シャルル・ボネは美術品収集家として知られているが、実はすご腕の贋作画家 自分で制作した偽の美術作品を競売にかけていた 一人娘のニコルは、父親がいつか捕まるのではないかと気が気でない 何度も贋作作りをやめるよう説得するが、シャルルは一向に筆を折る気配は無い シャルルのコレクションに疑問を抱いた美術商のソルネは、美術鑑定のエキスパートである探偵のデルモットに調査を依頼する デルモットはある夜シャルルの家に潜入するが、ニコルにあっさりと見つかってしまう、、、
こちらは1966年制作の アメリカ映画 です(123分)
以前ご紹介した 「噂の二人」 のコンビ ウィリアム・ワイラー監督、オードリー・ヘ
プバーン主演、共演にピーター・オトゥール を迎えての ロマンティックコメディ作品
です いつもの TUTAYA で在庫検索、在庫あり!という事で探してみたもの
の、「コメディ」 「ラブロマンス」 コーナーには見当たらず 再度店内の機械で
検索 なんと!「サスペンス ミステリー」 のコーナーにございました、、、ジャ
ンル分けの難しさを痛感いたしました。
舞台は60年代のパリ
富豪のシャルル・ボネは美術収集家 裏では贋作を
描いてはオークションに出して、世間を欺く事に快感を覚えて楽しんでおりました
そんな彼の一人娘 ニコルは、父のそんな行動を辞めさせたがっていましたが、中々言
う事を聞いてくれず心配する毎日 ある日、大きな美術館の館長が訪れ、祖父が作っ
たヴィーナス像を 「チェリーニのヴィーナス」 として美術館に貸し出す事になり、ニ
コルは贋作とばれないかを心配します
ヴィーナス像が美術館に飾られ披露パーティーが開かれた夜 ボネ邸に盗人が侵
入、一人屋敷に居たニコルが発見 シモンと名乗るその男は言葉巧みにニコルを説得
し、偽物の絵がある以上警察を呼ぶ訳にもいかず、ニコルはシモンを見逃すことにし
ますが、ニコルが威嚇の為に持っていた銃が暴発 シモンの腕にかすり傷をつけ
てしまいます 彼の治療をして、ホテルまで送る羽目に 別れ際、シモンからキス
を受け呆然としたまま別れるのでした
翌朝、ボネ親子はヴィーナス像が科学鑑定にかけられると知り顔を真っ青にします
鑑定を受ければヴィーナス像はおろか、今まで売った絵もたちまち贋作だと知られて
しまいます 焦ったニコルは泥棒のシモンを呼び出し、ヴィーナス像を盗んで欲しい
と頼みます。 父親の為、シモンと二人して美術館から
ヴィーナス像を盗
む計画を行動に移すのでありました、、、
オードリー・ヘップバーンの登場シーンからして、ジバンシーお洒落のオンパレード
です。衣装がいちいち美しくて、可愛らしく、寝起き姿でシモンを送る場面等は、淡
いピンクのネグリジェに黒長靴、そこへビビッドなこれまたピンクのコート これ
でもお洒落にみえる所がヘップバーンパワーなのであります そんな彼女を時にリー
ドし、包容力ある演技で包む、ピーター・オトゥールの紳士ぶりが、また良いコンビ
になっているのでした 美術館に侵入し、狭い物置部屋に潜む二人のやりとりや、盗
む手順のアナログ感もまた良いです。
ヴィーナスの像に恋するアメリカの美術品収集家を、ウエスタン等での悪役でお馴染
みの イーライ・ウォラック が演じていますが、本作ではなんとも憎めないキャラを演
じていて、本作の中での登場人物は、警察含め 皆憎めないのであります 衣装だけで
なく、この映画に使用されている車が (私自身、あまり車に興味ないのですが) どれ
も可愛くてカッコイイのでした
日本語のタイトルが残念の映画が多々ありますが、本作の 「おしゃれ泥棒」 というタ
イトルは、お見事のセンスでございます 映画はシモンの正体が明かされて、ラブ
コメの王道的なエンディングを迎えます 何一つ嫌な気分にならない映画となってお
りますので、そんな気分になりたい時は、こちらをご覧になってみてはいかがでしょ
うか です
では、また次回ですよ~!