ブログをご覧いただきありがとうございます。

 

 

理学療法士医学博士吉田かずやです。

 

今回のブログでは、巷で話題になっている「長胸神経麻痺(ちょうきょうしんけいまひ)」について少しブログで取り上げたいと思います。

 

 

<はり治療と長胸神経麻痺>

 

最近、読売巨人の沢村拓一投手への施術ミスの問題が話題となっています。

 

 

サンスポさんの記事を引用させていただきます。

http://www.sanspo.com/baseball/news/20170910/gia17091013590005-n1.html

 

 

以下、引用〜

 

巨人、沢村に謝罪 故障の原因ははり治療の施術ミスの可能性

 

 開幕前に右肩の異常を訴えて2軍で調整していた巨人の沢村拓一投手の故障の原因が球団トレーナーによるはり治療での施術ミスである可能性が高いとして球団が謝罪していたことが10日、分かった。石井一夫球団社長、鹿取義隆ゼネラルマネジャー(GM)と当該のトレーナーが9日に川崎市のジャイアンツ球場で沢村に謝罪した。鹿取GMによると本人は納得しているという。

 

 球団関係者によると、沢村はキャンプ中の2月25日に右肩の不調を訴え、27日にはり治療を受けた。その後も状態が上向かなかったため、複数の医師の診察を受けて「長胸神経まひ」と診断された。まひは外的要因によるものとされ、はり治療で一時的な機能障害が引き起こされた可能性があるとの所見が出たことで、球団が謝罪した。

 

 沢村は9月1日に今季初めて1軍に昇格したが、登板機会がないまま4日に出場選手登録を外れた。

 

昨日(9月21日)に、はり治療と長胸神経麻痺との関連性についての公開質問状を下記の団体が読売巨人軍に送ったとのこと。

 

・(公社)全日本鍼灸学会

・日本伝統鍼灸学会

・(公社)日本鍼灸師会

・(公社)全日本鍼灸マッサージ師会

・(公社)日本あん摩マッサージ指圧師会

・(公社)全国病院理学療法協会

・(社福)日本盲人会連合

・(公社)東洋療法学校協会

・日本理療科教員連盟

 

医道の日本社のホームページ「業界ニュース」にてその公開質問状の全文が公開されていました。

 

http://www.idononippon.com/information/news/2017/09/post-29.html

 

こちらも引用させていただきます。

 

以下、引用〜

 

プロ野球選手への施術ミス報道を受けて

業団が連名で巨人に質問状を送付 [2017.09.21]

 

9月10日、読売ジャイアンツの澤村拓一投手が、「球団トレーナーによる鍼治療のミスで長胸神経麻痺が生じた可能性がある」との報道がなされた。この問題に対し、公益社団法人 全日本鍼灸学会、日本伝統鍼灸学会、公益社団法人 日本鍼灸師会、公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会、公益社団法人 日本あん摩マッサージ指圧師会、公益社団法人 全国病院理学療法協会、社会福祉法人 日本盲人会連合、公益社団法人 東洋療法学校協会、日本理療科教員連盟が本日、読売巨人軍に公開質問状を送付した。詳細は医道の日本11月号に掲載予定。

 

質問状は下記の通り。

 

平成29年9月21日

株式会社 読売巨人軍

代表取締役社長 久保 博 殿

 

はり治療による長胸神経麻痺に関する報道についての照会

 

謹 啓

秋涼の候 貴社におかれましては益々ご清祥のこととお慶び申し上げます

 

公益社団法人 全日本鍼灸学会、日本伝統鍼灸学会、公益社団法人 日本鍼灸師会、公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会、公益社団法人 日本あん摩マッサージ指圧師会、公益社団法人 全国病院理学療法協会、社会福祉法人 日本盲人会連合、公益社団法人 東洋療法学校協会、日本理療科教員連盟は、国家資格である「はり師」と「きゅう師」いわゆる鍼灸師が所属する団体であり、鍼灸学術の振興ひいては国民に安全で安心な治療を提供することを目的とするものであります。

去る9月10日(日)に、貴社所属のトレーナーの医療過誤に関する記事が複数の新聞社によって伝えられました。記事では、はり治療によって長胸神経麻痺が発生したとのことですが、業界全体が大変な驚きをもって報道を受け止めているところであります。また、鍼灸師のみならず、一般の患者ならびにマスメディアからも多数の問合せが届いており、その多くは一般的なはり治療でそのような医療事故は起こりえるのか、また、今後の事故を防止するためにも施術内容ならびに診断に至った経緯を明らかにして欲しいというものであります。

