投資仲介会社の経営者であるジェフリーは、ある日精神を病んでしまい、共同経営者二名と自らの妻を殺害 幼い娘二人を連れて森の奥の小屋へと辿りついた彼は、そこで二人を殺害しようとするも、小屋に潜む何者かに襲われて姿を消すのだった それから5年後、ジェフリーの弟であるルーカスは、あの小屋で姉妹を発見する 奇跡的に生還していた彼女たちの精神状態に強い興味を持ったドレイファス博士の協力のもと、彼は恋人のアナベルと姉妹とで博士が用意した家で共同生活を営むことにする。
こちらは2013年制作の スペイン と カナダ の合作映画です(100分)
当初、ショートフィルムだった本作を ギレルモ・デル・トロ 監督が気に入って、製作
総指揮に回って長編として制作されたのが本作で、この アンディ・ムスキエティ監督
はこの後に 「IT」 を監督することになります
お話は、父親であるジェフリーは、ある日精神を病んでしまい、共同経営者二名
と自らの妻を殺害して 幼い娘二人 (姉 ヴィクトリア 2歳程? 妹 リリー 生後半年
程?)を連れ、森の奥の小屋へと辿り着きます 子供もろとも心中しようと、子供に
拳銃を向けた瞬間 ジェフリーは後ろから何者かによって殺されます それ
から5年の歳月が経ちますが、ジェフリーの弟である ルーカスは、幼い二人の行方を
探し続けていました そしてある日、あの小屋で二人が生きたまま発見されるのです
5年もの間、人間としての生活を送っていなかった二人はまるで猿のような野生児に
なっていました しかし5年の間、食料等はどうしていたのか?謎は残っていました
しばらく専門医の所で療養生活をした後、博士の勧めで研究名目でルーカスと恋人の
アナベルの4人での生活を送る事になります
なかなか二人に馴染まない子供達でしたが、時間が経つうちに少しづつ打ち解けて来
ていたのですが、やがて不思議な夢や現象が起こり始めるのです 子供達が 「ママ」
と呼ぶ存在が居る事に気付き始めます 映像の 構図 を上手く使った印象的なシ
ーンがありました 画面左に アナベルとヴィクトリア が リリーを呼ぶ姿、右にはド
アが開いた部屋で、リリーがドアで見切れた 誰か とシーツを引っ張り合いをしている
姿が一つの画面で展開されています とても楽しそうなリリーの表情 ママと遊んで
いたのでしょうね、、、
そんな中でも、博士は研究を続けていました そして二人が発見されたその森では18
78年に閉鎖されたクリフトン・フォージの精神病院に入院していた イーディスとい
う女性患者が出産した我が子を奪われそうになりシスターを刺殺し、赤ん坊とともに
崖から湖に身を投げたが、水に落ちたのは彼女だけで、赤ん坊は木に引っ掛りそのま
ま命を落としてしまいます。イーディスは霊となり あの森を彷徨いつづけ、幼い姉
妹を見つけ 我が子の代わりとして5年の間、二人と過ごしていたのではないか と
考えます
アナベルと子供の距離が近づくにつれ、「ママ」はその存在のアピールが大きくな
り、遂に二人の子供を、あの場所で自分のもとへと連れて行こうとするのであります
が、、、本作はホラー映画ではありますが、根底には 母親 母性 というものが色濃く
流れています。ゆえに映画に登場する男達は、ろくでなしの父親や、役立たずの恋人
だったりします。劇中 が象徴的に度々登場します 変身や変化 自由というものを
象徴しているような? ラストに至っては女性の母性の争いになり、まだ幼い子供
の、霊となった醜い ママ に対する眼差しや、笑顔は 幼気で それを見つめる醜くなっ
た ママ でさえ、体調によっては泣けてしまう場面もあります 骨となった実の子に対
しては、違った意味で驚かされてしまいますが、子役の二人が大変上手て可愛らしい
ので、母親の方がご覧になると危険かも知れません。
子供と関わる事で母性が目覚めて行く アナベルを ジェシカ・チャステイン 以前ご紹
介した「ヘルプ」 や「ゼロ・ダーク・サーティ」 等に出演されていましたが、全く違
うヘアメイクで気付きませんでした ルーカス を演じるのは、こちらも以前ご紹介し
た 「真夜中のゆりかご」 のニコライ・コスター=ワルドー で、相変わらず男前でご
ざいます 役に立ちませんが、、、
エンディングは、実の親と触れ合った子供達の年齢差が大きく影響しているのだと思
います それと長女の眼鏡というアイテムも、、、それぞれ解釈が別れるでしょうが
まだご覧になっていらっしゃらない方には、ある意味 意外ともいえる終わり方をして
います。ついでになりますが、ブルーレイをレンタルしたのですが、メイキング等の
特典が入っておりまして、ママは全てCGのように見えますが、人間がフルメイクを
して演じておられました 髪だけは、湖に沈んだという事でCGで波打たせており
ますが、人間が演じていた事に驚きました 霊である ママ にも感情移入出来る
映画で、涙もろい方はもしかして泣ける作品にもなるかも知れませんので、機会があ
ればレンタルしてみてはいかがでしょうか
では、また次回ですよ~!
こちらが デル・トロ の目に留まったショートフィルムです 貞子感ありますが、、、