

知れません)狭い茶室での 三國連太郎 と 山崎努の鬼気迫るやりとりは見所でありま

 

す  目 (利休は実際に三國さん位、背が大きかったようです!)

 

 

 

 

 

主演二人以外にも 三田佳子、岸田今日子、松本幸四郎、 中村吉右衛門、田村亮、

 

井川比佐志、北林谷栄、山口小夜子、 江波杏子、坂東八十助、中村橋之助、財津一

 

郎 と豪華な顔、顔 です ビックリマーク  もろもろと書きましたが、千利休と豊臣秀吉 美しい

 

美術と衣装 豪華な俳優さん達 と、何かと見所がある映画であります 何か一つで

 

も興味の湧く素材がありましたら、この機会にでもご覧になってみて下さい。 

 

では、また次回ですよ~! パー