本報道は、現在、はり治療を受けておられる患者とそのご家族、これから治療を受けようと考えている方、治療にあたっている鍼灸師ならびに関係者に大きな不安を与えております。我々鍼灸関連団体としましては、事件の詳細を明らかにすることによって、上記問い合わせに対して可能な限り正確な説明を行い、鍼灸師により適切な安全対策を講じさせ、今回の報道で生じたはり治療に対する国民の不安を軽減したいと考えております。

つきましては、施術から診断に至るまでの詳細な経緯について別添の質問状(2枚)にご回答いただきますようお願い申し上げます。また、可能でありましたら担当医師、鍼灸師に直接お話が伺えればと考えております。ご多用のところ大変恐縮ですが、本照会の主旨をご理解いただきご協力を賜りますよう心よりお願い申し上げます。なお、本照会状は、報道各機関にも公開させて頂くことを申し添えます。

末筆ながら、貴社の益々のご発展を祈念いたします。

謹 白

 

公益社団法人 全日本鍼灸学会

会長 久光 正

日本伝統鍼灸学会

会長 形井 秀一

公益社団法人 全日本鍼灸マッサージ師会

会長 伊藤 久夫

公益社団法人 全国病院理学療法協会

会長 平野 五十男

公益社団法人 東洋療法学校協会

会長 坂本 歩

公益社団法人 日本鍼灸師会

会長  仲野 弥和

公益社団法人 日本あん摩マッサージ指圧師会

会長  安田 和正

社会福祉法人 日本盲人会連合

会長 竹下 義樹

日本理療科教員連盟

会長 栗原 勝美

 

連絡先 〒151-0053 渋谷区代々木1-55-10学園ビル10階 1001号室  

公益社団法人 全日本鍼灸学会 事務局

tel: 03-6276-6751  fax: 03-6276-6752 e-mail: honbu@jsam.jp

 

平成29年9月21日

質問状①

 

本件におきまして、診察ならびに診断されました医師の先生にお聞き致します。

 

Q1. 報道によれば長胸神経麻痺とありますが、本件の正確な診断名とその理由(所見)をお聞かせください。

 

Q2. 報道によれば、はり治療が長胸神経麻痺の原因とありますが、これは事実でしょうか?もしも事実であるならば、はり治療を原因とした理由(因果関係)と他の原因を除外した理由をお聞かせください。また、はり治療前から長胸神経麻痺を疑う所見がなかったかお教えください。

Q3. 患者の転帰についてお聞かせ下さい。

 

Q4. もしもはり治療が長胸神経麻痺の原因であると考えであるならば、どのような安全対策を施せば、今回の事故を避けることができたとお考えでしょうか?ご意見をお聞かせ下さい。

 

Q5. 上記に加えて、本件に対するご意見ご感想をお聞かせ下さい。

 

平成29年9月21日

 

質問状②

 

本件におきまして、はり治療を行われたトレーナーの先生にお聞き致します。

 

Q1. 本件に関するはり治療の詳細(主訴と治療の目的、使用鍼のサイズ、刺鍼部位・方向・深度・強度、等)についてお教え下さい。

 

Q2. 報道によれば、はり治療が長胸神経麻痺の原因とありましたが、刺鍼時あるいは刺鍼後に神経を傷害したことを示唆する現象(強い鍼響、痛み、シビレ、筋の単収縮、等)はございましたか?

 

Q3. 上記の質問を踏まえて、はり治療が今回の事故の原因とお考えでしょうか?

もしもそうであるならば、どのような施術行為が原因であったか、どうすればこれを防ぐことができたとお考えでしょうか?ご意見をお聞かせください。

 

Q4. 上記に加えて、本件に対するご意見ご感想をお聞かせ下さい。

 

各団体がこのような質問状を送ることは、納得がいきます。

 

はり治療と沢村投手の長胸神経麻痺の関連性がはっきりしないまま、「はり」イコール「神経麻痺」、「危険」という情報だけが一人歩きしてしまうことでの施術や、はり治療受ける方への影響は計り知れません。

 

果たして、本当に「はり治療」によって長胸神経麻痺は起こったのでしょうか??

 

「はり治療」の前から、麻痺していた??

