side.S
いつからだろう。
フとした時に視線が合うのは。
いつも隣にいるのは智くん。
たまに、相葉ちゃん。
楽屋によってはオレが隣に座ってたりもするけれど。
何かをー例えば新聞を読んでいたり、台本を読んでいたりーしている時に、フと視線を上げると目が合う。
気のせいかも・・・。
いや、気のせいではない。
多分。
前室で新聞を読んでいた。
いつものように、いつもの席で。
視線を上げると、やっぱりほら。
ゲームから少しだけ視線を上げて。
困ったような顔をして。
『どうした?』
って目だけで聞いてみる。
『なんでもない』
って肩をすくめてみせた。
それでもやっぱり、悲しい?寂しい?困った?ような顔をしてるから
『そう?』
って聞く。
『うん』
って小さく瞬きしながら返事が返ってきた。
なんでそんな泣きそうな顔をしてんだろう?
なんか、あった?
オレならそんな顔させねーのに・・・って、オレ何考えてんの?
いやいや、ダメでしょう。
でも、なんでかな。
昔からそうだ。
歩いてたら手を繋いでやりたくなって、肩を抱きたくなって。
あいつに触りたい・・・。
いやいやいやいや。
ダメだろう。
うん。
オレはちょっと照れくさくなって、もう一度新聞に視線を戻した。
***
仕事終わり、友人との夕飯。
学生時代からの友人は、結婚もして子供もいて。
オレらの年齢では、まぁ、普通だとは思う。けれどアイドルであるオレは結婚なんてするつもりもない。
嵐あっての、オレ。
オレだって何人かの女子とは付き合ったし、それなりに遊んだりもした。けれど、結婚したいって思う相手なんて今までいなかった。
なんか、こう。
誰と付き合ってもしっくりこないというか。
満たされる、なんて事は一度も無いっていうか・・・。
オレって欠陥人間?なんてチラッと思ったりもした。
けれど、嵐だし。
そういうもんなんだって、思ってた。
会社勤めの友人と平日ご飯は23時には解散になる予定で、店の予約をしていた。
明日は午後からだし、コンビニ寄りながらつまみ買って帰って呑みながら写真と録画を編集しながらDVD作成でもしようか・・・と会計しながら考えいた時。
ジーンズのポケットでスマホがブルブル震えて、着信を告げた。
着信ー二宮和也
え?
珍しい着信に、なぜだかドクンと心臓が揺れた気がした。