とある豪邸で開かれたパーティで起こった殺人事件をめぐって展開される推理を扱ったサスペンス。 イギリス発祥の「Cluedo」というボードゲームに基づいた作品。

 

 

 

 

 

  

                    -  CLUE  - 監督 脚本 ジョナサン・リン

 

 出演 アイリーン・ブレナン、レスリー・アン・ウォーレン、ティム・カリー 他

 

こちらは1985年制作の アメリカ映画 アメリカ です。(94分)

 

 

  1954年ニュー・イングランド 嵐の夜、とあるゴシック風大邸宅で、豪華なディナーパーティが開かれます。 招かれたゲストたちはそれぞれある人物からの招待状を受け取っ手ていたのでした。 訪れたゲストの顔ぶれは表向きは普通の人物でしたが、それぞれ裏の顔を持っていました。

 

 

 

 

売春宿を経営するミス・スカーレット、旦那が政治家でワイロを受け取っているミセス・ピーコック、過去の旦那五人が不審な最期を迎えているミセス・ホワイト、女性患者に手を出した医師のプラム教授、国務省勤めでゲイのミスター・グリーン、ピーコックの店の客のマスタード大佐という顔ぶれ。 他にゲストをもてなす執事のワズワース、女性コックメイドのイベット。 ホストが現われないまま食事が始まります。 互いを匿名で呼ぶルールの中、それぞれが腹の探り合いが始まります。ゲストからは何故ここへ呼ばれたのかと質問が飛び始めた所に遅れてまた一人、ボディと名乗る男が現われます。

 

 

 

 

全員そろった所で、書斎に置かれたホストからの手紙が読まれます。 招待されたゲストに前もって送られた手紙には「この晩餐会に参加すれば必ず得をします。ボディ氏が皆様の人に言えぬつらい経済的債務に終止符を打ちます」 という手紙に釣られてやって来たのでた。 場所を書斎へと移し執事が用意されていた手紙を開封して読み上げます。 そこには前記した闇の顔と、それによって長期に渡ってお金をゆすられている事実が書かれていました。 そのゆすりをしていた張本人はボディ だったのです。

 

 

 

 

彼はカバンから一人一人にプレゼントと称した箱を手渡します。 その中にはそれぞれ首つりのロープやナイフ、拳銃等の凶器になる物が入っていました。 これが何を意味するのか困惑していると、おもむろにボディは部屋の電気をけします。 その瞬間叫び声と共に銃声が響きました。再び明かりを点けるとそこにボディの死体が転がっていました。 いった誰がボディを殺したのか?それぞれが疑心暗鬼になり犯人探しが始まります。

 

 

 

 

他の人間が潜んでいるかもしれないと、屋敷の捜索を始めたゲストの前で今度はコックの死体を発見します。 電話を貸してくれと訪れた男や警官も殺され、メイドまでもボディが持ってきた凶器で殺されてしまいました。 犯人は誰?もうゲスト達はパニックとなるのでした、、。

 

 

 

 

ちょっと怖いタイトルが付いているミステリー映画ですが、ともすれば最近のB級シチュエーションホラーを連想させます。 小洒落たジャケットの雰囲気はアガサ・クリスティの世界観を思わせワクワクします。 映画のオープニングでは、嵐の夜に大邸宅に集まってくる訳ありでゴージャスな恰好をしたゲスト達。 その雰囲気はそう、以前ご紹介した「名探偵登場」に類似しています。執事、コック、メイドというゲスト以外の登場人物もほぼ同じではありますが、でもそんな事は気にならない位に、ある種コメディに振り切っている所が楽しい作品です。

 

 

 

 

その上「名探偵登場」は推理小説をパロディにしている事もあってか、真犯人が今一つ分からない映画でしたが、こちらはパロディ作品ではなく一応の推理劇として、ちゃんと犯人と落ちをつけています。ただ、そこがこの作品の特殊な所で見所でもあるのですが、エンディングがなんと3通りもあるのです! まずDVDの再生を始めるメニュー画面に「3つのエンディングから無作為に選択された1つのエンディング」と「ビデオ版の3つのエンディングを全てご覧頂けます」 というチョイスがあり、推理もの作品を根底から覆すこの大胆さに度肝抜かれます

 

 

 

 

一応3つのエンディングをチョイスして鑑賞した私。 映画が終わり、とりあえずのエンディングがあった後、「この結末はいかがでした?」そして「こんなのはいかが?」と次のエンディングが始まります。 それが終わると、「でも本当の結末は、、、」 となり3つ目のエンディングを見せられます。 どれも力技ではありますが、それもご愛嬌です。

 

 

 

 

この斬新さ?はあの「名探偵登場」を上回る程の推理劇に於けるタブーに挑戦していると言っても良い仕掛けで、推理を楽しみにしている人からすれば「馬鹿やろー!」でもあり、「3パターンも楽しめる」 とそれぞれの意見がありそうな御法度感。ちなみに私の推理はそのどれにもあてははまりませんでしたが、というかそもそも推理に集中させてくれない程、皆さんアクの強いボケと演技を連発してくれるので、推理しようなんて気にはほぼなりませんでした。

 

 

 

 

で、結論としてこの映画がつまらないかと言うと、これがなかなか面白い映画でしたよ。3つのエンディングがあるという事も含めて楽しめる作品で、逆に収められているどれか一つのエンディングだけだったらつまらなく感じてしまったかもしれません。 設定の妙というか、力技というか、裏ワザの勝利でした。 勿論その設定だけが面白い訳ではなく、執事やゲストそれぞれのキャラととぼけた演技があってこそ観れる作品です。

 

 

 

 

執事役のティム・カリーのダッッシュ、レスリー・アン・ウォーレンの妖艶さ、そしてあの「バック・トゥ・ザ・フューチャー」と同年での出演となっているクリストファー・ロイドの慌てた演技、個人的にはメイドを演じている可愛い女性がどこかで見たな~と思っていたら「地獄の黙示録」や「死亡遊戯」のコリーン・キャンプだった事が嬉しい驚きでした。そんな訳でドタバタコメディな要素が多い映画ですが、一応サスペンス的な推理も楽しめる内容になっていますので、ベタな80sの笑いを観たい方はこの機会にでもご覧になってみてはいかがでしょうか、です。

 

では、また次回ですよ~! パー