国会中継を聴く | あらかんスクラップブック

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60代の哀歓こもごも

カキ

 

このブログで、国会中継を観ようと呼びかけてしまったので、ちゃんと

衆参両院の予算委員会を聴いている

 

携帯ラジオをポケットにつっこみ、イヤホンで、聴いている。

畑でね。 もう、最近急に気温が下がり、作付けの遅れをカバーすべく、クワを振り下ろしながら、あるいは、種をチマチマばらまきながら、聴いている。 

ときどき、「バカか!」とか、「早く答えろよ」とか、「アハハ…」とか、つぶやきながら、かなりにぎやかに聴いている。

 

ラジオは、画面がない、音声だけ。 これが、実に面白い。 総理が答えに行き詰まると、無音。 うん? 一瞬放送事故か?と思うけど、しばらくたって、「それは、内閣法制局長官に…」というのが耳に入ると、総理の情けない顔と逃げるように席に戻る後ろ姿が思い浮かぶ。

 

日本学術会議の任命拒否問題は、国会答弁によって、ますます支離滅裂になってきている。なんかウソや詭弁でも整合性をもつために、一度フローチャートを秘書官にでも作ってもらったら。 

それでも杉田官房副長官が6人を削ったことと、任命拒否は、事前の「調整」がうまくいかなかったからやったということが判明した。

「調整」というのは、質問者が再質問したけど、内容に関してはノーコメント。 おそらく、学術会議に外部から手をまわして、6人を外すようにしようと試みたけど、丸め込める相手ではなかったということか…?

参議院の国会中継では、内閣法制局の答弁も無音が多かった。 おそらく、資料から質問箇所の回答を探してるんだろうけど、もともと、首相のウソに合わせて、言い訳できないことをごまかしごまかし、取り繕うとしているから、そのうろたえた動揺ぶりが、ラジオからも想像できる。 内閣法制局というのは、「法の番人」と言われてたこともあって、独立性や中立性のあるところだと思ってきたけど、今はすっかり官邸の意思決定のとおりに、法律を捻じ曲げるところとなってしまったのか? なんだか気の毒だ。

 

学術会議の任命については、1983年に、内閣法制局が「あくまで形式的な任命にすぎない」、「推薦された者をそのまま会員として任命する」としたことが、審議書で残され、国会の答弁記録にもある。中曽根総理もそのことを談話で語っている。

それが、2年前の2018年の安倍総理時代に、内閣府と内閣法制局が、「会員候補の任命拒否を可能する」という法解釈で談合したことが、最近判明した。、

官房長官や首相が、任命拒否を「法に基づいた適切な対応」とするのは、この2018年のウラでの勝手な法解釈に拠っている。 こんなウラでの勝手なルールを、ルールだからなぜ悪いと居直るのは、どう考えても、おかしいだろう。

参院予算委員会で、83年の文書を示して、野党の委員がするどい追及をしていたが、首相は「内閣法制局に諮って合法的に任命拒否した」としか答えられず、内閣法制局は、「40年前の文書だから、今から把握するのは難しい」と、大先輩の業績もちゃんと読めない。こんなやつらが法の番人だなんて…。

 

任命拒否に至る経過についても、推薦名簿が出て決裁に至るまでの公文書を提出してほしいという議員の要望に、官房長官が「人事に関する記録であり、差し控える」と答弁していた。 得意の隠蔽。

憲法問題も、首相は憲法15条の公務員の選定罷免権を根拠に、「推薦候補を必ず任命しないといけないわけではない」と、迷走気味な解釈答弁をしていたが、 公務員を罷免できる権利は国民にある。総理の裁量で、気に入らない公務員を理由もなく斬ることが許されるわけじゃない。それでは独裁政権だ。 官房長官時代に気に入らない官僚を飛ばしまくっていたのが、身についてしまっているのか…。

それに、学術会議の会員は、ただの公務員ではない。 給料がでているわけでない。年間予算10億円は、210人の会員(連携会員2000名)の会議参加のための交通費に年間4500万円。 事務局常勤職員50名の人件費約4億円。 今、この10億円の予算と機構改革が行革対象になっている。 

国会中継には、笑える追及もある。

辻元清美議員

「学識会議の10億円のうち、5億円を人事費でチマチマ削るのが、政府のやることか。アベノマスク260億、学術会議26年分。アベノマスクの検証をするほうが大事ではないか」

 

 

キリがないので、最後にも笑える発言を…。

質問のたびに、秘書官のカンペをもらう菅総理に対して、小西委員。

「まずは自分で答えなさい。自分でやってみる。 自助! 答弁ができないのか。秘書官の公助を受けるな!」と批判。

それを聞いて誰かが、バカ笑いしている。 ラジオでは質問側かと思ったけど、 あとで茂木外務大臣だとわかった。

委員「自分で答弁もできない総理が国民に自助を説くな!」とトドメの一発。 こういう爽快な場面もある、国会中継。

 

 

畑に行かない日は、TVをつけっぱなしで、衣替えをしながら、聴いた。

いつまでも、決着つきそうにない大統領選挙の中継を延々とやってる民法番組より、面白いよ。

夕方の公共放送のニュースでは、野党の質問の部分は、ほとんどカットされ、首相や官僚が答弁できないでいるとこや詭弁ではぐらかしているところも面白いのに、絶対報道されず、

詭弁のあと、取り繕ってカッコいい持論で答弁を締めくくるところだけを流す。 「学問の自由は保障されている」、 「法に基づいて適切に対応しております」。

 

やっぱ国会中継みなきゃ、わからない。