1950年代のフランス。クリスマスを祝うため、雪に閉ざされた大邸宅に家族が集うこととなった その日の朝、メイドのルイーズが、一家の主マルセルの部屋へ遅い朝食を持っていくと、彼はナイフで背中を刺され死んでいた 外から何者かが侵入した形跡はない。電話線は切られ、雪で外部との連絡を完全に絶たれた8人の女たち 祝祭気分は一転、彼女たちは疑心暗鬼を募らせていく やがて、互いの詮索が始まる そして、次々と彼女たち一人ひとりの思惑や秘密が暴露されていく…。
こちらは2002年制作の フランス映画 です(111分)
1961年に発表された 戯曲 を基に、映画用に新しく脚色された作品となっておりま
す。これを新たに脚色し、監督したのが 「まぼろし」 「スイミングプール」 のフラ
ンソワ・オゾン でございます 作品によっては作家性の強い?監督だったりもするの
ですが、本作はコメディ要素あり、ミュージカルあり、そして密室ミステリーという
サービス精神満点の映画となっております
舞台は1950年代 (監督のこだわりだそうです) クリスマスを祝う為、田舎のお屋
敷に家族親戚が集まって来ます 屋敷の主人マルセルと妻のギャビー(カトリーヌ・
ドヌーブ)その娘たち シュゾンと カトリーヌ ギャビーの妹のオーギュスティーヌ
(イザベル・ユペール)と母親マミー そして使用人の シャネルと ルイーズ (エマ
ニュエル・ベアール)です
皆が再開を喜んでいましたが、なかなか屋敷の主 マルセルが起きて来ません 使用
人のルイーズが見に行くと、なんと ベットの上にうつ伏せの状態で、背中にナイフが
刺さったまま血を流して死んでいるのを発見します
カトリーヌは部屋に鍵を
かけ、番犬が吠えなかったことから犯人はこの中にいると判断します そんな時 マル
セルの妹のピエレットが屋敷に訪れます 警察を呼ぼうとしますが 電話線は切られ
ており 外部に連絡がとれないことを知った女たちは、車で警察を呼ぼうとします
が、車は使えず 嵐が去るまで屋敷にとどまることになります
8人の女たちは一体 誰がマルセルを殺したのか お互いを探り合います 互いに疑心暗
鬼になり、過去の嫌な事や、恨み、嫉み、レズビアン等が露呈していきます
そしてこの家族の過去と それぞれマルセルに依存していた事実が明るみになっていく
のでありました さて、いったい誰が マルセルを殺したのか そして驚きの結末が
待っているのでありました
このフランスを代表する女優陣を前に、監督もかなり緊張したようですが、なかなか
観れないアンサンブルで、特に以前にもご紹介した「アスファルト」「母の残像」の
イザベル・ユペール のいつもとは違う演技は見物です そして8人それぞれにミュー
ジカルシーンが設けられていて、スタイリスティックスの「愛がすべて」やマリー ラ
フォレの「モナムールモナミ」シルヴィ バルタン や シェイラ といった曲を、劇中 女
優さんが歌い 踊り始めるというシュールで楽しいシーンが挟まれている為、つい重い
愛憎劇にほどよいアクセントになり、殺人事件をよそに楽しんでしまう私でありまし
た ラストの展開もなかなか考えさせられる結末になっていて フランソワ・オゾ
ンの一筋縄ではいかない作家性も覗ける物になっています。女性が8人も集まると、
こんなろくでもない事になる怖さが味わえます
セットのカラフルさと、女優さんの配役により、色で分けられた個性の衣装 のこだ
わりを観ているだけでも楽しめる作品で、アガサ クリスティ のミュージカル版のよう
な映画でございます ドヌーブ嬢と、ユペール嬢の体格の対比をご覧になるのもいか
がでしょうか?個人的には ドヌーブ派の私でありました
興味が湧きました
らレンタルしてご覧になってみて下さいませです
では、また次回ですよ~!
劇中のミュージカル?シーンの一場面です ドヌーブ嬢、現役でありまするな