コンピュータとの出会い | Arcade Cabinet

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自作したゲームコントローラを紹介します

 私は、元来どうも人付き合いが苦手で、どちらかというと家に一人でひきこもっているのが落ち着くという性格であります。いわゆる「オタク」という分類に属しているようです。
 小学6年の時(1980年)小学校からの帰り道にコンピュータショップがありました。高校生が集まって、コンピュータでゲームをしている姿を店の外から羨望の眼差しで見ていました。当時、家庭用のゲーム機はまだ発売されておらず、喫茶店やゲームセンターでスペースインベーダーが一世風靡していた時代です。小学生にはインベーダー禁止令が出ており、テレビゲームで遊ぶことができなかったのです。そこで「コンピュータが家にあれば自分も思う存分遊べる!」と考えました。父親には「コンピュータの時代が来る。僕はコンピュータの勉強がしたい!時代を先取りしたい!!」と力説。なんと当時15万円もするシャープのMZ-80K2E(当時はマイコンと呼ばれていました。)を12歳の誕生日に買ってもらう事になりました。
 コンピュータさえあればインベーダーができると思っていましたが、同封されていたのはハードウェアのマニュアルと、BASICというプログラム言語のマニュアルとカセットのみでした。電源を入れてもただカーソルが点滅しているだけ。コンピュータを動かすために、BASICを読み込み起動させるための命令文『LOAD』と『RUN』を使えるようになったのは、1か月ぐらいたってからでした。プログラミングの手法が書いてあった付属のマニュアルは小学生の自分には少々難しかったのですが、インベーダーがしたい一心でそのマニュアル
「MZ-80 Series BASIC解説」を何度も読み返した事を今でも鮮明に覚えています。当時、ソフトウェアはほとんど発売されておらず、自作でプログラミングするか、プログラムのソースコードを写経の様に手入力して使用するしかありませんでした。それは本当に大変な作業でした。しかし、プログラムを写経するうちに理解が深まり、一年後の中学1年の夏休みには、BASICで書かれた雑誌に投稿されたゲームを打ち込んで遊んだり、さらに単純な数行のプログラムであれば自分で組めるようになっていました。「Hidecadeの家に行ったらテレビゲームができる」と、学校帰りに友達がよく遊びに来るようになりました。

 その後、「ファミコン」が発売され、ゲームを作る必要が無くなりました。次第に興味が薄れ、コンピューター(マイコン)から遠ざかっていきました。結局、一つのゲームを完成させることはできませんでしたが、そのころの夢を今追いかけています。

 

*Sharp 「MZ-80 Series BASIC解説」 10ページより

子供のころに何度も何度も読み直した思い出のマニュアル「MZ-80 Series BASIC解説」が、シャープの電子書籍ストア「GALAPAGOS STORE」で無償で公開されています。伝説のマニュアルだったと最近知りました。

マニュアルの初めに、「新しく何かを始めるには、まず実際に「やってみる」ことです。」と、自分がずっと人生において信条にしてきた言葉が書いてありました。子供ながら、知らず知らずのうちに影響されていたようです。