side.N
出会ってからもうどれくらいの時間が経ったのだろう。
気がつけば見つめていて。
見つめられれば嬉しくて。
触れる時は少し緊張して。
触れられれば死ぬほどドキドキした。
いつから?なんてそんなの分からない。
女の子と付き合ったって、フとした瞬間に浮かぶのはあの人で。
女の子を 抱 いた って、イ ク 時はいつもあの人を浮かべていた気がする。
ドキドキするのはあの人以外存在しなくて。
気付いた時にはもう手遅れなくらい『好き』だった。
気付いたら最後。
どうにもならない『好き』に振り回されている。
気づかれたら終わる。
嵐が?
あの人との関係が?
いやだ。
そんなのはダメだ。
でも・・・。
ゲームの向こう側。
あの人ー新聞をパラリと捲りながら、真剣な眼差しで時折スマホをいじっているーを視界に捕らえる。
時折、自分の唇を人差し指で触れていて。
あの人の癖、オレ、好きなんだよな・・・なんて思っている。
それから言葉に出来ないヨカラヌコトなんて頭の隅に浮かべたりして。
あ・・・。
突然、新聞から目線を上げたあの人と目が合ってしまった。
あの人が一瞬柔らかく笑ってくれて、それから
『どうした?』
って、目だけで聞いてきた。
あんたの事が好きで見てた。
なんて、もちろん言えない(言えるはずもない)。
『なんでもない』
って、肩をすくめてみせた。
『そう?』
『うん・・・』
あの人は少し照れくさそうにもう一度だけ笑顔をみせてから、再び新聞に目を落とした。
言葉のない会話。
気持ちまで伝わってしまいそうで、死ぬほどドキドキするんだよ?
あんたの視線を独り占めしたいとか思ってんだよ?
なんて・・・。
こうして今日も想いを膨らませていくんだ。
膨らんでパンパンになった想いをどうすりゃいいのさ。
もういつ破けてもおかしくない。
いや、でもオレは絶対に破かないように、そっと大事に。
だって。
あの人に迷惑がかかってしまう。
困らせてしまう。
嵐あっての、オレ。
多分あの人も、そう思ってる。
嵐あっての、って。
だから、オレの気持ちは気づかれたら終わる。
想わないで済むならば、もうすでに想ってねーよ。
誰か、想わないで済む方法あったら教えてよ・・・。
なんて。
ホント、どうしようもない。