闇に魅せられて  ~ 恋に堕ちた二人 ~ 11 | a guardian angel

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スキビ好きな私が無謀にも始めてしまった…

二次創作・ネタバレ・つぶやきを含む妄想ブログです。

当然のことながら、作者さま・出版社さま等とは一切無関係です。

総合もくじ ☆ a guardian angel ~守護天使~


十字架 闇に魅せられて ~ 恋に堕ちた二人 ~ 


a guardian angel


(それまでのお話) 前編 後編 1話 2話 3話 4話 5話 6話 7話 8話 9話 10話


(SIDE キョーコ)


「…キョーコ」


聞き覚えのある声に思わず振り返ると、そこには不敵な笑みを浮かべる魔界人が立っていた。

目があった瞬間、私からナツ魂が抜ける…。


「なっ…アンタ、何でこんなとこにっっ」


話しかけてると後ろから、ビーグルの長髪の男がやってきて云った。


「急に早足で動き出したかと思えば…また彼女か?お前も懲りないな…」


本当…懲りない男ね!ベインデ―の時…

くっきりと手形の残る平手もお見舞いしてやったっていうのに…

性懲りもなくまた私の前に現れるなんて          


「ミロク…ついて来なくてもいいぞ?俺はキョーコに用があるだけだ」


「そんな事いって…もうすぐ収録なんだぞ?お前がいなきゃ撮影できないだろう?」


「ちょっとちょっと~~ナツ、ビーグールと知り合いなの??」


はっ…そうだったわ!ここには、カオリとツグミもいるんじゃないっっ…

ただでさえ、いろいろ詮索されて困ってたって言うのに…


「し…知り合いなんかじゃっっ 」


「…キョーコ、ちょっと見ない間に…お前アイツに喰われただろう…?」


「なっ/// 」


アイツって…まさか、…バレてるの??

いや~~~っっ やっぱり魔界人は超能力があるんだわ…どうしようっっ

誰にも言ってないのに…魔界人に知られてしまったなんて…

お願いだから、嘘だって云って~~~!! 


「…オーラが変わった…俺がお前を女にしたかったのにな…」


オーラ…って…俺が女にって/// …何を云ってるのよこの男は~~~っっ

って…いけないわ、ツグミとカオリの視線が…っっ

ここでこれ以上話すのは危険だわ!なんとかしないと… 


「なっ///ちょ、アンタ…こんなところで何言ってるのよ?」


「…まぁ、いい…アイツから美しくなったお前を奪うのも一興だ。

ところで不破は…知ってるのか?」


ぎゃぁ~~~~!!また余計な事を!!


「不破って…不破尚のこと?? ちょっと、ナツッたら…不破尚とも知り合いなの?」


もぉ~~~っっ!!コイツを黙らせるには…そう!そうだわ!!

敦賀さんよ!!あの時だって敦賀さん効果抜群だったじゃない!!


