本日は 治療の日です。
家を出て 病院に向かおうとすると 上空から!? 声が聞こえる・・・
「どこ 行くのぉ~?」
こ この声は・・・
声がする方を チラッと 見上げると マンションの2階のベランダから ご婦人が 手を振っている。
近所でも評判の!? お話の長いご婦人である・・・
このご婦人と 話をすると 長くなるので ここは 聞こえないフリをして 通り過ぎよう・・・
「今日は 病院の日じゃないのぉ~? 聞こえてるんでしょ~?」
そういえば 先週 「来週の金曜日に病院に行く」と うっかり話してしまったんだった・・・
マンションの下を 通り過ぎようとすると さらに 大きな声が・・・
「どーこー いーくーのー?」
「あーっ! おはようございます。 気づかなかったです・・・」
「こんなに 大きな声出してるんだから 気づかない訳ないでしょ~! 今日は 病院なのよね~?」
「はい。 では 行ってきます。」
「今日は 何科なのぉ~? ガン? あし? とーにょー?」
「大きな声だなあ・・・ 今日は 検査と治療で 一日がかりです。 じゃあまた。」
このご婦人 妹のお子さんが30歳だと言っていたので たぶん年齢は 50代か 60代くらい・・・!?
とっても若く見えるし とっても美人なのに 独身らしい・・・
近所でも なぜ 独身なのか・・・? と いろいろと 噂があるようですが ただでさえ 話が長いので つこんだ話をしたら きっと長くなると思い 誰も聞かないでいるようで・・・
「相変わらず 杖が 似合わないわねぇ~!」
「そうですか? だいぶ使い方も上手になったし 似合ってきたと思いますけど!? そういえば 最近 痩せましたよね?」
「そうなのよ~! わかる?」
「ええ。 いっそう美人になられたなあ…と思って。」
「ちょっと なに言ってんのよ! 下に降りちゃおうかしら。 待っててね。」
「い いや 降りてこなくていいですよ! ボク もう行きますから!」
「あら そう。 そう そうなのよ! ダイエットも なにもしてないのに 急に 6キロも痩せちゃったのよ! 私もガンかしら~ な~んてね!」
「なにもしないで 6キロも痩せるなんて ちょっと心配ですね。 特に なにもなくても 検査とか してみたらいいんじゃないですか?」
「そうね。 これから病院に行くのよね。 一緒に行こうかしら? な~んてね!」
「いやいや ボクは 大急ぎで行くので! じゃあ~!」
思わぬ時間が かかってしまった・・・
早く受付をしないと 採血の番号が・・・
「そんなに急いで歩いたら~ 足に悪いんじゃないのぉ~!」
まだ 遠くから声が聞こえる・・・
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午前8:30。
病院に到着。
受付をすませる。
今日の採血は 153番。
腫瘍外来は 2番。
こんなに早いのに またしても 2番・・・
今日は 一日中病院だなあ。
長い一日に なりそうだ・・・