ベトナム戦争が泥沼化していた1971年 ニューヨーク・タイムズはベトナム戦争に関する政府に不都合な事実が記載された最高機密文書、通称“ペンタゴン・ペーパーズ”についてのスクープ記事を発表する アメリカ中が騒然となる中、ニクソン政権は裁判所に記事の差し止め命令を要求する タイムズが出版差し止めに陥る一方、出遅れたライバル紙のワシントン・ポストでは、編集主幹のベン・ブラッドリーが文書の入手に奔走する やがて全文のコピーを手に入れたポストだったが、それを公表すれば裁判となって会社の将来を危うくしかねず、経営と報道のはざまで社内の意見は大きく二分する そしてそんな重大な決断が、亡き夫の後を継ぐ形でいきなりアメリカ主要新聞社史上初の女性発行人となったキャサリン・グラハムに託されたのだったが

 

 

 

 

 

 

こちらは2017年制作の アメリカ映画 アメリカ です(116分)

 

1971年に起こったベトナム戦争を分析・記録したアメリカ国防総省の最高機密文

 

書の存在を暴露した ワシントンポスト の2人のジャーナリストの実話を 無名だった 

 

リズ・ハンナ が執筆した脚本を見た スピルバーグ監督が気に入り、「レディー・プレ

 

イヤー1」 のポストプロダクション中 に撮影に入り、スピルバーグ監督史上 最短で

 

完成させた作品だそうであります。 以前も 「ジュラシックパーク」 と 「シンドラ

 

ーのリスト」 も同じように製作されておりまして、このふり幅もまた魅力であります 

 

普段からリハーサルを嫌い、早撮りで有名なスピルバーグですが、特に今作では実力

 

のある俳優さんを多数起用している事も、功を奏したのでしょうね  映画

 

 

 

 

Movie  ニクソン大統領政権下の71年、ベトナム戦争が泥沼化し、アメリカ国内には反戦

 

の気運が高まっていました 国防総省はベトナム戦争について客観的に調査・分析す

 

る文書を作成していました、戦争の長期化により、それは7000枚に及ぶ膨大な量に膨

 

れあがっていました  ある日、その文書 最高機密文書 = 通称 「ペンタゴン・ペーパ

 

ーズ」 が流出し、ニューヨーク・タイムズが内容の一部をスクープ ライバル紙でも

 

あるワシントン・ポスト紙は、亡き夫に代わり 発行人で社主に就任していた女性 キャ

 

サリン・グラハム のもと、編集主幹のベン・ブラッドリーらが文書の入手に奔走 残

 

りの文書を独自に入手に成功しますが、ニクソン政権は記事を書いたニューヨーク・

 

タイムズの差し止めを要求 新たに記事を掲載すれば、ワシントン・ポストも同じ目

 

にあうことが危惧されます 記事の掲載を巡り会社の経営陣とブラッドリーら記者た

 

ちの意見は対立し、キャサリンは経営か報道の自由かの間で難しい判断を迫られます 

 

政府を敵に回してまで、本当に記事にするのか、、、報道の自由、信念を懸けた“決

 

断”の時は近づいているのでありました ビックリマーク

 

 

 

 

メリル・ストリープ、トム・ハンクス という豪華共演ですが、意外にもメリルス・ト

 

リープがスピルバーグ作品に出演するのは 初 というのに驚きました (「AI」には

 

声のみ出演されているそうですが、、、知らなかった) 出演されている俳優さんは

 

ベテランの方が多く、内容も社会派のサスペンスという事で、若者の観客の引きは皆

 

無でありますが、映画を観ればそんなものは吹き飛んでしまうのでした スティーブ

 

ン・スピルバーグ という監督の巧みさ、こういったテーマを映画という映像のエンタ

 

ーテインメントに仕上げてしまうのであります  筋肉

 

 

 

 

それに応える役者陣、中でもやはりの メリル・ストリープ が見事でして、オープニン

 

グ間近 トム・ハンクスとのシーンでは長いワンカットでの会話シーンがあります 他

 

でも長めのワンカットシーンが多数登場し、役者さんの演技を堪能出来る作品です   

 

前半ではあくまでも亡くなった夫から受け継いだ新聞社の経営をこなす女性であった

 

のですが、ペンタゴンペーパーズを掲載するか否かという場面では 「もう父のもので

 

も夫のものでもない 私の会社なのよ」 という意識の変化が起き、「報道が仕えるべ

 

きは国民であり、統治者ではない」 という報道機関としての使命と正義に目覚めてい

 

く過程の、心の揺らぎを表現した演技と、表情は見事でありました 映像表現も素晴

 

らしく、キャサリンがドアを開け部屋へ入ると、暗い照明の中男性ばかりが出て来る

 

演出や、庭で子供が遊ぶ光景をバックにシリアスな会話を始めるという対照的な構

 

図、ペンタゴンペーパーズを手に入れた箱を開ける際に覗き込む顔 捨てコアラ

 

 

 

 

新聞の印刷工程の画だけで見せるサスペンス感と緊張 新聞  と撮影も的確にキメてきま

 

す映画の表面的なストーリーと同時に、ポストの経営者 キャサリンという家庭的な女

 

性が社会的にも男性同様に渡り歩いていく自立の物語としても見応えがあります ハイヒール

 

前半に出て来たインターンの青年の活躍も、もっと見たかった気もしましたが、、、

 

そして今作は 「レディ、1」をパスしてジョン・ウイリアムズ が音楽監督に復帰され

 

ています。「国民の真実を知る権利」 「言論の自由」 そしてジャーナリズムとは はてなマーク 

 

というテーマをこの 「現在」 に映画にしようと考えたスピルバーグの、ビッグネーム

 

になってすらも、何かしらのメッセージを感じずにはいられない作品でありました

 

 

 

 

映画のラスト 別の場所である事件の序章が映されるという、なんとも洒落たエンデ

 

ィングとなっています それをスクープするのも ワシントンポストの記者でありまし

 

た そのまま 「大統領の陰謀」 をまた観たくなるのは必至でございます アラン・

 

J・パクラ監督にも敬意を表したのかも知れません  意外と地味な印象ですが、ご覧

 

になればきっと楽しめる作品になっていると思いますので、機会があればご覧になっ

 

てみて下さいませです 目

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

本作では、意外にも出演者の他でも女性陣が多く活躍されておられます  口紅

 

 

ご存知 スピルバーグ監督 まだまだ作品を観たい監督さんです