作家アーサー・ミラーの戯曲「セールスマンの死」の舞台に出演中の夫婦 夫は教師をしながら、小さなの劇団で妻とともに俳優としても活動している  ある日、引っ越ししたばかりの自宅で、夫の留守中に妻が何者かに襲われ、ふたりの穏やかだった生活は一変する 事件を表沙汰にしたくないと警察への通報を拒否する妻の態度に納得できない夫は、自分自身で決着をつけるべくひそかに犯人捜しを続ける 演劇と犯人探し、夫婦の感情のずれがスリリングに絡み合い、やがて物語は思わぬ展開に…。

 

 

 

 

 

 

こちらは2016年制作の イラン イラン国旗 フランス フランス の合作映画です(124分)

 

以前ご紹介した映画「別離」「彼女が消えた浜辺」の アスガル・ファルハーディー監

 

督作で、「別離」 同様 今作で2度目の アカデミー外国語映画賞 を受賞しております 

 

 

 

 

Movie オープニング、夫 エマッド (教師) と 妻のラナの夫婦が出演する舞台 が映さ

 

れ、タイトルクレジットが終わると同時に、いきなり夜のアパートの部屋から避難 と

 

いう緊迫感のあるワンカット場面から始まります (理由は説明されませんが、どうも

 

アパートの倒壊が始まり、避難命令が出たようです) ここで同じアパートの 動けな

 

い住人を背負って避難します  非常口 この 人が居なくなったアパートと、エマッドの善

 

意の行動は、映画後半 効果的に作用する事になります   住む所を失った二人は、舞台

 

の知人のツテで 新たなアパートに越す事になります いなり大1個   

 

 

 

 

しかしそのアパートは、前の住人の荷物がまだ残っていて 捨てクジラ 急遽 越して行ったよう

 

な感じの部屋でした アパート  舞台 「セールスマンの死」(アーサーミラー作品) の初

 

日公演を終え、先に帰った ラナは 夫が帰って来たと思い、部屋のドアを開けておきま

 

す。そのままシャワーを浴びに向かうラナ、しかし相手は夫ではありませんでした

 

自宅へ戻ったエマッド  階段に付く血のような足跡、、、 いやな液体 部屋のドアは開き、誰

 

も居ません 浴室に血痕が残っているだけでした 血 ラナはアパートの住人に助け

 

られ、病院で手当てを受けていました 幸い 頭と顔のケガで済んではいましたが、い

 

ったい部屋で何が起こったのか、、、はてなマーク

 

 

 

 

ここまでが映画の三分の一程度で、この後 事件によって精神にダメージを受けた妻と

 

寄り添う夫のぎこちない生活と同時に、この事実を 「よく覚えていない」 と言って警

 

察への通報を拒み、過去の事として封印しようとする妻と、夫として、男として 妻を

 

傷付けた男を見つけ出し、復讐しようとするエマッドの行動と葛藤が描かれ、中盤か

 

ら後半にかけては 犯人探しの サスペンスの要素が盛り込まれる構成になっています 

 

 

 

 

アスガル・ファルハーディー監督の作品は、嫌でも イラン という国の風習や戒律を根

 

底に構築されていて、その独特の異文化的世界が、他の国の人間から見ると興味深い

 

魅力にもなっているのではないでしょうか? 妻のラナが警察に届けない事を望むの

 

は、こちらからすれば疑問を感じますが、警察での尋問でのセカンドレイプもありま

 

すが、不貞行為や女性に落ち度があったとされれば、女性側が罰せられる可能性も大

 

きく、近所からの扱いも変わってしまうという お国柄の事情と、男性と女性の格差も

 

まだまだ根強くある事も映画のストーリーに大きく影響しています  本人、そして

 

近所の住民も多くを語らない所でよりサスペンス感が増す効果も生み出されています

 

 

 

 

劇中、上演される 「セールスマンの死」 ですが当然舞台は観た事はありませんが、辛

 

うじてダスティン・ホフマン主演版の映画を昔観ておりました、しかし 暗い印象だけ

 

で、あまり憶えていませんでした 内容は一人のセールスマンを通して、アメリカの

 

繁栄と低迷、古い家族の型の崩壊、それに取り残された男の悲劇 を描いた作品だった

 

と思います。ただ、直接的に映画のストーリー自体にはリンクさせてはいません 間

 

接的に大国アメリカとイランを対比させて、価値観と自由の基準の落差を表している

 

ようにも見えました。映画後半で、妻を傷付けた人物に復讐しようと 以前住んでいた

 

アパートに呼び出し、人助けの行動とは逆の行為をしようとするエマッド 映画オー

 

プニングとは真逆の展開となります。

 

 

 

 

犯人とその家族を呼び出し、己の罪を告白させようとしますが、ラナはそれを拒みま

 

す。これ以上、悲しみの連鎖を広げたくない 悲しむ人を増やしたくない、という気持

 

ちからでしょう エマッドの行動は、いつしか妻の気持ちを越えて、自身の復讐心の

 

為だった事に気付くのですが、もう戻れない状況に陥ってしまっていました 気まず

 

い空気と、予期せぬ出来事によって幕を閉じる事になります ラストショットは舞台

 

のメイクをする エマッドとラナのそれぞれの表情が映され終わります (メイクとい

 

うのも意図を感じてしまいます)この白黒つけないエンディングも アスガル・ファル

 

ハーディー監督の作品の特徴であります 太極図 好みは分かれるでしょうが、、、

 

 

 

 

この映画は、イラン社会に於ける 罪と罰、そして贖罪と赦しが、もしもあの時~だっ

 

たら、、 という 少しの心の隙間 が生み出すズレ がテーマになっています そしてチ

 

ラチラ覗くイランという国の特殊性 ベール  それと同時に、宅配ピザ、スマホ、スポ

 

ンジボブ 等 が日常に根付いている不思議さ、、、 スポンジボブ 子供を招いての楽しい食事か

 

らの、あの嫌な間と空気  チーン こう書くと、巨匠監督の難しい作品のように思えます

 

が、夫婦を描いたサスペンス映画として、普通に楽しむ事が出来る映画であります 

 

それと同時に、深読みすれば色々と違った観方も出来る映画でもあります 

 

 

 

 

この文章自体、本作を鑑賞した方が読むと全く的外れいものに感じる方もいらっしゃ

 

るかも知れません ですので、機会があればご自身の目でご鑑賞して頂きたい作品で

 

あります 後半の気まずさは、なかなか例を観ない気まずさを味わえますですので 

 

是非 ビックリマーク 同じ体験をして下さいませませ。 目

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

トランプに抗議の意味で出席しなかった授賞式 代理の方が受け取りました  オスカー キラキラ

 

 

私が観た「セールスマンの死」 です マルコビッチの若さの方が気になるのでした