戦国の将村重の軌跡とその時代
「荒木村重研究序説」海鳥社
瓦田昇(かわらだ のぼる)著
信長麾下にあった荒木村重は、天正6年秋、反逆し有岡城に籠る。落城後、一人生き延びた村重は秀吉に茶人として仕え「利休七哲」に数えられた。 膨大な史料を渉猟し、綿密な調査をもとに、乱世に埋もれた「異端の武将」に新たな光をあてる。
(本文より)
瓦田昇氏
「人間、順境にある時は、驕りの心は生じることはあっても、人間の弱みやみじめさや、心の 痛みなどなかなか感じることはできないものだ。健康な人が病弱な人の心を察することができ ないように。一度どん底を通って来てはじめてこのことに気が つくのではあるまいか。
村重も 一度は栄光の座に着きながら、 果ては一族を焼かれ、敗戦の憂 き目を味わった。卑怯者呼ばわりされているけれど、いやそういった非難を受けるほどであるが故に、一層、みじめさを心に感じていたに相違ない。
名だたる名将よりも、敗残の将、村重により興味を覚えたのは、そう いった人間村重の側面を少しで も知ることはできないかと思ったからである。」
『荒木村重研究序説』
戦国時代から安土桃山時代に生きた武将・荒木村重(1535–1586)を徹底研究した学術書です。
📘 書誌情報
• 著者:瓦田昇
• 出版社:海鳥社(福岡)
• 刊行:1998年6月(初版)
• 判型・頁数:A5判・541ページ
• 価格:定価8,000円
内容概要
• 信長に属した村重が1578年に謀反を起こし、有岡城で織田軍と抗戦。落城後は秀吉の庇護を受け、茶人「荒木道薫」として利休七哲に数えられるまでを、膨大な一次資料に基づき描く。
• 著者は30年余にわたり史料を探索し、「乱世に埋もれた異端の武将」にスポットを当てた渾身の研究書。
• 巻末には略年表(p.519–522)、参考文献(p.523–529)など、学術研究に役立つ構成も充実。
特徴と魅力
• 史料重視の厳密な歴史描写:城主としての荒木家系図、信長との抗争、落城後の動きに至るまで細やかに追究。
• 文化史的視点:茶の湯文化との接点があり、武将としてだけでなく文化人としての村重像も鮮やかに浮かび上がる。
• 学術誌掲載・図書館所蔵多数:CiNii(大学図書館など32館)や国立国会図書館にも所蔵されており、歴史研究者からの評価も高い。
読むのに向いている人
• 戦国期から桃山期にかけての城主・武将に興味がある歴史ファン。
• 茶人としての村重に関心を持つ文化史・茶道史研究者。
• 一次史料にもとづく本格的な歴史書を読みたい人。
この本は、信長に背いた武将・荒木村重の軌跡を、膨大な資料に基づいて再現した学術研究の決定版です。武将としての戦歴だけでなく、文化人としての一面にも光をあて、単なる人物伝を超えた内容となっています。
瓦田 昇(かわらだ・のぼる)
昭和3年7月5日 佐賀市に生まれる。府立旧制茨木中学,旧制佐賀 高等学校理科甲類,大阪大学理学部数学科卒業後, 昭和26年,春日丘高等高校に赴任。平成8年退職、荒木村重研究序説、平成10年(1998年)6月10日発行 (故人)
