1984年、不況に揺れるサッチャー政権下の英国。 20ヵ所もの炭坑の閉鎖が決まり、それに抗議する炭鉱夫のストライキは4ヵ月目に入ろうとしていた。 ロンドンに暮らすゲイのマークは、そのニュースを見て彼らを支援しようと、仲間たちとゲイのパレードで募金活動を行い合わせて “LGSM(炭坑夫支援レズビアン&ゲイ会)” という支援組織も立ち上げる。 さっそく、集まった寄付金を送ろうと全国炭坑労働組合に連絡を取るも、ゲイというだけで門前払いを食らってしまう。 そこでマークは炭坑に直接電話してみたところ、ウェールズの炭坑町ディライスが支援を受け入れてくれることに。 こうして、まるで水と油の2つのグループの交流が思わぬ形で始まるのだったが、、。

 

 

 

 

 

 

こちらは2014年制作の イギリス映画 イギリス です。 (121分)

 

実在の団体 レズビアンズ・アンド・ゲイズ・サポート・ザ・マイナーズ  LGSM、

 

(字幕では「炭鉱夫支援同性愛者の会」 ) が、サッチャー政権下の1984年~19

 

85年の炭鉱ストライキの際に、炭鉱労働者へ金銭支援を行った話を映画化した作品

 

で、第67回カンヌ国際映画祭で クィア・パルム ( LGBTやクィアをテーマにした映

 

画に与えられる賞 ) 等、多くの映画賞にノミネート、受賞をしている作品です。 ベル

 

 

 

 

ナゾの人  1984年、不況に揺れるイギリス。 サッチャー首相が発表した20カ所の炭坑

 

閉鎖案に抗議するストライキが、4カ月目に入ろうとしていました。 ロンドンに暮ら

 

すマークは、その様子をニュースで見て、炭坑労働者とその家族を支援するために、

 

ゲイの仲間たちと募金活動をしようと思いつきます。「彼らの敵はサッチャーと警官

 

つまり僕たちと同じだ。」 と、友人と、募金を呼びかけ始めます。 コインたち

 

 


 

 

マークは 「LGSM」(炭坑夫支援レズビアン&ゲイ会) を立ち上げますが、賛同し

 

たのは、たった9人でした。 バケツを手に街角で集めた寄付金を送ろうと、全国炭

 

坑労働組合に連絡するマークでしたが、何度電話しても 「レズビアン&ゲイ会」 と名

 

乗るとと切られてしまいます。 ロンドンでもまだまだ差別視される彼等でした、、

 

 


 

 

そこで炭坑に直接電話 電話 ウェールズの炭坑町の役場に電話すると、あっさり受け

 

入れられます。  数日後、炭坑町を代表してダイがロンドンまで訪れます。偏見を

 

持たない彼に安心するマーク達。 その夜、生まれて初めてゲイ・バーを訪れたダイ

 

は、大勢の客の前で「皆さんがくれたのはお金ではなく友情です ビックリマーク 」 と熱く語るの

 

でした。

 

 


 

 

彼の感動的なスピーチのおかげでメンバーが増え、LGSM は、炭坑に多額の寄付金を

 

送る事ができました。 支援者への感謝パーティを企画した委員長のヘフィーナは、

 

「絶対にもめごとが起きる」 という反対を押し切って LGSM のメンバーを町へ招待

 

します。ミニバスに乗って、ウェールズの炭抗町へ到着する LGSM のメンバー達。 

 

 


 

委員長のヘフィーナや書記のクリフが温かく迎えてくれるが、会場を埋める町人たち

 

の反応は冷ややかで、マークのスピーチが終わると続々と退場して行ってしまいます 

 

しかし、翌日になると、好奇心を抑えきれない人々が、彼らに様々な質問を投げかけ

 

る。 無邪気な疑問に答えるうちに、互いに心を開き始めるゲイと町人たち。 さらに

 

ジョナサンがダンスを披露、歓迎会は大喝采で幕を閉じます。  演劇

 

 


 

 

しかし、組合と政府の交渉は決裂、ストは42週目に入り、サッチャーは組合員の家

 

族手当を停止します。 再び町を訪れたマークたちがさらなる支援を決意した矢先、町

 

人の一人が新聞に密告、「オカマがストに口出し」 と書き立てられ、LGSM からの支

 

援を打ち切るか否か採決がとられることになります。

 

 

 

 

今や町人たちと深い友情で結ばれたメンバーたちは資金集めのコンサートを企画しま

 

すが、その先には思わぬ困難が待ち受けていました、、。

 

 

 

 

これまでもイギリスの炭坑町を舞台にした作品はいくつかありました。 「フル・モン

 

ティ」 や「ブラス」 「リトル・ダンサー」 等 どれも良作ばかりです。 それにもれる

 

事なく、本作も嫌味のない感動作でありました。

 

 

 

 

炭坑町の失業や、過疎といった社会的な問題だけでなく、LGBTの問題も含まれた

 

本作が実話という所がまた驚きです。 ついつい 内へ とこもった作風になりがちなテ

 

ーマですが、この作品では、かなり前向きに捉えられています。  それはある意味、こ

 

れ以上ちる所がない状況だからかも知れませんが、、。 社会から見放された状況に

 

共通点を見いだしたのか、それぞれの状況や悩み、生き辛さが 互いの生き方に影響さ

 

れ、シンパシーが深まっていく過程には感動させられてしまいました。  

 

 

 

 

そしてここに登場する ゲイ、レズビアンの人達の前向きな事。もちろん個々に重い悩

 

みはあるのですが、、。 とにかく明るく前向きな事に救われます。 義理チョコ

 

 

 

 

その彼等も仲間が居るからこそで、炭坑町の人々も仲間で支え合って政府に対抗して

 

います。 この作品のテーマでもある 連帯 。 互いに支え合う事で、思わぬ力になる

 

ものです。 こんな仲間が居たらな~と、羨ましく思ってしまった私なのでした。

 

 

 

 

ゲイやレズビアンを扱う作品に多く登場するセクシャルな場面はほとんど登場しない

 

のもこの作品の特徴の一つです。 しかし、親へのカミングアウトや差別、AIDS 

 

というシリアスな内容もしっかりと描かれていて、短い人生を力強く生きるパワーを

 

もらえる映画です。

 

 

 

 

音楽のチョイス、そしてダンスシーンは素敵です。 音譜  こういう時って何故か女性

 

達の方が柔軟ですね。演者の中に私が好きな ビル・ナイ ( ここでも良い味を出して

 

います ) そして イメルダ・スタウントン と、なかなか素敵な俳優さんが見事な演

 

技を見せてくれています。 お気に入りはレズビアンの女性メンバー。 彼女が一番

 

男前で素敵でした。  デレデレ

 

 

 

 

やや肯定的な部分が強調されている感もありますが、この気持ちの良さには野暮な

 

ツッコミはいらないと思えてしまう、作品の力も感じるのでした。

 

様々に見応えのある良作だと思いますので、機会があればご覧になってみて下さいま

 

せ、です  目 

 

では、また。  パー

 

 

 

 

 

 

 

「この町の男は踊らないの」 の声に触発するように踊ってみせるゲイの彼でした 音譜