1931年の満州事変に始まる日中15年戦争 帝国主義に基づく中国への武力侵略に対し、当時の日本人の大半はこれを支持し、その戦果に熱狂していた しかし、そこで行われていたのは無差別・大量殺戮であり、紛れもない非人道的な戦争犯罪だった 松井稔監督は日中戦争に加わった元皇軍兵士14人を日本の各地に訪ね、自らが行った具体的な加害行為についての告白を記録していく 中国人に対し、ある者は平然と生体解剖、細菌実験を繰り返し、またある者は残忍な拷問、大量処刑を行う 上官は自らの絶対性を示すために殺人を強要し、それに盲目的に服従、実行する兵士たち、、、

 

 

 

 

 

 

今回は日本映画を2本まとめてご紹介したいと思います どちらも良作で単体で紹介

 

したかったのですが、「真昼の暗黒」 の映画の動画が全く公開されておりませんでし

 

たので、涙を飲んで名画座風に、短く2本でご紹介させていただきまする  映画 まず

 

は1本目の 「リーベン・クイズ  日本鬼子」 という作品です

 

こちらは2001年制作の 日本のドキュメンタリー映画  日本  です(160分)

 

日本鬼子を中国読みすると、リーベン・クイズとなるらしく、当時の日本軍が中国本

 

土で、様々な非人道的で残虐な行為を行っていたかが、この呼び名で想像出来ます  

 

 

 

 

副題に 「日中15年戦争・元皇軍兵士の告白」 と付いておりまして、1931年(昭

 

和6年)の満州事変から1945年( 昭和20年)ポツダム宣言受諾による太平洋戦

 

争(太平洋以外の地域も含む、大東亜戦争)の終結に至るまでの約13年11か月にわた

 

る紛争状態と戦争を総称した呼称で​​​​、その期間に様々な立場で 軍 に所属、中国の地で

 

戦争に参加し、帰還した人々のインタビューで構成された映画です インタビューを

 

受ける方々は、当然もうご高齢で、戦争時の階級もそれぞれ違います 軍曹、軍医、

 

少尉、兵長、中尉、憲兵 とさまざまでそれによって多角的に語られ、リアルな証言を

 

聞く事が出来ました  真顔  

 

 

 

 

多くの方が口にするのは、これを聖戦だと思っていた事 日本の為、世界の為と考え

 

ていた事 中国人を チャンコロ (蔑称)と呼び、まだ派遣されて間もない新兵を木に

 

括りつけた状態で無抵抗の中国人を銃剣で殺させ、出来ない兵士にはビンタの嵐、そ

 

れを何度も繰り返させて、相手は人ではない、人殺しという行為を無反応に、軍の小

 

隊という小さなコミュニティの中での命令は絶対だ、と精神状態に洗脳していく過程

 

の恐ろしさ 

 

 

 

 

中国人への拷問は日常的で、動けない状態で大量の水を顔に浴びせ、膨らんだ腹を押

 

して水を吐かせる そしてまた水を顔に、という事を繰り返し行ったりといった行為 

 

軍医の執刀の勉強の為に健康な人間を多数手術して殺したり 細菌開発の実験に使っ

 

たり はたまた、ただの部落で強姦し、多数の人を裸で道に寝かせて銃剣で刺しまく

 

る 出産したばかりの動けない女性の家に火を放ち、家ごと焼き払う 子供も同然に

 

殺害していたと語ります。

 

 

 

 

男性は勿論、女性は子供を産む、子供は将来大人になり復讐すると考え抹殺していた

 

そうです 戦火が悪化し、日本本国で労働力が足りなくなったと、人さらいまで行っ

 

ていました。そして 食人 まで まるで アウシュビッツ が無いだけで、やっていた事

 

はナチスと何ら変わりなかった事に驚きを隠せませんでした  滝汗 祖国の為、つま

 

りは 天皇の為にという士気と、軍という暴力に支配された中で、自分自身も毎日のよ

 

