


先日から休日前に何かしたくてモヤモヤしていたのである。約二日間に渡る自問自答の末、何処でもよいから旅に出たいと言う欲求がある事に気が付いた。観光したい明確な対象があるわけではない。兎に角旅に出たいのである。松尾芭蕉やファイナルファンタジーの勇者様でもあるまいに旅の目的を自らに問う。何かを探すわけでなし、この地より追われる身になったわけでもなし。
かなり昔の事である。NHK番組で南極大陸の話をしていた。はっきり憶えているのは何故かは解らないが南極大陸の結構海岸線から離れた奥地でアザラシのミイラが見つかった。ミイラの状態から見ても南極大陸がまだ他の大陸と一体であった頃の何万年前の物とは思えない。もっと年代が新しいのである。確たる事は言えないらしいが、動物は個体数を増やす為に新しい生存圏の開拓を本能的に行うらしい。言われてみればこの環太平洋エリアに生息している人間は太古より海流に乗ってあちこちに生存圏を拡大してきたと言う既成事実がある。当時の人間が水平線の彼方に自分達が生存できる環境があるかどうかなど確かめる術は無かった筈である。一体何に導かれて海に漕ぎ出していったのであろうか。それこそ本能的な生存圏拡大の欲求であったと推測できる。一口に言えば、タンポポが風を利用して種を飛ばしているのと何ら差は無いと言えよう。
詰まるところ、私の旅に出たいと言う欲求はタンポポの種になってどこぞに飛んで行きたいと言う事と同義である。目出度く本来の目的が自覚できたので、まだ一度も訪れた事が無かった大宰府天満宮に目的地を決定した。何故ならここには種どころか成長した木の状態で京都から飛んできた”飛梅”があるからである。この飛梅は主である菅原道真公を追って一夜のうちに数百キロを飛んできたと言う事になっている。まるで生存圏の拡大のお手本のような話ではないか。
走行時間8.5時間。走行距離300キロ。昼飯抜きで走り続ける・・・。
レーベンスラウムの拡大の欲求はこれで満たされた。