闇に魅せられて  ~ 恋に堕ちた二人 ~ 10 | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。

総合もくじ ☆ a guardian angel ~守護天使~


十字架 闇に魅せられて ~ 恋に堕ちた二人 ~ 


a guardian angel


(それまでのお話) 前編 後編 1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 9話


(SIDE 村雨)


セッちゃんに相手にしてもらえず、凹み気味の俺だったが、

女子高生だらけの現場に少しだけ気分が浮上する。

俺にぶつかってきた例の彼女とは…今日は挨拶を交わしただけ…。


苛めグループのリーダー…カリスマ女子高生『ナツ』か…

今日の撮影シーンを見る限りでも、あの子の演技が一番目を惹く。


主人公の留美ちゃんは…まぁアイドルだし、演技が下手なのは仕方ないとして…

でも…だからこそ、その対極にいる彼女の演技が一際輝いて見えるな…。

そんな留美ちゃんも彼女と演じてる時は…過激な彼女の苛めのせいで

(苛めのシーンは全部彼女達のアドリブだって…聞いた)

すごく真に迫った演技になっていて…追い詰められた感じが出てる。

…それが視聴者の同情を誘うんだろうな。

やっぱり、あの子は…近衛監督が認めるだけあって…この中じゃずば抜けてる。

この現場を支配してるのは…あの子だって…そう肌で感じた。


…なんでなんだろう、あの子とアイツが被って見える…。

        主役じゃないくせに…現場を支配してるあの黒い死神と。


いやいや、あんな奴と一緒にしちゃ、彼女が気の毒だ…

ナツは…いや、ナツを演じてる彼女はすごく魅力的な女の子だったじゃないか。


今日、俺のところに3人で挨拶に来た彼女は…すごく礼儀正しい女の子だった。

この間のこともまた謝ってくれた…スタッフからの評判もいいらしいし、どうやら、素の彼女は育ちもいいらしい。

最初の頃は役作りに戸惑っていたらしいが、今や完全に自分のものにしてるって…監督も感心してた。


それから、今のナツが出来上がってから…彼女はどんどん綺麗になっていってるらしい…。


そんなスタッフの話を聞きながら、俺は今日一日彼女のことを目で追っていた。

しかも…今日監督から変更を言い渡された台本には…

そんな彼女とのラブシーンが追加されていて…役得だなって思ってしまった。

監督と軽く明日の打ち合わせをしてスタジオを出ると

先に出たはずの彼女達がガールズトークに華を咲かせていた。


「タトゥーって、キスマークの??確かに女優の肌にあんなに痕残さないよね~?

ってことは…彼は一般人?」


「ちょっ…大きな声で もぉっツグミにカオリ!!二人ともアタシで遊ぶなんて100年早いのよ!」


タトゥー…あの日のアレはキスマークを隠すために貼っていたのか??

なんだ…男いるのか…まぁ、あれだけきれいな子なんだ…いてもおかしくはない…そう思いながらも、がっかりしてる自分に気づいた。


セッちゃんといい、あの娘といい…いいなって思った矢先に打ちのめされることばっかりだな…。


「でも本当の事でしょう?相手は誰なのよ~ずっと気になってたんだから~~

年上?ナツなら年下もアリ?」

「クスッ…ツグミったら…ナツが本当の事教えてくれるわけがないじゃない?」

「そうね…でも、サイコーにいい男だったわよ?」

「え~~~っ 村雨さんより??」


クスと含み笑いをする彼女の声に…なぜか、カイン・ヒールの顔が浮かんだ。

俺よりもいい男…なんて、彼女も云ってくれるよな?

それにしても…なんで…別の仕事に時までアイツに囚われなきゃいけないんだ…っっ

って…思わず、アイツを思い浮かべてしまった自分に腹を立てていたけど、

第3の男の出現で…それは大きな疑惑となっていく。


「…キョーコ」


彼女を呼びとめたのは、ビジュアル系ロックバンド…『ビーグール』のヴォーカル、レイノだった。


「なっ…アンタ、何でこんなとこにっっ」


突然声を掛けられて、彼女の言葉遣いが変わる。


「急に早足で動き出したかと思えば…また彼女か?お前も懲りないな…」


彼の仲間が追いかけてきて…呆れ顔でレイノに話しかけた。


「ミロク…ついて来なくてもいいぞ?俺はキョーコに用があるだけだ」


「そんな事いって…もうすぐ収録なんだぞ?お前がいなきゃ撮影できないだろう?」


「ちょっとちょっと~~ナツ、ビーグールと知り合いなの??」


彼らの登場に驚いていた彼女たちに…戸惑う彼女。


「し…知り合いなんかじゃっっ 」


「…キョーコ、ちょっと見ない間に…お前アイツに喰われただろう…?」


「なっ/// 」


「…オーラが変わった…俺がお前を女にしたかったのにな…」


オーラ…?!オーラってなんだよ??

しかし、すげーな…恥ずかしげもなくそんなセリフこんなところで吐くなんて…

みんなに聞かれてるのに…なんてマイペースなんだ?! 


「なっ///ちょ、アンタ…こんなところで何言ってるのよ?」


「…まぁ、いい…アイツから美しくなったお前を奪うのも一興だ。

ところで不破は…知ってるのか?」


「不破って…不破尚のこと?? ちょっと、ナツッたら…不破尚とも知り合いなの?」


目をぱちくりさせて共演者の一人が興奮気味に彼女に訊いてきた。

困った頭をした彼女は…サラッと前髪を掻きあげると鋭い視線を向けて彼に云った。


「…アンタいい加減にしなさいよ?あの人に云いつけるわよ?」


あの人…?レイノと、彼女の彼は…面識があるのか?

その言葉に堪えることもなく、レイノは彼女との距離を詰めその頬に触れてきた。


「…ほぉ…お前、今…アイツと一緒に住んでるのか…なるほどな

死神か…荒んだアイツにお似合いの役だな。

その姿も似合ってるが…俺は、やはり黒尽くめのお前の方が好みだな…

薔薇のタトゥーも…よく似合ってる…」


そう云って妖艶な表情を浮かべ顔を寄せていくレイノ…を正面に見据えて

彼女は、その顔色を変えた…。


「なっ…何でソレを…っっ」


口を挟むように、隣りにいた長髪の彼が飄々とした口調で、レイノに訊いた。


「レイノ…今日は何を見たんだ?…死神って?」


「あぁ、キョーコの極秘プロジェ…」


「ちょっとっっ、こっちにきなさいよっっ…」


これ以上、話されちゃ困るとばかりに…彼女がレイノを引っ張って楽屋へと消えていく。

残された彼女達が…顔を見合わせて呟いた。


「ねぇ…ナツって…彼氏と同棲してるってこと?…死神の『役』って事は…役者ってことよね??」


( …なんなんだ…今の話は… )


死神の役…って言われて思い浮かんだのはアイツ…

極秘プロジェクト…?黒尽くめ…薔薇のタトゥー…キスマークを隠す為の薔薇のタトゥー?


嘘だろ?…俺が彼女のタトゥーを見たのはいつだった?

同じ日…??という事は…セッちゃんは…彼女??

演じてるってことなのか?…京子が…アイツの妹を?


それに今の話が本当なら…彼女の…彼女の彼は…アイツってことなのか       


→ 11話へ続く


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