地雷撤去ボール、「マイン・カフォン(地雷を爆発させろ)」を考え出した、
マスード・ハッサーニさんは、アフガニスタン出身。 人口3000万のアフガニスタンでは、いまだ人口と同じ3000万個の地雷が埋まっているという。
マスードさんは、カブールの郊外で子ども時代を過ごし、遊び場だった近所の砂漠で、友だちが地雷を踏んで脚を失うのを何度も目撃した。
その後、父親を亡くしたマスードさんは、4年の亡命生活の後、15歳でオランダに移住する。
オランダで、工業デザインでは世界トップといわれるデザインアカデミーに入学し、 その卒論プロジェクトで、マインカフォンを制作した。
そのデザインのインスピレーションは、子ども時代、砂漠でころがした小さな紙のおもちゃ。 マイン・カフォンはその約20倍の大きさ。
発想のアイデアが、YouTubeにあった
形はタンポポの綿毛みたいだし、転がるイメージはダンブル・ウィード(回転草)。もともとロシアアザミという外来種で、転げまわって種をまき散らして、繁殖する。
埋もれている地雷の除去は、平均1個あたり1200ドル以上かかる。
このマイン・カフォンは1個40ドル。 材料が安価で、中心部にはGPSが組み込まれ、ルートを追えるようになっている。
最近では、マイン・カフォンは進化し、風まかせではなくて、ドローンにロボティクスを搭載したハイテク型になっている。
「マイン・カフォン・ドローン(MKD)」
まず、①地雷原の上をMKDが飛び、地形を把握して3Dマップを作る
次に②MKDから高性能金属アームを垂らし(地上4㎝の位置に)、埋もれている地雷を探知する。
③別のアームで起爆装置を置いて、爆破する
2025年までに、地雷のない世界をつくる世界目標、人手や重機などの現在の方法なら世界中の地雷撤去に1100年以上かかるといわれている。
それが、このMKDなら、55年でOKだそうだ。
最近、マインカフォンのHPを見たら、このMKDは、最近は地雷撤去だけでなく、鉱山開発でも注目されている。
ドローン、空撮の道具だと思ってたら、ドローンの活用は、農業、土木、物流…など。 いろいろな分野に広がってる。
地雷撤去とか、災害に利用するのは大歓迎だけど、テロや戦争に使ったり、市民を監視したりするのはダメ。 ビジネス利用も、手放しでは喜べない。
マイン・カフォンは、あのタンブリングウィードの動きがなつかしい。
効率は悪いが、自力で動く。 人間の身の丈にあうのは、それくらいのテクノロジーでいいのではないかと思ったりする。