同業者から、分院を多数作ったり、スタッフの数が増えると人の管理が大変ではないか?!
悩みが増えないか?!という質問をよく受けます。
アドラー心理学でも人の悩みの大半は人間関係だと言われています。
歯科医院を30年運営してきて思うことは、人が増える悩みよりも幹部的なリーダーの存在の有無の方が大切かと思います。
「スタッフが増えるから悩む」ということはないですが、「リーダーがいなければ人の数だけ悩みが増える」と思います。
故野村監督がよく言っていた「リーダーなき組織は機能しない!」という言葉が何度も頭をよぎります。
スタッフのマネージメントがうまく回っていなかった時代に、一人一人のスタッフと話をするとみんなこちらの意図を理解してくれるのですが、集団になると社員と経営者は敵対的な関係になってしまった経験があります。
人間には理性と感情がありますが、理性では何が正しいかはわかっていても、本能的には楽をしたい、面倒なことはしたくない、という気持ちがあるのも現実です。
「総論OK、各論反対!」と言われますが、頭では理解できていても、気持ち的には受け入れたくないということはたくさんあります。
仕事というのは楽をすればいくらでも楽できます。
理性と本能との戦いのようなものです。
リーダーが理性に負けて楽をすることを部下に教えれば、その組織はきちんと機能しなくなります。
「組織はトップで決まる!」と言われますが、トップだけでなくその下に続くNo.2やNO.3の存在次第でその組織が良くも悪くもなってきます。
よく「2:6:2」の法則と言われますが、全員を同じ方向に向かせることは無理ですが、上の2割が正しい方向性を持っていれば、真ん中の6割は正しい方向に導けます。
経営者として意識していることは、トップの2割のリーダーの意識を上げていくことであって、トップの2割が成長すればそれに伴って組織全体の意識も上がってくると感じます。
それぞれの組織にはそれぞれの社風や文化があります。
組織が社風にあった人だけで構成できるのが理想ですが、その社風にそぐわない人や反発したりする人が、居心地が悪くなって去っていくような環境が理想かと思います。
「仕事の喜びは、何をするかよりも誰とするか」になると思うので、同じ思いを持った似通った人で構成できれば仕事は楽しくなってくるように感じます。