1962年、アメリカ 政府の極秘研究所に勤めるイライザは、秘かに運び込まれた不思議な生きものを見てしまう アマゾンの奥地で神のように崇められていたという“彼”の奇妙だが、どこか魅惑的な姿に心を奪われたイライザは、周囲の目を盗んで会いに行くようになる 子供の頃のトラウマで声が出せないイライザだったが、“彼”とのコミュニケーションに言葉は必要なかった 音楽とダンスに手話、そして熱い眼差しで二人の心が通い始めた時、イライザは“彼”が間もなく国家の威信をかけた実験の犠牲になると知る─。

 

 

 

 

 

 

こちらは2017年制作の アメリカ映画 アメリカ です (123分)

 

「スリー・ビルボード」 から待つ事ひと月、本年度 アカデミー賞の発表前の色が付く

 

前に観ておきたかった作品でした 大手のシネコンでは上映が無く、なんと!地元で唯

 

一地道に営業している小劇場での初鑑賞となりました 流石に年齢層が高かった、、

 

土曜日の午前の上映でしたが、半分弱のお客さんでございました 「パンズ・ラビリ

 

ンズ」 のギレルモ・デル・トロ監督の作品で (パシフィック・リムは途中で挫折して

 

しまった私 マジンガーZ ) 「パンズ・ラビリンズ」 の世界を期待して劇場へ向かった私でした 

 

 

 

 

Movie 1962年のアメリカを舞台に、言葉の喋れない イライザが、清掃員として務め

 

るアメリカ政府の極秘研究所で目にした アマゾンで捕まえたという生物と心を 通わせ

 

ていく 切ないラブストーリーとなっています 言い換えれば逆、「人魚姫」 的な設定

 

ですな  この舞台設定である1962年という時代に物語を置いた事が、この映画を特

 

別な世界観にした要因でもあり、様々な要素を描く事によって、やや二人?のストー

 

リーのフォーカスに集中出来なくなってしまった部分も、少なからずあった気がいた

 

しました

 

 

 

 

当時冷戦時代であった アメリカ と ソ連  化学兵器競争をしているさ中、アマゾンで

 

偶然捕獲した 生き物 を軍事利用の為、解剖しようとする軍の人間 その生き物の調査

 

を任される 悪者代表の極悪白人 ストリックランド その情報を入手したソ連のスパイ 

 

この戦々恐々の状況下で、唖者のイライザと 同僚の黒人の清掃員 ゼルダ 何故こんな

 

二人が清掃員とはいえ、政府の秘密機関に出入りできるのか? 注意 それは当時、まだ

 

白人至上主義であり、障害者も黒人も 人間としての人権 を無視されていたからです 

 

 

 

 

同様に イライザ の隣人で仲良しのお爺さん ジャイルズ 彼はゲイ で、美味しくも無い

 

パイの店員に会いたいが為、毎日のように通います (イライザの口にも合わなくて、

 

冷蔵庫がパイだらけという場面は微笑ましいです) しかしその彼にちょっと話をした

 

途端、態度が豹変 新たに入店して来た黒人カップルにも差別的暴言を吐きます 当

 

時のゲイは世間では隠れた存在でした。

 

 

 

 

大きな括りで言えば、イライザ同様、黒人のゼルダ、隣人のジャイルズ、そして捕ら

 

われた生き物 は全て立場は違いますが 「声を出せない人々」 です その 思いを声

 

に出せない弱い立場の人々が、強いものに抵抗するという面を持った映画でもありま

 

す そういった時代背景も描かれている為、イライザと生き物の 絆 部分のストーリー

 

が少し削られてしまっている印象もあります それをマイナスに感じるかどうかが好

 

みにもなるかも知れません  

 

 

 

 

同時に甘いラブロマンス映画を期待して行くと (特にカップルで) 少し面食らってし

 

まう場面も多々あります 滝汗  大変幻想的で美しいオープニングが終わり、イライ

 

ザの出勤まで、毎日行われているルーティング行動が映されます その中にバスタブ

 

に浸かりながらの 自慰行為があります 極悪 ストリックランド が妻とセ〇クスする

 

シーンも、そこから写す?という位置から捉えます 生き物の前で、真っ裸になり

 

抱き合う場面もあります 通常のハリウッド映画であれば、主役は若くて美人 生き

 

物はもう少し可愛らしく、最後は男前の人間になる 前記のシーンも他の撮影方法も

 

ありますし、匂わせるだけで良い場面もあります その指示をされるのが嫌で、ギレ

 

ルモ監督は自分でも資金を出しています。

 

 

 

 

生き物を、生き物として愛したイライザ R指定を受けても、あえて まんまの生物と

 

しての人間をそう描きたかったのでしょう その奥には現在の社会に対するメッセー

 

ジも込められています。 移民、格差、マイノリティ 等々「美女と野獣」 では野獣を

 

愛したのに、結局男前な人間に戻ってチャンチャン となりますが、本来なら「野獣に

 

戻して~!」となるのが本当では?とひねくれた見方をしてしまう私でありました

 

 

 

 

タイトルである 「シェイプ・オブ・ウォーター」 を訳すと 水の形 となります しか

 

し水には形がありません 「愛」 も同じく形がありません この映画は、形がないも

 

のを描いた作品であると同時に、生き物に代表される 見た目 に捉われない 愛 という

 

物も描かれています。お世辞にも可愛いとは言えない 生き物と、若く美人とも言い難

 

い イライザ の 究極の純愛映画です  黒人のゼルダ、隣人のジャイルズ、そしてソ

 

連のスパイでありながら、生き物を守ろうとする男 そして悪役を一人で背負った ス

 

トリックランドと、キャラクターは皆素晴らしく映画の中で光っています そして凝

 

った美しい撮影、セット、小道具と音楽達  音譜

 

 

 

 

もう少し前半の、生き物との絆を深める場面に時間を割いても良かった気もしま

 

すが、トータル素敵な映画体験が出来る作品である事は間違いありません

 

ネコとの遭遇場面には驚きましたが、、猫 そしてキャンディー と、緑のパイ、ラブ

 

ロマンス、ホラー、サスペンス、コメディ、ミュージカル と多様な視点で観る事が出

 

来る映画になっておりますので、是非ともご自分の目でご覧になってみて下さい ビックリマーク 

 

では、また次回ですよ~! パー

 

 

 

 

 

 

 

映画をよく表現したサントラであります 曲で映画をご堪能ください  音符

 

 

劇中沢山の素敵な曲が流れます その中の1曲を宜しければ  ♪+゜