点滴の効果があったか
少しだけばあちゃんの体調は安定したようだったが
それも長くは続かない。
相変わらず食べられないし飲めないし。
祈るような気持ちで夜を明かし
翌日
9日
タムラ先生の電話を待った。
もちろんこの状態ではデイサービスにも行けない。
タムラ先生から電話が掛かって来たのは10時過ぎだった。
アベ病院というのは
じいちゃんの老健の隣にある同系列の病院だ。
今後何かあった時に
二人が近いところにいた方が
対応しやすいと思って希望していたのだが
明後日でないとベッドが空かないという。
もし今日すぐにというのであれば
他の病院も当たってみると
タムラ先生。
ちょっと迷った。
正直なところ『今わの際』がどんなものであるか
ワタシは実家の父の時しか経験がない。
ばあちゃんは苦しそうではあるが
今がその時なのか判断はつかないのだ。
一瞬
ばあちゃんはこの家で死にたがっているんじゃないか
そう思った。
それなら明後日まで←引っ越し当日だがね。
家で過ごさせてみて
それで終末を迎えるならそれもありかも。
幸い持ったならアベ病院に入院させてもらえばいいじゃん。
・・・なんて無謀なことが頭をよぎる。
もともとばあちゃんは
家で看取りたいと思っていたんだから。
・・・が
あかんやん。
翌日には介護ベッドがなくなっちゃうし
翌々日には電気も水道もガスも全部止まっちゃうんだった。
引っ越し準備準備大詰めのところへ
究極のイレギュラーで判断がおかしな方向に走る。
ワタシの頭のキャパを完全に超えてたみたいだ。
その後タムラ先生
色々かけあってくれて
じいちゃんの老健から少し離れた
カシマ病院に空きを見つけてくれた。
・・・と、これが
バッタバタの入院決定までのテンマツ。
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