ドイツの真ん中にあるとっても平凡な村、ボラースドルフ 村では普通が美徳とされ、目立つことや特別なことはいけないこととされていた おかげで、マーケティング会社による新商品のモニター村に選ばれる 市長や大人たちは大歓迎だったが、変わったことが好きな村の６人の子どもや、自分たちで新しいことに挑戦してきた老人たちは人体実験のようだと反発する すると大人たちは目障りな老人たちを老人ホームへ押し込めてしまう そこで子どもたちは、大好きなおじいちゃんやおばあちゃんを救出すべく、大親友のアカハナグマの クアッチも加えて“ハナグマ・ギャング団”を結成し、大胆不敵にして奇想天外な救出作戦を実行に移すのだった、、、
こちらは２０１４年制作の ドイツ映画 
です（８３分）
以前こちらでご紹介した「なまいきチョルベンと水夫さん」や、「やかまし村の子供
たち」 等。北欧児童文学 の映画好きの方なら、こちらも気に入って頂けるかもしれま
せん。 
但し、「やかまし村」 のような自然の中での暮らしを描いた作品とは違
い、作風としては 「ロッタちゃん」 に近い 
毒っ気のある ドイツの 映画オリジナ
ル作品であります
世界一平均的な村 ボラースドルフ そのおかげで、マーケティング会社による新
商品のモニター村に選ばれてしまいます どこよりも早く、様々な新商品が届けられ
モニタリングされる事になり、大人達は大喜び 
しかし、老人と子供達は くせも
のばかりでした マーケティング会社はモニタリングに邪魔になると、老人達を 老人
ホームに押し込んでしまいます 
お爺ちゃん お婆ちゃんが大好きな子供達 ６人
組 ハナグマギャング団 
と ペットのハナグマ クアッチ 
は 「大人達」から
お爺ちゃん達を助け出す為に、子供的なアイディアで奪回作戦を開始するのでありま
した、、、
という物語を、奇抜なアイディア盛りだくさんで描いています 思っていた以上にリ
アルさとはかけ離れていて、「地下鉄のザジ」 のようなシュールでスラプスティック
な表現が多く登場します 子供達 ハナグマギャング団は 清掃車 
トラクター 船
列車 消防車 クレーン を勝手に運転しては失敗、破壊を繰り返していきます
しかし、あくまでもそれはマンガチックに描かれます 
大人達もデフォルメされた描き方で、子供達から見た世界という事を強調しているよ
うで、色彩がとても ヴィヴィッドで 
まるで タイムラプスで撮影されたよう
な映像です その為、パッと見はハチャメチャなお子様映画に思えますが、見方を変
えると消費社会や、個性を認めない社会への皮肉 老人を老人として縛る大人達の言
動や行動などに対する反抗的な、パンク的メッセージも織り込まれているのでありま
す。
映画の中で、大人達に作られた物が子供達によって壊され 
老人達によって新た
なものへと再生されていくという 破戒と再生までも描かれています。と、そんな一
面もありますが単純にこの子供達が織りなすハチャメチャスラプスティック な世界を
楽しむのが一番でございます そしてこの子供達がとても可愛いのでありまして、特
に足元のファッションに目がいきます ６人とも履いている短めの革製ブーツ 
とソックス 
の絶妙なバランスやヘアースタイル等、ツボを心得ております
それ以上に映画で活躍するのが、日本ではあまり馴染みのない ハナグマ という生き物
本作では、見る限り ほぼ実際のハナグマが演じていまして、これが見事な演じっぷり
で驚いてしまいます 
この映画の中で一番まともなのはこの ハナグマの クアッ
チ だったりするのでした、、。
子供好き、動物好きの方には楽しんでいただける作品だと思いますので、機会があれ
ばご覧になってみて下さいませです 
では、また次回ですよ～！ 
本作のオープニングタイトルになります 歌声も映像も、なかなかの可愛さです 