ひとり聖歌隊 | あらかんスクラップブック

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60代の哀歓こもごも

私は、週に平均すると6日は、夕方4~6時頃にプール通いをしている。

水の中は、ストレス解消の快適な空間なのだが、最近は、その行き帰りがねぇ。

陽が落ちて、薄暗かりから暗闇という時刻。

駅前のプールまでチャリで走るのだが、昼間より人出は多いが、通勤帰りタイムほど混んでいない。

 

夕暮れ時、人々は家路につく時刻。 子どもは外遊びはやめて、カラスといっしょに帰りましょ♫。

そこに、だれかじっと立っている。 ぼやっと立ってないのは気配でわかる。 近づいてみると、婦人警官だ。

胸に書類挟みみたいなものを持って、歩道を凝視している。 

その前を通るのは、歩行者か、自転車。

荷物を両手に持って足を引きずっているお年寄りの邪魔になるように立ってるから、人々の安全を見守ってくれてるとは思えない。

 

たまに、自転車にストップをかけてなにかしゃべっているから、「取り締まり」なのだ。 ライトが点いてなかったり、片手運転、運転しながらスマホ…、そんなところか?

昼間はいないし、プールの帰りもいない。 トワイライト限定取り締まり。

なぜ、女性警官ひとりなんだろう? 交通取り締まりの女性警官というのは、昼間ミニカーに乗って、3人くらいで、キャピキャピおねえさんが駐禁チェックをやるのなら、わかるけど…。

 

とにかく、不気味だ。 ひとりで薄暗がりで、警察内部のなにかのお仕置きか? それともパワハラ?

 

そんなハナシを人にしたら、「いるねぇ。最近は、信号のない交差点での一旦停止の取り締まりも、夕方だよ。歩道の街路樹に隠れていて、 いきなり懐中電灯持って近づいてくるから、あぶないよ」

 

なんだか、昔、治安維持法が存在していた頃、コミュニストやアナキストを尾行していた私服警官みたいだ。 目つきが悪いよ。

 

プールの帰りは、家の近くまで来たら、12月恒例、近所の自治会の「火の用心」の見廻り。 全員、蛍光タスキとライト。 「ヒノヨージン」だけでなく、「空き巣用心」…「自転車の盗難に気をつけましょう」…「早く家に帰りましょう」…「ちかんに注意」。 一人が叫ぶと他の全員がリフレイン。言う内容は思い付きに近い。

注意! 用心! 自分で気をつけましょう。 安全は自分で守れと言うことか? それがどうした? 児童公園の子どもの声がうるさいというくせに、夕食の団欒時、汚ねぇ、オヤジの声。うるせ~んだよ。 

ほとんどが、定年後の暇オヤジばっかで、この見廻りのあと、寿司やに飲みに行く。 

声をださないで、歩いているだけの自治会もあるが、それはそれで、住宅街にライトがつながった集団の足音。 なんだ、なんだ。用もないのに歩き回る、新選組か。 自警団というやつか。

 

そういうわけで、黄昏時というのはほんとは、もっとロマンティックなはずなのに、うっとうしいぜ。 警官も税金、自警団オヤジも自治会費が使われている。 そんなクソどうでもいい仕事はいらない。

 

イライラすると、私はテキトーな歌を歌って帰るときがある。

「♫木枯らし、木枯らし、寒いみち。たき火だ、たき火だ。落ち葉たき…」。

「♫真っ赤なお鼻のトナカイさんはぁ~♫」

 

ひとり自転車聖歌隊。 マスクしなくていいし、注意する人はいない。

近所の人に、「よく歌詞がまちがっているよ」と言われたので、「うるさい?」とたずねると、「いいんじゃない」という返事。

 

家の中で、頭からっぽにして、ひとりカラオケもいいですよ。

今は、クリスマスソング。

私は、フランク・シナトラとナットキングコールの歌声に合わせて、歌うのが好きです。