うに暴力を受けていた中では、自尊心や感情というものを保つ事は不可能だったので

 

しょう 

 

 

 

 

この戦争体験者の方々が居なくなった将来 リアルな体験をしていない私達は、もし

 

何かが起こり、自分達が正義だと確信した洗脳状態になってしまったら、、、

 

再び過ちを犯さないとは、自信を持って言えない怖さを案じてしまう作品でありまし

 

た 被害者の話ではなく、加害者側の話には否応ない説得力があります ドクロ

 

家族の為、恋人の為という ぬるい 日本のセンチメンタル戦争映画 など、吹っ飛んで

 

しまうリアルがあります とても興味深いお話なので、是非ご覧になってみてはいかが

 

でしょうかはてなマーク

 

 

 

 

もう1本は 「真昼の暗黒」 という映画になります ( 前が長くなったので短めに )

 

 

婚約者もいる青年の植村清治は、身に覚えのない殺人事件の容疑者として逮捕される それは仲間で先に逮捕されていた小島武志が共犯として自分を含む4人を、警察の取り調べに対して供述したためだった 植村は警察の執拗な取り調べについに犯行を「自供」してしまう。刑事裁判で植村や弁護側は、供述調書に含まれる数々の矛盾や疑問を取り上げたが、、、

 

 

 

 

 

 

こちらは1956年制作の 日本映画 日本 です(124分)

 

「裁判官 人の命は権力で奪えるものか」 というタイトルの原作の映画化で、実話をベ

 

ースにしたお話です  私も知らなかった 「八海事件」 という 1951年(昭和26

 

年)に山口県で起きた冤罪事件で、映画では配慮の為に人物名等はオリジナルに変更

 

されています メモ   

 

 

 

 

三原村で小金を貯めこんでいるという噂のある仁科老夫婦が惨殺され、その翌朝、皆

 

川、矢口 両刑事は笠岡市の遊廓から 小島武志 を検挙します ジャンパーの血痕、指

 

先の血糊と、動かぬ証拠をつきつけられた小島は自供を始めますが、捜査本部では単

 

独犯では片づけられない種々の事情から判断して、複数犯の犯行と捜査方針を勝手に

 

決めつけ、小島の口から共犯の事実を吐かせようとします 複数犯なら死刑は免れる

 

と判断した小島は、つるんでいた友人4人の名前をあげ、5人で犯行に及んだと供述

 

をしはじめます 無実の罪を被せられた4人でしたが、拷問のような取り調べを毎日

 

受けた事で判断できなくなり、警察が都合の良いように作成した供述書に拇印を押し

 

てしまいます 指紋 裁判が始まり自分達は無実であると訴えるのですが、、、ちびっこハンマー

 

 

 

 

といった内容です 話が面白そうだと興味本位で お取り寄せしてみたのですが、これ

 

がなかなか映画としても面白い出来でありました 冤罪の恐ろしさと、今では考えら

 

れない暴力と拷問のような取り調べ 警察の筋書きと都合で事件が決まってしまう怖

 

さ そんな権力に一石を投じるような作品で、前半は多少スロー感はありますが、犯

 

罪が起きてからは緊迫感があり人間ドラマとしても見応えがあります 

 

出演は、草薙幸二郎、松山照夫、内藤武敏、左幸子、山村聡、北林谷栄、芦田伸介、

 

といった 渋すぎる豪華メンバーであります キラキラ  俳優陣のみならず、今井 正 監督、

 

橋本忍 脚本で、撮影や編集も見事であります 予告や動画が無く、ご紹介出来ないの

 

が残念ですが、、。

 

 

 

 

偶然とでも言おうか、2本共 社会的メッセージの強い良作で、日本の闇をあらわにし

 

た骨太の作品です 敬遠しがちかも知れませんが、是非 ご覧になってみて頂きたい映

 

画でございますです  !!   長文にお付き合いありがとうございました  aya

 

では、また次回ですよ~! パー