「Así se baila el tango」(タンゴはこう踊れ)

演奏:リカルド・タントゥーリ楽団(1942年)

歌:アルベルト・カスティージョ

 

https://youtu.be/yCunahQMuhc?si=Jy98CYASnfuRwhTi

 

 

 

(和訳)

あの伊達男や今風の金持ちや貴族達なんかに何がわかる!

タンゴの、リズムの何がわかる!

 

これがエレガンスということだ

この立ち姿!シルエット!

身のこなし!尊大さ!

踊りの種類の豊富さ!

 

タンゴはこう踊れ

8の字を描きながら;

この複雑な動きのためには

私は画家のようになる

さあ、コリーダだ、ヴェルタだ、センターダだ、

タンゴはこう踊れ、我が華のタンゴを!

 

タンゴはこう踊れ

相手の顔を

リズムごとに高鳴る鼓動を

感じながら

アブラッソはするときは

ヘビのように

胴を締めつけて

折れそうなくらいに

 

タンゴはこう踊れ

呼吸を合わせて

瞳を閉じて

よく音が聴こえるように

バイオリンがバンドネオンに語りかけるように

なぜならその夜からマレナは歌わなかったのだから…

 

タンゴはこう踊れ

8の字を描きながら;

この複雑な動きのためには

私は画家のようになる

さあ、コリーダだ、ヴェルタだ、センターダだ、

タンゴはこう踊れ、我が華のタンゴを!

 

《コメント》

オーチョは画家になったつもりで8の字を描く、音を良く聴く、

コリーダ(駆け足)、ヴェルタ(旋回)、センターダ(脚の上に乗ること)・・・などなど、アルベルト・カスティージョはとにかくレッスンを受けるお金もないような貧しい庶民のためにこんな歌を通じてタンゴの踊り方を教えていたのだそうです。

それにしても、「アブラッソはするときはヘビのように胴を締めつけて 折れそうなくらいに」というくだり。

さすがにこんなアブラッソはちょっとどうなんでしょうか・・

何より喩えが気持ち悪すぎです😅

 

国民的大歌手アルベルト・カスティージョは、俳優や産婦人科医の顔も合わせ持ちます。

そんなシーンも盛り込まれたちょっと面白い映画がこちら↓

 

「Luna de Avellaneda」

 

https://www.youtube.com/results?search_query=https%3A%2F%2Fwww.youtube.com%2Fwatch%3Fv%3DS5ovbyZHsAY...

 

ステージで「Así Se Baila El Tango」を歌うアルベルト・カスティージョ。

会場では悪ガキがスカートめくったり、カップルに水玉風船をぶつけたりやりたい放題、そして表の木の上では宜しくやっている若い二人・・、そんな中、産気づく女性。

この中にお医者さんはいませんか?との呼びかけに、ステージから降りてくるアルベルト先生。皆が固唾を飲んで見守る中、産声が上がり、大歓声ととも会場は大盛り上がり(笑)

この昭和の下町のお祭りみたいなカオスで賑やかな雰囲気が何とも素敵です。

1.Invierno

インビエルノ

1937

https://www.youtube.com/watch?v=W8VAd3YrWAs

戻ってきた

冬が白い衣装をまとって

 

霜がもう降り始めた

愛のない私の人生に

 

深い苦しみ

分かることは一人でいることの恐怖

 

そして見ると

私の心に吹きぬける虚しい冷たい風

 

泣きたい

私の魂にしみついている冬の霜は

もう拭い去ることができないのだから...

 

2.Soledad

ソレダ

孤独

1935

https://youtu.be/jnEDs6QSsrg

私は誰にも言ってほしくない

お前がお前の優しい命を 私からもう奪い去ったことを

 

私は嘘が欲しい

お前のあり得ない電話を待つために

 

私は誰にも考えて欲しくない

私の永遠の孤独がどれほど苦く深いものかを

 

時は過ぎる

時計の長針はゆっくりチクタクしながら悪夢をすりつぶしていく...

 

3.Poema

ポエマ

1935

https://youtu.be/pyyw6FN4dtk

 

あなたのバラの花が再び美しく咲いたら

あなたは私の愛を思い出し 私の激しい苦しみがすべてわかるでしょう...

 

二人の間のあの陶酔的な詩(ポエマ)は何も残っていない

私の悲しい別れを通して あなたも私の痛みの感情を感じるでしょう...

