APSを始めて間もないシューターさんからの相談
「社外グリップを手に入れたので加工したいところがあるのですが、不安なので見てもらえませんか」
以前、ウチのAPS練習会に参加されたことのあるシューターさんから連絡がありました。さっそく拝見すると、そのグリップはすでに何か所もパテが盛られ、持ち主の手に合わせるための加工が始まっていました。
そこで、なぜ社外グリップを選んだのか聞いてみました。理由はシンプルでした。「何人かの先輩から、標準グリップは手に合っていない」と言われたそうです。本人が以前から社外グリップを欲しいと思っていたわけではなく、きっかけは先輩たちのアドバイスでした。
そこで、なぜ社外グリップを選んだのか聞いてみました。理由はシンプルでした。「何人かの先輩から、標準グリップは手に合っていない」と言われたそうです。本人が以前から社外グリップを欲しいと思っていたわけではなく、きっかけは先輩たちのアドバイスでした。
では、相談者が使っていたAPS-3の標準グリップとの相性はどうだったのでしょう。実際に間近で握りを確かめ、射撃の様子もみてみると完璧に標準グリップが合っているとはいえません。しかし、これでは撃てないと感じるほどでもありませんでした。標準グリップでもトリガーへ人差し指が届きますし、中指から下の三本指の向きも、掌の向きもそう悪くありません。掌と標準グリップの後方にすき間があるようですが、少なくとも今の段階で社外グリップに交換しなければならない理由は見当たりません。
トビー澤田だったら、もうしばらく標準グリップを使い続けることを勧めます。握り方を少し工夫したり、母指球の当て方を変えてみたりしてグリップ後方への密着感を変え、撃ちかたが固まってきたらそれでも足りないところだけを加工する。その順番でも十分間に合うと思うからです。
かくいう自分も9年前にAPS-3ORを初めて手に入れて数か月後すぐにグリップ加工をしたくちでした。APSを始めたばかりの頃は、感覚が育っていなくて「何が良くて、何が悪い」のかわかりませんでした。昨日しっくりきた握りが、翌日にはなんかおかしいと感じることもあります。そんな時期にグリップを完成形へ近づけようとすると、良し悪しの判断基準が曖昧で、泥沼に足を突っ込むかたちになります。そもそも完成形がどんなものかもわかっていませんでした。
もちろん、標準グリップではどうしてもサイズが合わない人もいるでしょう。交換したほうが早く解決するケースは確かにあります。でもそれは、本当に必要な人の話です。少し違和感がある程度なら、案外、射撃技術の上達のほうでカバーできます。
アドバイスの落とし穴
もちろん、標準グリップではどうしてもサイズが合わない人もいるでしょう。交換したほうが早く解決するケースは確かにあります。でもそれは、本当に必要な人の話です。少し違和感がある程度なら、案外、射撃技術の上達のほうでカバーできます。
アドバイスの落とし穴
APSには経験豊富な人がたくさんいます。困っていれば声をかけてくれますし、惜しみなく知識を教えてくれます。それは良いところでもあります。一方で、そのアドバイスは「その人が、その人の経験をもとに見つけた答え」でもあります。だから、同じ答えが誰にでも当てはまるとは限りません。
もちろん、アドバイスをした先輩方に悪気があったわけではないでしょう。きっと、自分が経験してきたことを役立ててほしいという思いからだったのだと思います。
とはいえ、初心者は経験が少ないぶん、「言われた通りにやる」のが一番の近道だと思いがちです。ただ近道だと思って進んだ道が、あとから振り返ると遠回りだった、ということも少なくありません。新しい道具を買うことも、加工することも、決して悪いことではありません。その際、ひとつだけ自分へ問いかけてみてください。これは今、本当に必要なのか、それとももう少し先でも間に合うことなのか、と。
とはいえ、初心者は経験が少ないぶん、「言われた通りにやる」のが一番の近道だと思いがちです。ただ近道だと思って進んだ道が、あとから振り返ると遠回りだった、ということも少なくありません。新しい道具を買うことも、加工することも、決して悪いことではありません。その際、ひとつだけ自分へ問いかけてみてください。これは今、本当に必要なのか、それとももう少し先でも間に合うことなのか、と。
競技を続けていると不思議なくらい「もう少し先でもよかった」と思う場面は相当にあります。
↑2020年当時、トビー澤田のグリップを握っている画像が残っていました。
サンド色はフロンティア製をベースに自分なりに加工・塗装したもので、ブラックは標準グリップ。フロンティア製のほうは今でもメインに使っていますがここからまた大きく形を変えました。今思えば小刻みな揺れに悩まされピーキーな仕上がりでした。それでもかなり試行錯誤して、加工に答えが見つからず途方に暮れたこともあります

