とけいのじかん5
運命の1,080円
これまで幾つか腕時計をご紹介してきた。
たくさん持っているから、たまに使わないともったいないし可哀そうだと思うのでせっせと使っている。
でも本当に最近一番よく使っているのは、このオリエント スリースターだ。
つい数年前まではネットショップでもセイコー5と並んでよく見かけたが最近は値上がりした上にあまり見かけなくなった。
オリエントがエプソンに吸収されたことや円安の影響があるのだろうか?
よく分からないがチープ時計が好きな自分としては少しさびしい思いをしていた。
そんな折に運命的に出会ったスリースターの話は以前したことがある。
その時の値段が1,080円だ。訳ありジャンク品扱いだったからうんと安かった。安いのは大好きだ。
磁気抜き料金が1,000円で合わせて2,080円という安さだった。感動的である。
でも、ただ安かったから気に入っているわけではない。これが、なかなか良くできているし、最近の自分の流行もダウンサイジングだったから実にタイムリーにしっくりきたということもある。
もちろん新品でも元値は数千円から一万円ほどの時計だから、特別な高級感とか完成度の高さというものはない。
というよりも、そもそも、そういうレベルを求める時計ではないだろう。
だが、その予算の範囲内で手抜きなくしっかりと作り込まれている。
例えば時分秒針も打ち抜きのままではなく、エッジを落としてきれいに磨いてからメッキをほどこしている。インデックスや日付曜日窓も同様だ。
うんと安いファッション腕時計なんか、針のエッジが磨かれずに打ち抜いたままのようなものも少なくない。
また、夜光もバランスよく配されているし、インナーベゼルの時分目盛りはシールのようだが、これもきれいに貼りつけてある。
文字盤も、ただのっぺりとした銀色ではなく、サンバースト仕上げになっていたりする。
特筆したいのは、やはり2頭の獅子が向かい合っているロゴだ。
中央の王冠に明るいメタルレッドをつかっているのがワンポイントとして効いていると思う。
また日車と曜板を梨地仕上げの文字盤よりも少し色調を落とした銀色にしたことで、視認性はやや落ちるもののデザインの調和がとれるように工夫したのが功を奏している。
ただし裏蓋の内側にはペラルージュは施されていないし、ムーヴメントもエッジを最低限落としたくらいで飾り彫りの類もない。
このあたり見えないところは大胆にコストダウンしている。
それに廉価版自動巻きだから、手巻き機能も秒針停止機能も無い上に曜日の早送りができないし、高倍率のルーペでしげしげ観察すれば、インデックス等にあらを見つけられないわけではない。
このあたりは、やはり価格相応だろう。
でも、こういう少し横長の昔のブラウン管テレビみたいな形の腕時計も以前から一つ欲しかったこともあるし、ケースサイズが、縦約41㎜ 横約36㎜ 厚さ約11㎜ ラグ幅は18㎜で、大き過ぎず小さ過ぎず私の手首に実にしっくりと馴染む大きさなのがいい。
デザインも派手過ぎず地味過ぎず、いかにもオリエントらしくダサカッコイイ。
何よりも、やはり訳あり品を格安で手に入れた上に安価で整備して使えるようにしたというのが自慢なのだ。
でも本当はそういう言葉にできる領域と少し違うところで、とても気に入っているようだ。
こればかりは私という表面意識のほうでは、ちょっと説明しかねる。
つまり、まあ好きな腕時計というのは値段でも理屈でもなく、もっと感覚的な世界の問題なのではないかというお話なのでありますた。
なんですと? 要するに、ただの時計自慢じゃないのかって??
おーっ! これまた御明察~!!
(* ̄0 ̄*) オ-ッ!!