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1曲目の「冬」は孤独で虚しい「人生の冬」みたいな比喩表現のようにも思えます。

そして2曲目の「孤独」、3曲目の「詩」と続き、どれもとにかくロマンチックなメロディーとは裏腹に孤独感と哀愁が漂っています。しかも共通するキーワードは「苦」。

でも、なぜか踊る分にはとても好きなタンダです。

 

『最後のコーヒー』

 

あなたの思い出が風の中に蘇る

秋の日の午後に戻ってくる

私は氷雨が降るのを眺めながら

コーヒーのスプーンを書き回す

 

あの最後のコーヒーの思い出

あの時あなたは冷たくため息まじりの声で注文した

あなたに蔑まれたのを思い出す

 

わけもなくあなたを思い出す

いないあなたの声が聞こえる

”二人のことはもう終わり”

甘さと苦がさの混じった別れを告げた声が

 

コーヒーみたいなもの

愛することも 忘れることも

わけのない恨みが生んだ最後のめまいも

 

そしてあなたのつれなさに私は立ったまま死んでいった

あなたの虚栄心を推し量りそれから自分の孤独を知った

わけもなく…

 

雨が降っていた

そして私はあなたに

「最後のコーヒー」を勧めた

 

 

【コメント】

1963年にオドール社主催の歌謡コンクールで優勝し、大ヒット。

愛とは一杯のコーヒーのようなもの。時に甘く、ほろ苦い。

最後のコーヒーを勧めたのはそんな思いからという話のなのだと解釈しています。

 

 

【フランシスコ・カナロ楽団/歌エドゥアルド・アドリアン】

 

1. Corazón Encadenado

コラソン・エンカデナード

鎖に繋がれた心

1942年

(要旨)

君のことはもう忘れたと皆が言っているのは知っている

私の愛は死んでしまったと皆が思っていることはわかっている

誰もがその過去 あなたの愛撫の記憶はもう残っていないと皆が信じていることを私は知っている

 

夜に尋ねれば 私が誰に熱狂しているかを教えてくれるだろう

空に尋ねれば 私が誰のためにため息をついたかを教えてくれるだろう

鳥は あなたの名前をつぶやく私の声を聞き

時間は 私の幻覚を知っている

 

私はあなたの黒い瞳の虜になって生きています

それが私の哀れな心を鎖で繋ぎ止めています

 

2. En El Viejo Cafe

エン・エル・ビエホ・カフェ

その古いカフェで

1942年

(要旨)

いつも待ち合わせたカフェの窓際で

また通り過ぎる美しくて若々しい君 

昨日のように私のテーブルに来た

 

隣に座る君を見て話すと震え 

喜んでいるのを聞いて私の心は高鳴った

 

女よ 女よ

君は私のところに戻ってきた

私のそばで 君を幸せにする...

 

3. Gricel

グリセル

1942年

(要旨)

「私のことを忘れないで あなたのグリセルを」

君はあのキリスト像に口づけしながらそう言った

そして今 僕は狂って生きている

君を忘れていないのだ

君は僕を覚えていなくても

グリセル! グリセル!

 

「Canto」Francisco Canaro - Ernesto Famá(1934)

 

Canto...

Aunque de pena estoy muriendo.

Canto...

Al recordar esa ilusión.

Sueño...

Y en la penumbra de la noche,

Vuela...

Como un lamento, mi canción.

 

Canto...

Mas no por eso estoy alegre.

Canto...

Para ocultar mi gran dolor.

Canto...

Porque te quiero con el alma.

Canto...

Aunque me llora el corazón.

 

私は歌う

悲しみのあまり死にそうだけど

 

私は歌う

あの幻影を思い出して

 

夢...

そして夜の暗闇の中で

 泣き言のように飛び交う 私の歌

 

私は歌う

別に楽しいわけではないけど

 

私は歌う

大きな悲しみを隠すために

 

私は歌う

心からあなたを愛しているから

 

私は歌う

心では泣いているのだけど…

=====================

「大きな悲しみを隠すために歌う」

その時人はどんな顔をしているのか?

