Apple IIのフロッピーディスクイメージの作成と復元の方法 | Arcade Cabinet

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自作したゲームコントローラを紹介します

 最近、ClubERAの集まりで「Apple II」に触れる機会がありました。子供のころ読んだマイコン雑誌でみて当時憧れていたマシンです。触ってみるうちにApple IIの独特な雰囲気に魅了され、気が付いたらネットでApple IIcを購入していました。(寝る前にワインを飲みながらオークションサイトを見たらだめですね・・・。)

 初期型のApple IIcで5.25インチのフロッピーディスクドライブ内蔵、専用グリーンモニタとのセットです。ちょっと黄ばんでいますが、とても状態の良いものです。

 実機があると、いろいろなことを試みたくなるのですが、まずやってみたかった事は、Apple II<->PC間でのデータのやり取りです。自分の調べた範囲では、最近のPCに対応した5.25インチのフロッピー(1D)を読み書きできるドライブは存在せず、何か別の方法を用いる必要がありそうです。

 ネットで調べてみると、PCやMacからApple IIにデータを移行する方法はいくつかありました。

①フロッピーディスクエミュレータを使う。(特別なハードが必要)

②フロッピーディスクでデータを受け渡し。(古いMacやApple IIgsが必要?)

③通信ケーブルでデータを受け渡す方法。

などありましたが、③の方法が一番簡単そうです。

 

今回、Windows 7 (64ビット版)を使ってApple IIのフロッピーディスクイメージの作成と復元する方法をまとめてみました。

 

<用意するもの>

ADTPro(Apple Disk Transfer ProDOS) *1

シリアルポートを使ってPCからApple IIにディスクイメージを転送するソフト(逆も可能)でJavaで書かれています。イーサーネットカードやデータカセットレコーダーポートからもデータ転送できるようです。

Javaをインストール

ADTProはJavaで書かれているので前もってJavaをインストールする必要があります。

・シリアルケーブル

PCとApple IIをつないで、データ転送します。機種によって異なります。

・シリアルポートのついたPC

自分は試していませんが、シリアルポートがなくてもUSB・シリアル変換ケ−ブルを用いてもできるようです。*2

 

<準備>

・シリアルケーブルの作成(自作する必要があります。これを作れば残りの作業は簡単です。)

Apple IIc側はDIN-5オス型コネクタで電子楽器のMIDI端子で使われているものと同じです。

PC側はDE-9メス型コネクタで、メガドライブのゲームパットの端子と同じです。

Apple IIc以外の機種についてもADTProのサイトに詳しく載っています。

それぞれの端子のパーツを購入してもよいのですが、自分は家にあったMIDIケーブルと、ほとんど使わないメガドライブの初期標準パッド(3ボタン)をカットして使用しました。

 
それぞれのピンに合うように、配線します。

DIN-5の1と5ピンは連結します。

DE-9の1、4、6ピン と 7、8ピンはそれぞれ連結します。

 

参考にメガドライブの初期標準パッド(3ボタン)のピンアサインはこんな感じでした。

 

・ADTProのインストール
リンク先のサイトからダウンロードします。Windows用やMac用など一つのZipファイルにすべて入っています。
インストールはダウンロードしたZipファイルを解凍するだけでよいです。

 

・RXTXライブラリのインストール

Javaでシリアル通信を使うためのライブラリです。これがないと、シリアルポートが使えません。

ダウンロードしたADTProのファイルの中にlibフォルダがあります。その中のrxtxフォルダに各種OS用のRXTXライブラリがあります。

自分の場合はrxtx\rxtx-2.1-7-bins-r2\Windows\i368-mingw32の中のファイルを使いました。

下記の2個のファイルをそれぞれのフォルダにコピーします。

RXTXcomm.jar を \jre\lib\ext にコピー
rxtxSerial.dll を \jre\bin にコピー

*\jreはJavaをインストールしたフォルダで、自分の場合はC:\Program Files (x86)\Java\jre1.8.0_121でした。

 
・Apple IIcとWindowsPCを自作したシリアルケーブルで接続。
Apple IIcの場合、プリンターポートでなくモデムポートを使用します。
 
・ADTProの設定
ADTProのファイルのadtpro.batを実行すると、ADTPro Serverが立ち上がります。
FileメニューよりSerial Configrationを開くと上記の画面になります。使用しているシリアルポートを選択します。
それ以外の設定はデフォルトで使えました。
*Portにリストがない場合は、RXTXライブラリがきちんと読み込まれていない可能性があります。
 
・Apple IIcの準備

フロッピーディスクを入れていない状態でApple IIcの電源を入れ、(control+reset)を押す。

コマンドが入力可能になったら、(IN#2)と入力し(return)

次に(control+A)を入力し、(14B)と入力、そのままの状態で次の手順に進みます。

*文字はすべて大文字です。

*画面には?が出てその後、カーソルが点滅するだけですが、それでOKです。

 
・ADTProからクライアントソフトのデータ転送

Windows側のADT ProのSerialボタンを押し接続方法を選択し、BootstrappingメニューからProDOS->Speediboot を選択します。

 

するとクライアントソフトの転送が始まります。

 
しばらく待つと、Apple IIc側でクライアントソフトが立ち上がり、このような画面が表示されたら準備完了です。
 
<Apple IIのフロッピーディスク(ソフト)をPCにバックアップする方法>
まずバックアップしたいフロッピーディスクをApple IIcに入れます。
 
(S)ENDをセレクト:(S)キーを押す。
バックアップするファイル名を聞いてくるので、任意の名前を入力し(enter)を押す。
 
ソースのあるドライブを選択するような画面が出るので、カーソルキーで下の<NO NAME>を選択し(enter)を押す。
 
データの転送が始まり、COMPLETE!と表示されたら成功です。
バックアップファイルは、Windows側のADTProフォルダ内のdisksフォルダに保存されているはずです。
 
<PCに保存してあるディスクイメージをApple IIのフロッピーディスクに復元する方法>
書き込み先のフロッピーディスクを挿入
 
(R)ECIVEをセレクト:(R)キーを押す。
復元したいディスクイメージのファイル名を聞いてくるので、ファイル名を正確に入力し(enter)を押す。
ディスクイメージはWindows側のADTProフォルダ内のdisksフォルダに置いておく必要があります。
 
ドライブのセレクトを聞いてくるので、カーソルキーで下の<NO NAME>を選択し(enter)を押す。
 
復元が無事終了すればCOMPLETE!が表示されます。
 
復元したディスクから無事起動可能でした。
 
この方法を用いれば、ネットで公開されているディスクイメージをフロッピーディスクに復元して実機で動かしたり、自分でプログラミングしたApple IIのゲーム(まずマシン後の勉強から始める必要がありますが)を、実機で動かすことが可能になります。
Apple IIの活用範囲が広がります。が、遊ぶ時間が足りないのが問題です。
 
*上記内容は、自分ができたことだけを書いているので、内容に間違いがあるかもしれません。
 

<参考にしたサイト>

*1) ADTProのサイト

*2) R/C 小型電動飛行機 Newsさんのサイト