 

投球動作や筋力トレーニングの影響は??

 

検索エンジンで「沢村 筋トレ」で検索すると、かなり歯を食いしばって筋トレしている映像が出てきます。

 

<長胸神経と前鋸筋>

 

今回話題になった長胸神経(ちょうきょうしんけい)は、

 

以前ブログでも取り上げた前鋸筋という筋肉を支配しています。

 

https://ameblo.jp/apula-tokyo/entry-12298630698.html

 

支配というと大げさですが、コントロールしている神経です。

 

 

 

上記の画像では、神経だけでなく、どんな時に長胸神経が支配している「前鋸筋」が働くのかを図で示しています。

 

前鋸筋は、腕を肩の高さ以上に持ち上げた時に働きます。

 

 

普通、歳を重ねてくると、肩の高さ以上に腕を持ち上げる機会は、圧倒的に減ってきます。

 

皆さんは、どうですか??

 

腕、持ち上げてますか??

 

こんな研究データもあります。前鋸筋はあまり影響を受けない結果となっていますが、歳をとることで、僧帽筋の下部線維という筋肉が萎縮(いしゅく)してしまうということです。

 

 

僧帽筋の下部線維は、

 

前鋸筋よりもさらに腕を持ち上げた時に働きます!

 

さらに!!

 

腕を持ち上げたときに、肩甲骨を安定させる働きもあります。

 

 

 

<肩を前に持ち上げる(屈曲)>

 

 

<肩を横に持ち上げる(外転)>

 

 

 

 

 

 

腕を持ち上げるときは、

 

1. まず、肩まわりの筋肉が働きます。

 

2. 次に、肩甲骨まわりの筋肉が働き、

 

3. 最後に体幹(背中)の筋肉が働きます。

 

前鋸筋は、肩甲骨まわりの筋肉に分類されます!

 

 

 

使わない筋肉は、萎縮したり、筋力低下を引き起こします。

 

 

 

 

 

上記の図は、ちょっと難しいので、簡単に説明しますが、

 

肩を痛める人の多くは、

 

肩甲骨の動きにも問題が起きる

 

と言われています。

 

そのほとんどの肩甲骨の動きの問題に「前鋸筋」が関わっているようです。

 

 

日頃から「前鋸筋」を意識することも必要かもしれませんね。

 

 

 

 

<オーバーヘッドスポーツ>

 

沢村投手のように、野球をやっている人はどうでしょうか?!

 

野球のように、腕を持ち上げて行うスポーツを、

 

オーバーヘッドスポーツ

 

などと言いますが、

 

野球は、腕を肩の高さよりも持ち上げて行うスポーツです。

 

一般の方以上に、上記の画像でも出てきた三角筋や僧帽筋、前鋸筋などの筋肉を多く使っています。

 

さらに、長胸神経は、

 

首から胸の前を通り、脇の方へ向かっている神経です。

 

 

 

Wikipediaより引用

https://ja.wikipedia.org/wiki/長胸神経

 

歯を食いしばっての筋トレも影響ありそうな気がしますね。。。。(真相不明)

 

 

 

 

<前鋸筋のストレッチ方法>

 

そんな前鋸筋のストレッチ方法は、

 

こちら!!

 

 

 

<前鋸筋の筋トレ方法>

 

手持ちの動画や資料がなかったので、YouTubeで発見した動画のリンクを貼っておきます(汗)

 

今度、撮影したいと思います。。。

 

https://www.youtube.com/watch?v=21I3q9NBLFE

 

 

ストレッチと筋トレをバランスよく行うことで、前鋸筋を意識するようにしましょう!!

 

くれぐれもやりすぎ注意です!!

 

 

<余談>

 

最上段に出てきた前鋸筋の画像。

 

気になった方は、いますでしょうか??

 

 

実はこの画像、、、

 

LINEスタンプなんです!!!

 

エターナル株式会社の松下社長と私で共同制作したスタンプです。

 

前鋸筋は、「筋肉マニアックスタンプ」第一弾上肢編で登場します!!

 

私も少し登場します(笑)

 

 

興味がある方は、

 

 

https://store.line.me/stickershop/product/1429121/ja

 

 

をご覧ください!

 

LINEショップの検索で「筋肉マニアック」で出てきます。

 

 

 最後まで、お読みいただきましてありがとうございました。

 

 

 

 

 

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