決して暗い表情ではなく、むしろ微笑を浮かべていたりするのではないでしょうか。

そう考えるとなんとも切ないですね。

 

この歌を聴くと何というか、僕は「男はつらいよ」の寅さんのこんなセリフを思い出します。

「顔で笑って、心で泣いてよ…そこが渡世人のつれえところよ…」

 

 【2024 TANGO DANCE ASIAN CHAMPIONSHIP PISTA】

ピスタ部門のセミファイナルまでの曲のメモです。

参加された方にとっての思い出の一助にでもなれば幸いです。

曲名をクリックするとyoutubeでどんな曲か参照できます。

あくまで非公式かつ個人的なメモの公開なので、内容の正確さについては保証できませんので予めご了承ください。

 

A-1 Organito De La Tarde / Carlos Di Sarli

A-2  Sin Amor / Juan D’Arienzo

A-3  Pasión Criolla / Edogardo Donato

 

B-1  Cascabelito (feat. Jorge Maciel) / Osvaldo Pugliese

B-2  Que Nunca Me Falte /Ricardo Tanturi

B-3  La Payanca / Juan D’Arienzo

 

C-1  Corazón / Carlos Di Sarli (Mario Pomar)

C-2 Pa’ Que Seguir / Miguel Caló

C-3 Cachirulo / Aníbal Troilo

 

D-1  Bahia Blanca / Carlos Di Sarli

D-2 Nostalgias / Francisco Lomuto

D-3  Yo También / Juan D’Arienzo

 

E-1  Tus Palabras y la Noche / Carlos Di Sarli & Oscar Serpa

E-2  Lejos De Buenos Aires / Miguel Caló

E-3 Canaro / Juan D’Arienzo

 

F-1  La Bordona / Aníbal Troilo

F-2  Un Tropezón / Angel D’Agostiono

F-3  El Estribo / Rodolfo Biagi

 

G-1  Nueve Puntos / Carlos Di Sarli

G-2 Malena / Lucio Demare

G-3  Chirusa / Juan D’Arienzo

 

H-1  La Cachila / Osvaldo Pugliese

H-2 Fruta Amarga / Aníbal Troilo

H-3  Ansiedad / Juan D’Arienzo

 

semiA-1 Farol / Osvaldo Pugliese

semiA-2  Corazón No Le Digas a Nadie / Lucio Demare

semiA-3 Don Juan / Juan D’Arienzo

 

semiB-1  El Andariego / Alfred Gobbi

semiB-2 Rebeldía / Miguel Caló

semiB-3  El Vino Triste / Juan D’Arienzo

 

semiC-1 Chique / Osvaldo Pugliese

semiC-2 Amarras / Eugenia Ramírez Miori?

semiC-3  El Pollo Ricardo / Carlos Di Sarli

 

semiD-1  Comme Il Faut / Carlos Di sarli

semiD-2  Yo Quiero Cantar Un Tango / Pedro Laurent

semiD-3  No Me Lo Digas / Juan D’Arienzo

 

【カルロス・ディサルリ楽団/歌オラシオ・カサーレス】

 

1.Hasta siempre amor

アスタ・シエンプレ・アモール

また会おう恋人よ

1958年

(要旨)

いつまでも 恋人よ

お前は他の腕へ移って行き

その過ちはいつまでも今日と同じに痛むだろう

冷たい夜に私を夢見ても

もう私はそこにいない

私が他の愛と一緒にいても

呼びかけないでおくれ

もう希望は死んだ

待つのは無駄なこと

 

2.No me supiste amar

ノ・メ・スピステ・アモール

あなたは私を愛することを知らなかた

1958年

(要旨)

なぜそうやって私を騙そうとするの?

もう信じられない

ああ! あなたから離れさせて

もういい 死にたい!

 

私はあなたをとても愛していました

あなたのキスはいらない

あなたの愛撫は私を傷つける

私は去ります

 

あなたの欺瞞は残酷でした

あなたは私の幻想を殺しました

私があなたを愛したように

あなたは私を愛する方法を知りませんでした

 

3.Duerme Mi Amor

ドゥエルメ・ミ・アモール

お眠り、愛しい人よ

1958年

(要旨)

ボクは嘘をついた... 

