クリスマス前後の女子学生寮を舞台に、奇怪なイタズラ電話に端を発した猟奇殺人を描いた恐怖映画で、アメリカやカナダでは非常に有名な都市伝説 「ベビーシッターと2階の男」 がモチーフとなっている。​​​​​

 

 

 

 

 

 

 

 

              - BLACK CHRISTMAS   -  監督 ボブ・クラーク

 

 出演 オリヴィア・ハッセー、キア・デュリア、マーゴット・キダー 他

 

こちらは1974年制作の カナダ映画  カナダ  です (98分)

 

 

 

 

 

後世の スラッシャー映画 (ホラー映画のジャンルで、大量殺人鬼が登場する作品の名称だそうです) に多大な影響を与えた作品、という触れ込みを見てT〇UTAYAの発掘良品にてレンタルしてみました。

 

 

 

 

  さて映画の内容ですが、原題は 「ブラッククリスマス」 というタイトルで、正にクリスマスの夜のパーティ場面から物語は始まります。 北アメリカの小さな学生街ベッドフォード。 ジェスは、数人の仲間と一緒に、その街のとある寄宿舎に下宿していました。

 

 

 

 

そこは、女管理人マックスを除けば全て女子学生ばかりでした。その寄宿舎には、以前から不気味な怪電話がかかってきていましたが、クリスマス・イブのパーティの最中にかかってきたその電話に、勝気なバーブが「変質者」と怒鳴ったことから、事件は始まります。 パーティをきり上げてクレアが部屋に戻ってくると、既にそこには変質者が忍び込んでいて、クレアの頭からビニールを被せて窒息死させると、屋根裏に放り込みます。

 

 

 

 

翌日、彼女の父親が訪ねてきたことでクレアの行方不明が発覚し、警察に捜査願いを出します。 たまたま同じ地区に住むジャニスという少女が行方不明になった事も重なったことから、事件としてフラー警部が捜査に乗り出す事になります。 警察犬が駆り出され、寄宿舎の周辺を隈無く捜すと、ジャニスの惨殺死体が発見されますが、クレアの行方は見つかりません。 

 

 

 

 

その頃、ジェスは優秀な音楽学校の生徒である恋人ピーターの子を妊娠していましたが、彼女は中絶する決意をかためていました。 ところがピーターは中絶に大反対し、「きっと後悔するよ」といって部屋を飛び出して行きます。 事件はその夜一気にクライマックスに達します。 

 

 

 

 

フラー警部はジェスに電話に出てもらい、逆探知で電話の主を確かめようとしていました。 その電話で、相手と話していたジェスは戦慄します。 その相手が 「ベベーは殺してはいけない」「こぶをけずるのとは違うんだ」 というセリフは、ピーターの言葉と同じだったからです。何度目かの電話で逆探知はやっと成功しますが、驚くことに、その電話は寮の中からでした。 その間、2階では1人、また1人と殺されているのでした、、。

 

 

 

 

ざっとご紹介すると、このような感じになりますが、やや下ネタジョークや、コミカルなキャラがホラー映画の雰囲気を散らかしている感じがあります。 プラス、前半に殺人者が寮に侵入する場面がある為、屋根裏に潜んでいる事がこちらに分かってしまっている分、サスペンス要素が薄まってしまうというマイナス面があります。 逆に、こちらは知っているという優越感で鑑賞出来るという面もあるのですが、好みの問題ですね。

 

 

  

 

実はこのタイトルに似た映画 「夕暮れにベルが鳴る」 (1979年の作品)という作品を遠い昔に劇場の2本立てで観ておりまして、先にそちらを観てからこちらを観るという、ちょっとややこしい事情を経ての本作の鑑賞となりました。 

 

 

 

 

以前観た作品ではベビーシッターの女性が一人で、、というお話のもので、似たような設定だな~と思ったら、このお話ってアメリカでは有名な都市伝説で、どちらもそのお話をアレンジした作品だという事で納得いたしました。 「夕暮れにベルが鳴る」をご覧になった方おられますかね?

 

 

 

  

で、本家と言えるこちらの作品ですが、最大の見所は何といっても オリヴィア・ハッセー 演じるヒロインという事でしょうか? あの 「ロミオとジュリエット」 の可憐なさは、微妙に色あせてはいるものの、、(失礼!) まだまだその美しさは絶賛爆発中であります。 

 

 

 

 

他にも有名どころのマーゴット・キダー も、同じ女学生として出演されていますが、当時からやや、アダルトなお顔立ちをしておられ (スーパーマン  の時のロイス役に、何故か違和感を覚えてしまった 幼い私がおりました ) 大人の女性の色気を匂わせております

 

 

 

 

個人的に面白かったのが、逆探知場面で、昔の刑事ドラマ等でよく見かけましたが、どのように逆探知をしているのかという裏側を見る事が出来ました。 同時にそのアナログ感に驚くという、、。 昭和ドラマの逆探知が成功しない理由に納得です。

 

 

 

 

ホラー映画あるあるの、危険を知っているのに逃げない!や、つい二階に上がってしまうとか、逃げ場の無い所に入り込んでしまう、という基礎が本作ではちゃんと確立していて、ちゃんとハラハラドキドキを体験させてくれます。

 

 

 

 

そしてラスト、殺人鬼が死んで事件解決~!?となった後 (まだ、屋根裏部屋にある遺体に気づいていない警察もいかがなものか?とも思いましたが) まさかの、もしや、、、? という 観客に、嫌~な気分にさせたままのエンディング等、現在も使われていたりするホラー要素が沢山詰め込まれている所も流石の作品です。

 

 

 

 

多くが女子寮という限定的な空間の中で行なわれるシチュエーションスリラーの恐さが活かされつつ、子供の聖歌隊と、殺人のカットバック編集や、時に鮮やかな色彩を使ったりと、古さと斬新さを兼ね備えた独特のホラー映画に仕上がっています。 ちょっとクラシカルな良作の「こんなクリスマスは嫌だ!」映画をご覧になりたい方は、一度チャレンジしてみてはいかがでしょうか、です。

 

 

では、また次回ですよ~! パー