街道沿いの豪奢な邸宅 そこではコーネリアと30歳になる一人息子が2人で暮らしている コーネリアは数ヶ月前に腰骨を痛め、2階への上り下りは鳥かごのようなホームエレベーターに頼らねばならなかった ある夏の週末、息子はコーネリアを残して友人たちとの数日のバカンスに旅立つ  独り残されたコーネリアが2階に昇ろうとエレベーターを動かした途端、停電が起こりエレベーターは空中で止まってしまう 飛び降りるのもままならない空中に取り残されたコーネリアは、玄関先まで繋がれた非常ベルを鳴らし救いの手を待ち望むが、やがて現れたのはさらなる最悪の事態を招くことになるある人物だった、、、

 

 

 

 

 

 

こちらは1964年制作のアメリカ映画 アメリカ です (94分)

 

豪邸の簡易エレベーターに閉じ込められた、初老の女性が体験する恐怖を描いた サス

 

ペンス映画です ナイフ 当時の日本タイトルは、日本オリジナルで付けるのが常識だっ

 

たようでありまして、本作はかなりの違和感を感じてしまう不思議なタイトルになっ

 

ています 

 

 

 

 

Movie 映画のオープニングタイトルは ソウル・バス の影響を、もろにうけたタイトルデ

 

ザインになっています しかしそれだけでは収まらないセンスがありました 本作で

 

描かれる 根幹的な要素である 都会の中での孤立感や、無関心を表すようなショットが

 

絡むのであります 牢屋

 

 

 

 

倒れて動かないホームレスをローラースケートで踏む黒人少女 スケート靴 道路上で車に轢

 

かれた犬を横目に通り過ぎる車列 くるま。 Bb ミニパト DASH! ラジオからは 米ソ の張りつめた

 

状況が聞こえます  そんな大通りに面したお屋敷に住む主人公の コーネリア と、30

 

歳を迎える息子のマルコム 過保護というだけではない、ちょっと恋人のような雰囲

 

気を感じさせる親子関係。婦人は数カ月前に腰を痛め、階段の上り下りが困難な為、

 

簡易エレベーターを室内に設置していました エレベーター (これだけでもお金持ちという事

 

が分かります) 

 

 

 

 

そんな日、息子のマルコムはこっそりと置手紙を自室に残し、友人たちと週末の旅行

 

へ出かけ、翌週の火曜日まで戻らない旨を告げ出かけて行きます 一人になったコー

 

ネリア。 自宅の外では工事が行われていました 工事人の不手際で、コーネリアの

 

自宅に繋がる電線に不備が発生してしまいます 

 

 

 

 

コーネリアがエレベーターに乗ると途中で止まり、真夏というのに、エアコンも送風

 

機も止まってしまいます 滝汗 周辺の停電と思い高を括っていましたが一向に回復し

 

ません 但しエレベーターには非常用のボタンがあり、押すと外の通りにあるベルが

 

鳴り、緊急を要する事を知らせてくれる事になっていました 非常ベル  

 

 

 

 

コーネリアはそのボタンを押しますが、車の騒音と雑踏に打ち消されてしまうのでし

 

た ただ一人気付いたのは、アル中のホームレスでした ディサロンノ 彼は家の中を覗き、

 

ワインが置いてあるのに気づきます そこで、入口のドアのガラスを割って侵入 ガラス

 

 

 

 

ワインを飲み、家の中を物色しはじめます 女主人のコーネリアがエレベーターで動

 

けない事を知ると、目ぼしい物を持って立ち去ります その足で、故買屋に持ち込み

 

お金に換えます その姿を見ていた3人組の不良は、何処からか盗んだに違いない

 

と、ホームレスの男をつけます ホームレスの男は、馴染みの売春婦に盗みの手伝い

 

を依頼し、再びコーネリアの家で物を物色し始めますが、そこへストッキングを被っ

 

た、女性を含む3人組の不良がなだれ込んで来ます  ストッキング ストッキング ストッキング

 

 

 

不良のリーダーの ランダルは、我が物顔で屋敷の物を盗み、破戒していきます その

 

姿を見ているしかないコーネリア  退屈しのぎとばかり、ホームレスの男を仲間に

 

殺させます。

 

 

 

 

仲間二人は、やや精神的な疾患があるようで、いつもヘラヘラと笑い 「これで電気椅

 

子送りだ!」 と笑うのでした  その不良達の悪行を見ていたコーネリアは彼等を大

 

声で非難します が、彼等には何一つ響かないのでありました  不良の一人が2階

 

のマルコムの部屋にあった手紙を発見します それを読んだランダルは、コーネリア

 

に宛てたマルコムの手紙をコーネリアに読んで聞かせるのでした メール 

 

 

 

 

そこに綴られていた息子の言葉に、ショックを受けるコーネリア チーン これまでの自

 

尊心が崩壊した彼女には、エレベーターから降りてどうしても助けを呼ばなければな

 

らない状況が生まれる事になります  コーネリアはエレベーターから降りて、助け

 

を呼ぶ事が出来るのでありましょうか  !?  というお話です。

 

 

 

 

一見、ただのサスペンス映画に思えますが、当時のアメリカ社会の不安が、様々な形

 

で映画に登場しています 大衆の中に居ながらの孤独と孤立 外見の平和に反した、

 

親と子の歪み エレベーターという檻の中から見る、野獣達の弱肉強食の世界 親の

 

不在によって生み出されたランダルのような人間と、それを生みだしているコーネリ

 

ア本人等。 特種な設定を上手く生かして、ありふれた人間生活の闇を描いています

 

 

 

 

本作が映画デビューとなった ランダル役の ジェームズ・カーン (ある種、ミザリー

 

の逆であります) そして小さい役ですが、映画 「シャイニング」 で少年と同じシャ

 

イニングを持つ黒人ハロランを演じていた スキャットマン・クローザース が出演さ

 

れておりました ニコルソン  

 

 

 

 

主人公のコーネリアを演じるのは オリヴィア・デ・ハヴィラン

 

ド という女優さんです 撮影時40代後半ですが、衣装も相まってか、なかなかセ

 

クシーで、お美しい方でございました くちびる

 

 

 

 

以前ご紹介した 「噂の二人」 といい、今作といい いち早く時代の先端を切り開いた

 

意欲作です 未だに古びない魅力がございますので、機会があればご覧になってみて

 

下さいませ、です。 目

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

なかなか凝ったオープニングタイトルで、カッコイイでありまする  ウインク