「…アンタいい加減にしなさいよ?あの人に云いつけるわよ?」


そう云った私の言葉に…反応することもなく、近づいてくるレイノ…

その妖しい瞳に身体の自由が…奪われていく。

私の頬を撫でるように…触れたアイツがビクッと一瞬身体を強張らせたかと思うと…

ニヤリと笑って…私に告げた。


「…ほぉ…お前、今…アイツと一緒に住んでるのか…なるほどな

死神か…荒んだアイツにお似合いの役だな。

その姿も似合ってるが…俺は、やはり黒尽くめのお前の方が好みだな…

薔薇のタトゥーも…よく似合ってる…」


すべていい当てられて…触れられた指先から血の気が引いていく…。


「なっ…何でソレを…っっ」


「レイノ…今日は何を見たんだ?…死神って?」


…どうしよう…どうしよう…スタジオにはまだ村雨さんだっているのに…

とにかくここじゃまずいわ…これ以上話されたら…

「あぁ、キョーコの極秘プロジェ…」


「ちょっとっっ、こっちにきなさいよっっ…」


私は魔界人の口を塞ぐと潜在能力をフルパワーで解放して、彼をその場から連れ去った。

バタンっ…魔界人を自分の控え室へと押しこんだ私は…

閉めたドアを背に…ナツを憑かせて、レイノを冷たく見下ろして云った。


「…アタシに用があってきたんでしょう?」


そう言うと、立ち上がった彼が…私に近寄りながら囁く。


「いいな…その目、ゾクゾクする…」


そう云った彼を突き放すように鋭い視線で見上げる。


「…用って何?」


そういうと…ポケットから何かを取り出して私の手のひらの上に置いた。


「…何コレ…」


手のひらで輝くそれは…眩い宝石が散りばめられたクロスのネックレスだった。


「明日は…ホワイトデーだろう?本当は明日渡しにきたかったんだが、あいにく仕事でな…」


そう言われて…思わず素っ頓狂な声が出てしまった。


「…はぁ??…いらないわよっっ…なんで私に?

って…まさか、…アンタ…前にアタシのこと好き…って言ってたけど

アレって本気だったの?」


散々人をバカにするセリフを並べてたくせに…嘘でしょう?

思わず、ナツ魂が剥がれて素に戻ってしまった。


「嘘を云ってどうする…

まぁ、アイツとそんな関係になってたとは予想外だったが…

俺は気にしない…それに、この世でお前に釣り合う男は…俺くらいだからな…」


云われた言葉に…ナツ魂を入れ直した私は…


「アハハっ…何を言うかと思えば…笑わせないでよ?

アタシに釣り合う…?

だったら、…アタシを奪ってみなさいよ?アンタの苦手な…あの人から      

アタシの心も身体も…すべてを支配するあの人よりも…

アタシを夢中にさせる自信があるんでしょう?」


「……」


「まぁ、あの人が簡単に私を手放すとは思えないけど…

ねぇ…?あなた、あの人に勝てるの?」


そう云って…妖しく微笑んでレイノの耳に息を吹きかけるナツ…

アタシと彼の関係は…一夜限り…

だけど、兄さんでもある彼の言動を思い出しながら…そう言うと

レイノは…フゥー…と息を吐いて、ドアへと向かって歩き出した。

そして、ドアの前で振り返って…私に云った。


「さすがの俺も…正面からあの男を相手にする気はない…

だが、キョーコ…アイツの相手は、…相当苦労するはずだ。

抱えてる闇の大きさが…半端じゃないからな。

アイツの相手に疲れたら来い…

俺の腕は…お前の為に空けておいてやるから…」


そういって両腕を広げて妖しい笑みを浮かべたレイノに、ベーっと舌を出して言い返した。


「なっ…いらないわよっっ …それより、…さっきの…ことだけど…」


どうやって口止めしたらいいんだろう…と云い淀みながら口を開くと

彼から淡々とした返事が返ってきた。


「わかってる…他言無用…だろう?

俺もまだこの業界に身を置いておかないといけないからな…」


「え…?」


予想外の返答に呆気にとられてしまった。


「しかし、お前は本当に不思議な女だ…

あんな独裁者からも一目置かれてるなんてな」


続いた言葉に絶句する…。

( 独裁者…って…もしかして社長のこと??…一体どこまでわかってるの?? ガーン )


そして、魔界人は去って行った。

その瞬間…どっと疲れが出た私はその場にしゃがみ込んでしまった。


今日のことを…社長や敦賀さんに報告するべきかしら…

でもなんて言えばいいの??超能力で言い当てられました      って?


ううん、誤魔化すこともできたのかもしれない…

だけど、あの男に不思議な力がある事は…事実で、本当のことを言われて動揺してしまった…なんて、コレはやっぱり…私の落ち度…よね。

怖いけど、敦賀さんにだけは…話しておいた方がいい…かな。

…返し忘れたクロスのネックレスを見ながら…私は深いため息をついた。


そこへ、コンコンと…楽屋をノックする音が聞こえた…。


「はいっ…」


着替えを済ませた私は…ロッカーの扉を閉め、持っていたネックレスを鞄に仕舞ってドアへと駆け寄る。


( きっと…またカオリとツグミだ…またいろいろ訊かれるのかしら…)


なんて思いながらナツを憑かせて、ドアに手を伸ばした。だけど、そこにいたのは二人じゃなかった…。

私をまっすぐに見下ろして…その人は云った。


「京子さん…ちょっといいかな?」


→ 12話へ続く


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