side.N


「ニノ、呑みに行かない?」
そう相葉さんに誘われて久しぶりに呑み来た。
いつもだったら 暇じゃないし って断る事が多いんだけど、
呑みに集まるメンバーが、風間とか気の知れてる仲間だったから。

個室になっている和室で、オレは白ワインを呑んでいた。
唐揚げとか刺身の盛り合わせとかサラダとか、テーブルには所狭しと料理が並んでいたけど。オレはたいして腹も減ってないしひたすら呑んでいた。

『カズ、少しは食った方がいいよ。ほら、これなら食えんじゃねぇ?』
あの人ならきっとオレにそう言って、(このテーブルのラインナップならナスの煮浸しを)取り分けてくれる・・・
なんて思ったりして、白ワインを飲み干した。

オレの空になったボトルに気付いたらしい風間が
「ニノ、何飲む?」
って聞いてきたから
「あ~・・・みんなと同じでいいよ」
って答えた。

目の前に置かれたロックグラス。
透明の液体。
芋特有の匂い。

グラスに口をつけると、カランと氷が音を立てた。
ゴクリと一口飲み干すと、か~って喉の奥が熱くなる。
それから、もともと白ワインで熱かった頬がもっと熱くなった気がした。

あ~・・・やべ。
酔いそう。
明日は午後からだし、確か雑誌の取材・・・。


「相葉さん、明日一緒、だっけ?」
「ん~?明日は多分違うよ?オレ、学のロケだもん」
「あ~・・・そ?」
「そだよ?あ!誰かメンバー呼ぶ?メンバー呼んだらもっと楽しいよね!そうしようっ!!誰か捕まるかなぁ~」

相葉さんが嬉しそうにスマホを取り出して・・・
「もしも~し」
なんて話し始めた。

「出ね~なぁ」
「あ、マジ?残念だぁ、じゃあまた今度ね」
賑やかな周りの声に混ざって、相葉さんの声が聞こえる。
そりゃあ嵐さんは忙しいから、なかなか捕まらないでしょうね。
なんて考えながら、美味しさがイマイチ分からない焼酎を流し込んだ。

「ニノっ!翔ちゃんに電話して?」

「は?何でオレが?!」

「二人で電話した方が早いじゃん!オレ、あと松潤に電話するから」

「ちょ、何で・・・」
「いーじゃん!翔ちゃんは任せたっ!」

相葉さんはニッコリ笑って(その笑みに意味があるのかないのか・・・もしかしてバレてる?)、オレにそう言った。

ここで断ったら、何か変だよな・・・

「・・・分かったよ」

「じゃあ、よろしく(笑)」

オレはパーカーのポケットからスマホを取り出して、翔ちゃんの番号にタップした。




スマホを持つ手が僅かに震えてる気がする。
微妙に緊張。
なんで?
多分、想いが溢れそうだから。
想いが出ないようにポーカーフェイスを保って。
ふぅって、誰にも気付かれないように息を吐き出した。


長い呼び出し音。


出ないかな・・・と思ってスマホから耳離そうとした瞬間。



「もしもし?・・・カズ?」



翔ちゃんの声が耳に届いた。