273.悪魔の戦略論 (2) 皇国史観が狂わせた日本の国家戦略 | 和敬清寂 ~書かぬが仏~

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8月15日「終戦の日」は、「軍の無条件降伏」を、「日本の国そのものの無条件降伏」にされ、悪魔のペテンにかかった日であり、悪魔の戦勝記念日である。

日本の敗戦。そしてその後の日本の体たらくの原因を、「情報戦に負けた」だの、「物量で負けた」だのと言っているが、「戦術」だけ見ていても何も見えない。


↓前回
270.戦略論 (1) 悪魔主権の世界を読み解く
http://ameblo.jp/arashi-toranosuke/entry-11904904491.html


前回の戦略論の概要と補足
1世界観:我が国とは、私は何者かというアイデンティティの事。
2ポリシー:方針
3戦略:全体図を描いて管理する事。
4戦術:個別の戦い方の事。



政治家が国の持っている「世界観」を元に「ポリシー」を明確化し、それに基づく「戦略」を立てると、官僚がそれを「戦術」に落とし込んで実行するのが政治と行政のあり方。

例えば、政治家が「日本をエネルギー大国に!」というポリシーを打ち出し、「純国産のエネルギー開発を行い、そのための大型予算を出す」という戦略を立てれば、官僚は「メタンハイドレート」などの国産エネルギーの実現という戦術を具体的に進めていくという具合。


ところが現実の日本は、官僚が自分達に都合のよい政策を政治家に吹き込み、官僚を敵に回したくない政治家が官僚の言いなりになって、官僚と政治の役割が逆転する歪な構造となっている。


欧米のキリスト教諸国の世界観は、「神様が中心」という建前が一応あるので、公平性や中立性が求められ、表向きは官僚が政治家を逆主管する事が難しい社会となっている。(悪魔が細部に入り裏で様々やってはいるが)

日本は、一本筋の通った世界観が欠落しポリシーが定まらないため、官僚のやりたい放題が横行する世界一の官僚天国国家となっている。

国民が貧しくなろうと経済に打撃であろうとも増税したい財務省は、国税庁を動かしマスコミを脅すと、全マスコミが財務省の言いなりとなって増税賛成の意見を流す。

財務省主計局は国の予算の決定権を政治家には一切手出しさせない特権も持っている。政治家は彼らの決定を粛々と実行させられるだけだ。

交通事故が起こらない一本道で行われる警察のネズミ取り。支払わなくてもよい過料を取られるという理不尽な取り締まりが平然と実施され、その潤沢な利益が警察官僚の天下り先に流れ、(実は青キップは支払う必要が無いので無視すればよい:検索を!)パチンコを取り締まるはずの警察の天下り先がパチンコ業界であったりする。


結局、日本は力の強い者=官僚が全てを牛耳る構図となっていて、その事を国民がよく分かっていても改められない。しかも彼らは政治家のように責任を取らされず、辞職して無職になるなどという事がない。

何の責任も取らない超特権階級が最も権力を持つという公共性も中立性も無い国家。日本がそうなってしまった原因は、何度も書いているが「明治維新の失敗」で、世界観の設定を間違えたためである。

さらに、その原因は、7世紀に導入された「八百万の神」という考え方で日本の根本を狂わせた事。

敗戦の原因も、お花畑のスパイ天国も、全てがここに起因する。

悪魔は日本に於いて「八百万の神の概念」をどう使ったか

1世界観:神はいない。悪魔が主権の世界

2ポリシー:現人神(あらひとがみ)の「天皇」という人間を神とする国を作る。

3戦略:国民には神への信仰を捨てさせ、人を崇拝する価値観を植えつける。
    天皇を操り人形にし、悪魔自らがトップに立ったピラミッド社会を形成。
    神が送った人間を殺害し悪魔がすべての実権を握る。

4戦術:悪魔族を組織化し、洗脳、殺害などあらゆる工作を行う。
    「正反合」による争いを常に起こし、恨みのエネルギーを増幅させる。
    天武天皇と藤原不比等を使って「八百万の神」という洗脳をかける。
    明治維新後、「皇国史観」により国民を天皇の子だと洗脳する。


江戸期まで、日本の一般庶民は「お天道様が見ている」という神様への感性を持った人が多かったため、悪を討つこころが強かったが、明治維新によって世界観が狂わされたために、日本は大きく道を踏み外した。


■明治維新以後の日本の戦略論はどうなったか。

1世界観:日本は天皇の国。国民は天皇の子。実は悪魔が全て支配。

2ポリシー:「天皇」という人を崇め奉り、神の絶対公平・絶対愛・絶対善を認めない。

3戦略:天皇を影で操る悪魔族を頂点とするピラミッド社会を作る。
    国益よりも官僚の省益を追及する官僚機構。
    大学出身者のエリートによる新たな公家社会を形成。
    スパイが跋扈し政治的強者が支配する政治機構。
    天皇主権の大日本帝国憲法を制定して、
    神ではなく天皇信仰の国家の権力維持を図る。

4戦術:最大の敵である武士を抹殺し武士階級を無くす。
    神が送った人物を殺害し、天皇が言う事を聞かなければ暗殺する。
    西洋型の学制と試験による職員採用制度導入や海外留学組の重用。
    官僚組織から国家意識を奪い、セクショナリズムを植え付ける。
    海軍省と陸軍省を争わせ参謀をスパイの巣窟にする。
    海外のスパイと連携し日本を勝てない戦争に引きずり込む。
    一神教を排他的な信仰だと印象づける洗脳をかける。
    「古事記」「日本書紀」を日本の正史だとする洗脳をかける。
    物事を全て曖昧に捉えさせ、悪に対する敵愾心を弱める。
    「天皇陛下バンザイと言わないと非国民」と洗脳する。
    戦場の第一線を無謀な戦闘に駆り立てて軍を全滅させる。


○孫子の兵法による、戦の勝ち方
1:最上策=敵の企みを破り、戦わずして勝つ事も、
2:次善策=敵の同盟関係を破る事も、
3:三善策=敵の軍隊を破る策も、
できるはずがない。

あらゆる勝てる要素が無いまま日本は完全に追い詰められて始めた戦争である。その根本原因を世界観までさかのぼって見ないと歴史はただ繰り返されるだけ。


左翼に騙されてきた日本人が、その洗脳から解けはじめ、今や「真の原点に帰ろう」と称して、戦前の体制を指向し大日本帝国憲法を手本とした憲法改正をしようという動きがある。

そんな事をすれば、今のままの悪魔が作った世界観を続けて、何事にも曖昧で悪を徹底的に排除できず、原爆が投下されて敗戦となった過去の失敗を繰り返し、再び同じ事が起こるのは確実である。

しかも、今度は現代の核ミサイルや進んだ近代兵器を使って行われるため、確実に日本は滅ぶ。それでは、戦って死んでいった方々は全て「無駄死に」、「犬死に」となってしまうではないか!



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