愛がすべてだった君の人生に

舞い上がった哀れな雪の一片は

小さな水たまりの中に

 

お眠り 愛しい人よ… 

君の最高の夢の中に神様がいて

ボクの口が君に与えた悲しみを

甘いものに変えてくれる

 

ボクにさせておいて…

君の夢を探すこの愛と

キスのロサリオが

ボクの最高の祈りとなるように

 

お眠り 愛しいよ人…

君の夢の船は持てるだろう

海に向って広げた帆とともに

なにか新しい希望を

なにか新しい希望を

 

【フランシスコ・カナロ楽団/歌エドゥアルド・アドリアン】

 

1. Corazón Encadenado

コラソン・エンカデナード

鎖に繋がれた心

1942年

(要旨)

君のことはもう忘れたと皆が言っているのは知っている

私の愛は死んでしまったと皆が思っていることはわかっている

誰もがその過去 あなたの愛撫の記憶はもう残っていないと皆が信じていることを私は知っている

 

夜に尋ねれば 私が誰に熱狂しているかを教えてくれるだろう

空に尋ねれば 私が誰のためにため息をついたかを教えてくれるだろう

鳥は あなたの名前をつぶやく私の声を聞き

時間は 私の幻覚を知っている

 

私はあなたの黒い瞳の虜になって生きています

それが私の哀れな心を鎖で繋ぎ止めています

 

2. En El Viejo Cafe

エン・エル・ビエホ・カフェ

その古いカフェで

1942年

(要旨)

いつも待ち合わせたカフェの窓際で

また通り過ぎる美しくて若々しい君 

昨日のように私のテーブルに来た

 

隣に座る君を見て話すと震え 

喜んでいるのを聞いて私の心は高鳴った

 

女よ 女よ

君は私のところに戻ってきた

私のそばで 君を幸せにする...

 

3. Gricel

グリセル

1942年

(要旨)

「私のことを忘れないで あなたのグリセルを」

君はあのキリスト像に口づけしながらそう言った

そして今 僕は狂って生きている

君を忘れていないのだ

君は僕を覚えていなくても

グリセル! グリセル!

【オスバルド・プグリエーセ楽団/歌アルベルト・モラン】

 

1.Sin Palabras

シン・パラブラス

言葉もなく

1947

 

(要旨)

二人を結ぶ歌を求めて君から生まれたこの歌

今君に与える罰は残酷過ぎるかもしれない

この音楽は言葉もなく君を傷つける

どこにいようと君にこの歌が聴こえるたびに

傷ついた亡霊となった私の苦しみが立ち上がるだろう

 

2.Y volvemos a querernos

イ・ボルベーモス・ア・ケレールノス

よりを戻して

1948

 

(要旨)

いつかこの十字路に立つと

お互いに相手が恨みを持っているのではないかと思い

恐れながら顔を見合わせる

人生にも愛にも確信を持てず…

 

3.Quiero Verte una Vez Más

キエロ・ベールテ・ウナ・ベス・マス

もう一度君に会いたい

1950

 

(要旨)

もう一度会いたい

愛しい君

そして君の瞳に見つめられて

うっとりしたい

 

もう一度会いたい

君は言うかもしれない

もう何もかも終わったのだと

愛の燃えかすを掻き回すのは無駄なことだと

 

もう一度会いたい

そしたら僕は苦しみの中に救いを見つけて

片隅に忘れられて静かに死ねるだろう…

 

【カルロス・ディサルリ楽団/歌ロベルト・ルフィーノ】

1. Esta Noche De Luna
エスタ・ノーチェ・デ・ルナ
月の今宵
1943
(要旨)
私は海のひとつの星
今日成り行きで迷子になり
恋もなく幸せもない

月の今宵の深い海で
ただ生きたいと思っている
君の足許に跪いて君を愛し
そして死ぬために…

2.Necesito Olvidar
ネセシート・オルビダール
忘れる必要がある
1942
(要旨)
この愛の痛みを忘れる必要がある

もうどうしたらいいかわからない
どうしたらこの大きな痛みを沈められるのか

時間が解決してくれるというのは嘘だ
それはもはや昨日のことではない
この永遠の考えは私をずっと夢中にさせるだろう

音楽とパーティーは私に思い出させる
ダンスとお酒は尚悪い

眼鏡をかけるとあなたの目が見える
タンゴをかけるとあなたの声が聴こえる…

3.Tarareando
タラレアンド
タラレオ(鼻歌)を歌いながら
1942
(要旨)
鼻歌を歌いながら人生を歩んでいこう
悲しみも恨みも隠して…
その方がより良く生きられるから

もし恋人に騙され
あるいは友達に見捨てられたら
僕は苦しみながら生きるけど
彼らは僕の痛みなど決してわからないだろう

僕は失望に満ちているが
物事をありのままに受け止めて
誰にも苦しみや悲しみ憤りなど話さない

鼻歌を歌いながら人生を歩んでいこう
その方がより良く生きられるから
良いことがあれば タラリ♪
悪いことがあれば タララリ タララ♪