《衛生組合》議会議員研修視察に行ってきました!(2) | 《久喜市議会議員》新井 兼オフィシャルブログ Powered by Ameba

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こんにちは、新井けんです。

去る7月16日(水)、17日(木)の1泊2日の日程にて、久喜宮代衛生組合の議会議員視察研修に行って参りました(当日Facebook,twitterで各視察場所の一報をお伝えしてきました)。

16日(1日目)は、ガラスリソーシング(株)さん(千葉県銚子市)に「ガラス・陶磁器再資源化施設」の視察、17日(2日目)は、成田富里いずみ清掃工場さん(千葉県成田市)に「ガス化溶融炉」の視察および(株)ナリコーさんに「次世代ストーカ式焼却炉」の視察が目的です。

個人的には、久喜宮代衛生組合管内の古い焼却炉をどこかのタイミングで更新する必要があるので、『夢のゴミ処理施設』と言われる「ガス化溶融炉」を勉強したいと思っておりました。

◎ 「ガス化溶融炉」@成田富里いずみ清掃工場(7月17日午前)

清掃

写真:成田富里いずみ清掃工場の入口にて

(1)ごみから資源を生み出す「夢のごみ処理施設」ガス化溶融炉

成田富里いずみ清掃工場は、平成24年10月から稼働開始した最新鋭のごみ処理施設です。
採用されている炉形式は、「ガス化溶融炉(シャフト式)」というもので、「ごみ」はガス化され完全燃焼、ごみ焼却残渣は再資源化可能なスラグに分解処理されます。

<発生するガス>
完全燃焼されたガスは、窒素酸化物、ダイオキシン等の有害物質類を除去し、クリーンなガスとして煙突より排気
<スラグ>
高温燃焼熱で溶融されたスラグは、冷却され磁選機でスラグとメタルに分けて再資源化されます(スラグはアスファルト材料等の土木資材へ、メタルは売却再利用)。


このようにガス化溶融炉は、ごみから資源を生み出すことから「夢のごみ処理施設」と言われています。

(2)「成田富里いずみ清掃工場」の建設・運用に係る経緯等

① 当地建設までの経緯

当初は、別の地域で清掃工場建設の説明を実施してきたが、市長も数代変わり、議会で撤回を答弁するなど紆余曲折があったが、既存のごみ焼却施設に隣接する場所として選定され、近隣住民の方々に平成16年度から約40回の説明会を開いて、同意を得て建設した経緯があったようです(環境対策、地域振興の支援などを行うことで地元区と基本合意)。

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写真:工場見学のVTR


② 建設・運用・運営

成田富里いずみ清掃工場は、成田市と富里市の共同事業として総事業費99億4442万3千円で建設された清掃工場です。
(内訳…国庫支出金26億7574万円、地方債34億4550万円、富里市負担金13億4633万4千円、成田市一般会計24億7684万9千円)

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写真(左):ごみピット1500トンまで貯蔵可能
写真(右):ごみ搬入のプラットホーム


日々の運用は、特別目的会社として設立された成田富里環境マネジメント(株)に維持管理業務委託をしています(20年間で約99億7千万円の契約。建設工事時の仕様に設立が必須条件)。

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写真(左):施設の維持管理業務 写真(右):操作盤の説明を受ける議員達

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写真:建物内に設置されている排出数値


運営主体は、一部事務組合という方法ではなく、成田市が単独で運営し、富里市が成田市に業務委託しているとのこと(最終的なごみの処理量により精算)。

また、スラグの再資源化は現時点ではまだできていないようですが、今後利活用が進んでいく予定だそうです。

なお、地元区と公害防止協定を締結し、法規制値よりも厳しい自主規制値がありますが、さらに厳しい要監視基準値を設け、排出基準値を全てクリアーしています。

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写真:入口に設置されている排出数値を近隣住民もたまに見に来ているとのこと。


③ 余熱利用で発電

焼却処理の途中で発生する余熱を利用して蒸気タービンを回し、発電しています。
焼却炉毎に計2機稼働し、3
,000kwの発電量を誇ります。

工場内で必要な電力は、約2,400kwなので、それ以外の余剰電力は東京電力に売電することにより、570万円/1ヶ月として、平成25年度の総売電実績は6885万1千円とのことです。

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写真:発電用の蒸気タービン

(3)「成田富里いずみ清掃工場」及び「久喜宮代衛生組合管内の清掃センター」との各種比較

◎域内人口規模比較

① 成田富里いずみ清掃工場
・成田市+富里市の合計人口 … 181,385人(平成26年4月1日現在)
② 久喜宮代衛生組合
・久喜市+宮代町の合計人口 … 188,218人(
平成26年4月1日現在

※ ただし、特に成田市は、商業施設等が多いため事業系のごみの排出が多いようです。

◎焼却炉設備

① 成田富里いずみ清掃工場
・炉型式 … ガス化溶融炉(シャフト式)
・処理能力 … 212トン/日(106トン/24時間×2炉)
② 久喜宮代衛生組合
<久喜宮代清掃センター>
・炉型式 … ロータリードライヤー式、階段ストーカー式
・処理能力 … 150トン/日(75トン/24時間×2炉)
<八甫清掃センター>
・炉型式 … 流動床式
・処理能力 … 105トン/日(52.5トン/24時間×2炉)
<菖蒲清掃センター>
・炉型式 … ストーカ式
・処理能力 … 30トン/日(15トン/24時間×2炉)

◎発電機設備

① 成田富里いずみ清掃工場
3,000kw (蒸気タービン)
② 久喜宮代衛生組合
なし


(4)久喜宮代衛生組合の今後の課題


久喜宮代衛生組合の3清掃センターの焼却炉も延命策を講じておりますが、老朽化の進みは免れることはできません(計画では久喜宮代清掃センターの立て替え、八甫清掃センターと菖蒲清掃センターの統廃合という清掃センター構想)

また人口減少と共に、ごみの排出量も減少することが想定され、24時間安定的に燃焼させることができるかどうか、将来的な部分も考えていかなければなりません。

そして清掃工場の建設に関しては、隣接する住民の方々の理解と同意が必要になります。
焼却炉の老朽化が進む状況において、執行部には丁寧に、かつ、迅速に対応していくことが求められています。

新井けんの考える対応案は次のとおりです。(それぞれメリットとデメリットはあります)

<A案>
これまでどおり2清掃センターに集約
(久喜宮代清掃センター、八甫清掃センターと菖蒲清掃センターの統廃合)
→ 既存の場所に再建設の住民理解が得られるか。
<B案>
1清掃センターに集約
→ 大規模化により安定的な稼働が期待できる、建設地住民の理解、管理運用経費の縮減
<C案>
他自治体、一部事務組合の清掃工場、民間の清掃工場へ委託
→ 処理能力に余裕のあるところにお願いする。
<D案>
現在の一部事務組合の枠組みを広げて大規模化
→ 事務経費の削減に繋がる、安定的な稼働が期待できる、自治体同士の協力が得られるか。

「ガス化溶融炉」に関する視察報告は以上です。(つづく)

~~~ 蛇足 ~~~
議員研修視察について、(事務方お任せじゃなく)各議員に報告をするように決まりを設けることも吝かではないと思います。一般の会社や官公庁でも、提出期限1週間などと決めて、研修報告、出張報告、営業報告等の「ほう・れん・そう」を実施しています。都道府県・市区町村議会でもホームページに公表しているところもありますね。


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