第二会社方式の問題 詐害行為 適正価格 | 資金繰り 事業再生 M&Aアーク司法書士法人@代表社員 李 永鍋(リ ヨンファ)のブログ

第二会社方式による事業再生の注意点


第二会社方式による事業再生の注意点

1詐害行為

2適正価格での譲渡

3資金繰りの3点が挙げられます。



1詐害行為について


第二会社方式で特に注意すべきは、詐害行為によって譲渡が取り消されてしまうことです。


アーク司法書士法人では、第二会社方式の場合、必ず債権者の同意を得て実行します。


債権者から同意のないまま進めると、債権者が債務者に対し、「詐害行為」を指摘される場合があります。


詐害行為となった場合、債権者は旧会社が持つ債務の請求を、新会社にも請求できるという判例も出ているので注意が必要です。



2適正価格での譲渡


黒字事業を譲渡する場合にも注意するポイントがあります。


法的整理または私的整理で旧会社を処理していく場合、譲渡価格は適正価格かということです。


破産の場合は最終的に破産管財人が判断しますが、譲渡価格が適正価格よりもかなり低かった場合、破産管財人からの指摘を受ける可能性があります。


事前に公認会計士など専門家に依頼して事業価格の査定をしてもらいます。


第三者へ譲渡した場合にどれくらいの価格になるのか査定しておくと、適正価格だということを証明できます。


事前にスポンサー候補を複数社検討したという公平性も求められるので、しっかりとした段階を踏みながら案件を進めていく必要があります。



3資金繰りについて


新設会社はしばらく銀行から融資を受けられない可能性が高いため、当面の間に必要な運転資金を用意しておき、資金繰りについても準備が必須です。


スポンサー企業がいなくても資金繰りが可能かがポイントになってきます。


黒字事業の収入だけで資金繰りを行う必要があることから、自力で第二会社方式での事業再生はリスクや難易度は高くなります。


スポンサー企業が支援してくれる場合に第二会社方式を行うか、第三者へ再生型M&Aを行うかの2択が、中小企業にとっては良いです。


専門家へ相談し、無理のない再生型M&Aを目指しましょう。