総合もくじ ☆ a guardian angel ~守護天使~
闇に魅せられて ~ 恋に堕ちた二人 ~
(それまでのお話) 前編
後編
1話
2話
3話
4話
5話
6話
7話
8話
(SIDE キョーコ)
あの日を境に…ヤンマガ兄妹のヤンマガ度があがってしまった…。
ほんの仕返しのつもりだった…のに、朝晩のソレは定着してしまった…///
(どうしよう…私、ちゃんとセツの顔できてるかな…///)
兄さんと過ごす時間が楽しくて嬉しくて…
この感情がセツのものなのか…自分のものなのかわからなくなる。
…好き…兄さんが…彼が好き…
自覚してしまった想いが加速してしまうのを感じながら…
そんな泡沫の夢のような甘い時間が…溢れ出す甘くまろやかな清水が私を潤していく。
そんな私を待っていたのは…リアルへと引き戻す新しい台本だった。
アレは偶然じゃなかった…?あの日、彼にぶっかったのは…この台本のせい?
動揺を隠せなかった…彼が演じるのは…私が誘惑する相手だったから。
どうしようっっ…出来るだけ接触は避けたかったのに…
浮かれてた私に…神様が罰を下したの?
その上、…その台本を…兄さんに見られてしまった。
それからというもの…兄さんの機嫌が悪い…ような気がする。
纏わりつくいやな予感…それを払拭したいのに…撮影の日は無常にもやってきてしまった。
念のため、社長に報告を入れて、私は現場へと向かった。
そんな私を待っていたのは安南監督だった。
「台本のことなんだけど…もし、彼からOKが出たら一部変更したいんだけど、いいかなぁ~?
今をときめく村雨君だろう~?
せっかくだから、もう少し出番増やしたいと思ってさ、事務所にも確認してくれない?
新しい台本は帰るときに渡すからさ…」
なっっ…何言ってくれちゃってるんですか~~~監督!!
台本があるんだから台本通りでいいじゃないですか!!
そこへ彼がやって来た…。
「おっ、村雨クン~あのさ~…」
なんてノリが軽いの…いや、何を云うのキョーコ…
安南監督は最初からそうだったじゃない…
いいですよ…という村雨さんサイドの返事を聞いて私は腹を括った。
いいわ、こうなったら…ナツとして演じるだけよ!
その日の撮影は…これといって問題もなく順調に進んでいった。
…なんだ…心配することもなかったわね?
そうよね…彼はセツが本当に実在すると思ってるんだもの…
私とは結びつくはずがないのよね…心配して損しちゃった。
もし、似てるな…って思われたとしても、他人の空似っで済むんじゃない。
そう思い直した私は…京子として、ナツとして…その場を乗り切った。
「それじゃ、明日は…二人のシーンを中心に撮ってくから、
それとコレ!新しい台本…明日はコレでよろしく頼むよ」
そういって渡された台本を捲ると、そこにはキスシーンが追加されていた。
しかも…それはナツが誘惑するシーンじゃなく…本気になった彼が
ナツを抱き寄せて強引に唇を奪う…というラブシーンだった…。
「あ…あのっ…監督っっ」
困った顔で近寄れば…安南監督は楽しそうな顔をして私に云った。
「あんなイケメンを振るなんて…こんなチャンスなかなかないだろ?
ナツだからこそっていう格好いい演技、期待してるからな~」
…ダメだ、出来ないなんて云えない…
そうよ、いつかこんな日が来るかもとは思ってたじゃない…。
だけど、よりによって…なんでムラサメ…村雨さんなの…?
深くため息をついて歩き出した私の背中をどつくようにして台本を奪ったツグミが笑う。
「イッタ…何するのよ~ツグミ!」
「うわっ キスシーンが追加されたんだ~///
…でも、村雨さんならカッコイイし、別に構わないんじゃない?」
ツグミが台本を見ながらはしゃぐ姿にも…ため息しか出てこない…。
ローテンションなアタシにカオリが云った。
「あ~わかった…!タトゥーの彼に嫉妬されちゃうのが怖いんでしょ?」
うっふふ~とニヤニヤしながらアタシを冷やかす…二人に、呆気にとられてしまった。
楽屋までの廊下でさえ、ガールズトークは止まらない…。
「タトゥーって、キスマークの??確かに女優の肌にあんなに痕残さないよね~?
ってことは…彼は一般人?」
「ちょっ…大きな声で もぉっツグミにカオリ!!二人ともアタシで遊ぶなんて100年早いのよ!」
勘弁して…誰に聞かれるかわからないのに…
「でも本当の事でしょう?相手は誰なのよ~ずっと気になってたんだから~~
年上?ナツなら年下もアリ?」
なっ…ナツなら何でもアリなの??失礼な…そんな節操なしじゃないわよ!!
「クスッ…ツグミったら…ナツが本当の事教えてくれるわけがないじゃない?」
さすがはカオリだわ…ナツがそう云われたら云わずにいられないって分かってて云うんだもの…。
「そうね…でも、サイコーにいい男だったわよ?」
アタシが出逢った彼は…金髪碧眼の姿をしていた…。
あれが…彼の本当の姿…?
真実はわからない…だけど、アタシは彼以上に綺麗な男を知らない。
「え~~~っ 村雨さんより??」
そういったツグミの声に頷いてみせると…突然、背後から名前を呼ばれた。
「…キョーコ」
その聞き覚えのあるその声に振り返ると…そこには 。
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