南仏サントロぺを舞台にオカマ・クラブを経営する中年男2人が繰り広げる奇妙な人間関係を描くジャン・ポワレ原作の舞台劇 「ラ・カージュ・オ・フォール」の映画化

 

 

 

 

 

 

           -  LA CAGE AUX FOLLES  - 監督 エドゥアール・モリナロ

 

 出演 ウーゴ・トニャッツィ、ミシェル・セロー 、クレール・モーリエ 他

 

こちらは1978年制作の イタリア イタリア フランス フランス の合作映画です(91分)

 

 

 

 

  南フランスのサントロペ  ゲイ・クラブの経営者レナートは女房と別れ、中年男アルバンと愛の巣を作っていました。 が、ある日、息子が突然結婚話を持ち出してきます。 話を聞けば相手は何とお堅い政党の書記長の娘で、しかもその一家を自宅に招待することになった事で大騒ぎに、、。 という ジャン・ポワレ原作の舞台劇 「ラ・カージュ・オ・フォール」 の映画化作品で、脚本にポワレ本人も参加されています。 アメリカでも同じ原作で ロビン・ウィリアムズ 主演の 「バード・ケージ」(1996年公開) という映画もあります。 日本でも度々舞台が上演されていて、鹿賀丈史、市村正親 のコンビで現在も上演されたりしている コメディ作品であります。

 

 

 

 

フランスのサントロペにある ナイトクラブ 「ラ・カージュ・オ・フォール」 ( 狂人の檻)のオーナー レナートと、店の花形にして、レナートと20年来のパートナー アルバン  店は毎夜ドラッグクイーンの豪華なショーで大繁盛していました しかし最近の二人はギクシャク。 レナートが店の経営で忙しく、アルバンはあまり構ってもらえず淋しさから、口喧嘩が絶えない日々でした そんな折、離れて暮らしていた長男 ローランがやって来ます。 成人したばかりの彼でしたが、「好きな人が出来て結婚する事を決めた」 と告げられます。 実はローランは20年前、レナートがシモーヌという女性と儲けた子供で、レナートが引き取り、アルバンと育てた子供でした。

 

 

 

 

結婚はめでたい事でしたが、何せこの複雑な環境。その上、相手の家庭は厳格で堅物で、「秩序と道徳党」という政党の書記長だったのでした。 婚約者の彼女は、そんな父親に相手の職業を聞かれ、とっさに 「外交官」 と答えてしまいます。 そんなさ中、父親の仕える党首が、未成年の黒人女性の行為中、腹上死したという一報が入ります これでお先真っ暗、マスコミの追及が始まりました。 そこで妻の助言で、外交官である男の息子と、娘を結婚させて、保身と党の健全な好感度を上げようと画策します。 そこで両親同士の顔合わせをするため、レナートの家へと訪れる事になります。 

 

 

 

 

さあ大変とばかりに、家の別の意味でゴージャスな (男性器の露出の多い) インテリアから、黒人のゲイ (これがまた良い味を出しています) のメイドから、そして最も重要な問題の アルバンも、、。 なんとか彼女を説き伏せ、「伯父」 という名目で乗り越えようとします。 しかし、身体に染みついた女性的な動きはすぐには直りません 一つ一つを男性の動作に矯正しようと奮闘します。(ジョン・ウェインのように!とかなり笑える場面です) そして女性が居ないのは不自然と思い、20年来会っていない本当の母親に、母親として立ち会って欲しいと頼みます。 これにまたアルバンから横槍が入ったりと ハチャメチャな 状況の中、ついに彼女と家族が訪れます ぎこちない時間が過ぎて行きますが、その裏では書記長の父親を狙う新聞記者が後を追っていました。 

 

 

 

 

なんとか無難に過ごせたと思っていたその時、アルバンが女の意地を炸裂させ、女装で母親として登場して来てしまいます。 そこへ本当の母親も乱入! パニックと怒りでその場を退散しようとする書記長でしたが、裏口には新聞記者が出れないよう細工され、外に出るには ナイトクラブ 「ラ・カージュ・オ・フォール」 から出るしかありません。 こんなゲイクラブから出る写真を撮られては、「もう人生は終わりだ」と嘆く彼でしたが、ここでアルバンが良いアイデアを思いつくのでした! さて書記長を救い、二人は結婚して家族となる事が出来るのでありましょうか、、? といったお話です。

 

 

 

 

中学生になったばかりの私は、公開当時 映画はまだ2本立てで、何かの作品のオマケで観たのですが、確かヴィレッジ・ピープルの映画 「ミュージック・ミュージック」だったような気がしますが定かではありません。 まぁそれは置いといて、何故か突然思い出して観たくなった本作。 ちゃんとDVD化されていて一安心。

 

 

 

 

確かこの映画が発生で 「 Mrレディー」 という言葉が生まれたように記憶している私。公開当時はさほど気にさなかったのですが、本場のフランスでもやはりゲイは差別の対象だった事にちょっと驚く部分もありました。 少しは時代も変化したんでしょうかね。

 

 

 


しかしそんな偏見まみれの時代でも、本人達はいたって元気。 人生を前向きに楽しく過ごすゲイと呼ばれる人達。 その自由さと振る舞いで生きている事を謳歌しているその姿に、本来の人間らしさを感じられて、何故か憧れてしまう私でした。 最初は偏見という壁で互いの人間性が見えないでいますが、最終的には 家族愛や人間愛といった所に無理矢理 はてなマーク 目覚めさせられてしまう人達もユーモラスです。

 

 

 

 

深い部分では、やはり苦悩があるのは重々分かっているけれど 「今の自分に素直で、楽しく生きる」 嫌味のない彼等は、やはり生命力に溢れ素敵なのでした  ラブラブ  そしてこの二人の夫婦愛がとにかく可愛らしくて、二人を見ているだけで幸せな気分になります。ちょっとブルーな気分の時にでもご覧になると、勇気をもらえるかも知れませんので、機会があれば一度ご覧になってみて下さいませ、です。 

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

動画は続編ですが、本作も音楽をエンニオ・モリコーネが担当していています。