「公式競技に出ようか。でもまだ早いかな……」
 
 APSを始めた人なら、一度はそう思ったことがあるのではないでしょうか。もちろん、納得できるくらい練習してから出場するのも一つの考え方です。
 でも、トビー澤田は「出たいと思った時が、一番いいタイミング」だと思っています。公式競技は、自分の現在地を知る場所です。普段の練習では良い点数が出ても、公式競技では緊張します。周りの空気、 ジャッジとの相性、独特の静けさなど普段とはまったく違う環境です。
 だからこそ、公式競技は「実力を試す場所」というより、「今の自分を知る場所」と考えるくらいがちょうどいいのです。なぜなら、準備万端を待つほどに期待も大きくなります。気を付けたいことは、「◯◯点を超えてから出よう」 「ブルズアイで◯◯点を安定させてから」 「もう少しミスが減ってから」などと考えることです。そうやって準備を重ねるほど、自分の中で公式競技への期待も大きくなります。そしていざ本番、思ったような点数が出ないことが起こりえます。「あれだけ練習したのに」 「こんなはずじゃなかった」その落差は、想像以上に大きいものです。なかには、そのショックで競技から離れてしまう人もいます。これはとてももったいないことです。
 一方、早いうちの失敗は意外と気になりません。始めたばかりで公式競技に出たとします。「今日は経験を積みに来た」 「雰囲気を知れれば十分」そんな気持ちで参加できるので、点数が悪くても意外と引きずりません。「ああ、本番ってこんな感じなんだ」それだけでも十分な収穫になります。緊張することも、時間配分も、レンジの雰囲気も、一度経験すると次からは特別なものではなくなります。精神的なハードルは、早いうちに越えてしまったほうがずっと楽です。

経験は、練習では手に入らない

 また、公式競技でしか得られないものがあります。
・緊張との付き合い方
・待ち時間の過ごし方
・失敗した後の気持ちの切り替え
 これらは、どれだけ自宅や練習会で撃っても完全には身につきません。だからこそ、経験は早いほど大きな財産になります。出場することがゴールではありません。もちろん「無理に出ましょう」と言いたいわけではありません。APSは趣味です。自分のペースで楽しむことが一番大切。
 ただ、「まだ早いから」という理由だけで迷っているなら、その心配は案外いりません。最初の公式競技は、高得点を狙う日ではなく、未来の自分のための一歩を踏み出す日です。その一歩が早いほど、その後のAPSはきっと気持ちが楽になります。
 だから、公式競技に興味を持ったら完璧な準備を待つよりも、まず一度経験してみることをおすすめしています。
 ちなみにトビー澤田の場合、2017年7月7日にフロンティアさんでAPS-3ORを買いました。すでにその時期は2017年本大会の締め切りは過ぎていて、実際のデビュー戦はその年の9月、富士見スポーツシューターズさんの富士見公式でした。9年前ですか、懐かしい(^^)
 
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