平清盛の厳島詣の留守を狙って起された平康の乱で、焼討をうけた御所から、平康忠は上皇と御妹上西門院を救うため身替りを立てて敵を欺いた。院の身替り袈裟の車を譲る遠藤武者盛遠は、敵をけちらして彼女を彼の兄盛忠の家に届けたが、袈裟の美しさに心を奪われた。清盛派の権臣の首が法性寺の山門地獄門に飾られ、盛遠は重囲を突破して厳島に急行した。かくて都に攻入った平氏は一挙に源氏を破って乱は治った。袈裟に再会した盛遠は益々心をひかれ、論功行賞に際して清盛が望み通りの賞を与えると言った時、速座に袈裟を乞うたが彼女は御所の侍渡辺渡の妻だった、、、

 

 

 

 

 

 

こちらは1953年制作の 大映 映画作品となります 日本

 

 

 

 

日本初の イーストマンカラー で撮影された作品で、第七回 カンヌ国際映画祭 で 日本

 

映画として、初の パルムドール ライオン  を受賞  第二十七回 アカデミー賞 でも 外国語

 

映画賞 と 衣装デザイン賞 を受賞 ベル した作品でございまして、はっきり言ってそちら

 

の方が気になって今回、鑑賞してみたしだいです こちらは2011年にデジタルリ

 

マスターされているのですが 私がレンタルした物は、それ以前に発売されていた物の

 

ようで、画面のノイズや、色調にロールによってむらがある代物でありまして、非情

 

に残念でありましたが、それでも美しさは伝わってまいりました 着物

 

 

 

 

平安時代の物語ではありますが、日本の歴史に疎い私にはちょっと敷居の高いお話か

 

と思って見始めたのですが、要約すると 「貴族階級の人妻に恋してしまった、武士階

 

級の武者の男が、自分の妻にする為に、身分をわきまえず奮闘する」 というお話であ

 

りました 筋肉

 

 

 

 

不倫というものではなく、盛遠 という男の 袈裟 に対しての一方的な 愛 でありまし

 

て、面と向かって断られても諦めず、終いには 袈裟 の叔母を脅し 袈裟 を呼び出し 

 

「妻にならなければ叔母と 袈裟 を殺す」 とまで言い出す始末 ナイフ 仕方なく、それ

 

ならば主人の 渡辺渡 を寝ている間に殺して下さい とその場は凌ぐのです。 約束の

 

夜 渡辺渡 の屋敷に忍び込む 盛遠 だったのですが、、、

 

 

 

 

平安末期のお話で、渡辺渡 は、貴族階級の没落 ダウン と 盛遠 は、武士階級の台頭 アップ

 

を具体化した人物として捉える事も出来ます そうなると 袈裟 は平安文化 の具体化

 

と見れます。 この三人をその時代の、ある種の 象徴 として見るのも面白いかも知れ

 

ません

 

 

 

 

所作は歌舞伎的でありますが、京マチ子 の所作の美しさは流石であります 平安 そし

 

て黒澤明 の作品でも感じるのですが、着物の着方一つ、セットも、絵では見ているけ

 

れども実際にはこんな風に使われていたんだな~と、歴史考証や考察 がちゃんとなさ

 

れているのに関心してしまうのでした (それに比べて最近の時代物は、、ごめんなさい

 

 

 

 

カンヌで受賞した時の審査委員長は ジャン コクトー で 「これこそ美の到達点」 と絶

 

賛したそうですが、やはり日本的な美術や衣装も受賞に大きく貢献したのではない

 

か、と思います。 

 

 

 

 

ひつこい男の、イライラする映画ではありますが、89分という短めの時間で、日本

 

映画の歴史的に重要な作品ですので、機会がありましたらご覧になってみて下さいま

 

しです

 

では、また次回ですよ~! バイバイ