SSPG (Surf Stream Power Generation ) の最大の特徴は、広い海から海洋エネルギーを一か所に集めてきて、強力なパワーを得ることです。
SSPGは、再生可能エネルギーは効率が悪いと言われる概念を払拭します。
SSPGでは、海洋エネルギーを一か所に集めてくる役割をウェーブ・スクランダーというハイテクの集波板が担います。
その際に重要になってくるのが、沖合から海岸に向かってくるうねり (swell) の波長λとそのうねりが通過してくる海底の深さhとの関係です。
【1】.うねりの誕生と成長
海上では、風によって波 (wind wave)が誕生します。この波は風によって移動するうちに他の波と合体して、徐々に成長してうねりとなります。
一般的にうねりは、波と比較するとその高さ (H)よりも波長 (λ)の方が大きい扁平率の大きな形状になります。
そして、気象条件によっては、うねりは波長が数百mにもなります。
また、うねり (swell)は波長 (λ)が大きくなるほど、エネルギーの減衰率が小さく、より遠くの地点まで伝わる特性を持ちます。
【2】波長 (λ)の海の深さによる分類
海洋を進むうねり (swell)は、深度(h)によって異なる挙動を示します。
それは、λとhの関係に注目して3つの”波”に分類されます。
(注;日本語では波という単語に非常に多くの意味があります。
使い分けに注意してください。)
・深海波(Deep water waves):h>λ/2 の場合
波の速度や挙動は主に波長に依存し、水深の影響はほとんど受けない。海底の地形が深くても、波のエネルギーが海底にまで到達しにくいため、地形の影響は小さい。
・中間波(Intermediate water waves):λ/20<h<λ/2 の場合
波の速度や挙動は波長と水深の両方に影響を受けます。
・浅海波(Shallow water waves):h<λ/20 の場合
波の速度や挙動は主に水深に依存し、波長の影響はほとんど受けない。海底の地形が浅くなると、波のエネルギーが海底に引きずられるように影響を受け、速度が低下し、波高が増大する。(浅水変形)。
一方、うねり (swell)や波 (wind wave)の波高(H)によっても、水深(h)による影響の度合いが異なって来ます。
波高(H)が水深(h)の約1/2くらいの浅いところまで来たところで海底の影響が出始めると言われています。
しかし、殆どの場合は波長(λ)に依存した影響の方が先に現れます。
【3】ウェーブ・スクランダーの役割
ウェーブ・スクランダーは設置する海岸において、その海岸に押し寄せるうねり (swell)の最大波長(λ)を推定した上で、そのうねりが、海底の影響をほとんど受けない深さまで展開します。
即ち、海中に抵抗の小さな人工の床と壁を設けて、その中をエネルギーの損耗を抑えながら、うねりを海岸に設置されたウェーブ・コレクターへと誘導します。
【4】SSPGに適した海岸地形
普段から強いうねりが押し寄せる、大洋に面した海岸が適しています。
それは、陸地から観たサーフィン波の大きさだけではありません。
海岸線から比較的短い距離の沖合で、急峻に深度が増加する地形であれば、その急激に深さが増す場所までウェーブ・スクランダーを展開することで、浅瀬でのエネルギーの減少を抑えながら、それをウェーブ・コレクターへ誘導することが可能になります。
そのメカニズムは、このブログで、たびたび登場する”古代の人が書いた壁画”のようなものに描かれています。
【5】.強力なエネルギーが到達する海岸
SSPGで特に強力なエネルギーの回収を期待できる海岸の例として、宮崎とハワイの海岸を挙げておきます。
宮崎県の海岸
太平洋に面しており、特に南海上からのうねりや台風による波の影響を受けやすい特徴があります。
うねりの波長 (λ) の分布
・平常時(穏やかなうねり):
λ = 50m 〜 150m 程度 が一般的です。
・発達したうねり(遠くの低気圧や台風からのうねり):
λ = 150m 〜 300m 程度 になることがあります。このような長い波長のうねりは、見た目の波高がそれほど高くなくても、深い場所から大きなエネルギーを運んできます。
・非常に発達したうねり(大型台風など):
λ = 300m 〜 500m 以上 に達する非常に長い波長のうねりも発生し得ます。これは深海でも速度が速く、沿岸に近づくと大きく立ち上がります。
・平常時(穏やかなうねり):
λ = 50m 〜 150m 程度 が一般的です。
・発達したうねり(遠くの低気圧や台風からのうねり):
λ = 150m 〜 300m 程度 になることがあります。このような長い波長のうねりは、見た目の波高がそれほど高くなくても、深い場所から大きなエネルギーを運んできます。
・非常に発達したうねり(大型台風など):
λ = 300m 〜 500m 以上 に達する非常に長い波長のうねりも発生し得ます。これは深海でも速度が速く、沿岸に近づくと大きく立ち上がります。
宮崎県の海岸の一部のように、海底が**「比較的近い距離で急峻に深くなっている」地形は、長い波長を持つうねりが、海底の影響を受け始める深い水深域が、岸から遠く離れていないことを意味します。これにより、SSPGのウェーブ・スクランダーを、波が深海波としてほとんど減衰せずに伝播してきた状態から、まさに海底の影響を受け始め、エネルギーが変形・集中し始める「境目」**に展開することが、工学的に現実的な範囲で可能になるかもしれません。
また、一ッ葉海岸には、地形や気象条件の他にSSPGを研究開発するうえで望ましい多くのインフラが既に整っています。
ハワイの海岸
ハワイ諸島は、深海から海面に上部を出した火山の地形をしています。
冬季には、遥かアリューシャン諸島付近で発達した強力な低気圧によって生み出された巨大なうねりが、数千キロの行程を経てハワイに到達します。
そして、急峻な海底に衝突したうねりはエネルギーを消耗します。
しかし、一部の特殊な海底の地形に到達したうねりのエネルギーは、海水を突き上げるように働き、ビッグウェーブを生み出します。
それは、あたかも水中から頭を出した富士山のような火山島を想定したときに、到達した巨大なうねりの一部が”大沢崩れ”のような形状の谷に沿って突き上げる波のごとくかも知れません
このように、海岸から少し沖に出れば、巨大なエネルギーが押し寄せている場所は世界各地に存在すると思われます。
SSPGのゴールは、この強大なエネルギーを効率よく回収し、電気を起こし、海水を電気分解してグリーン水素を生産する構想です。
半没型のウェーブ・スクランダーと水平流を生み出すウエーブ・コレクターの組み合わせは、平常時の海から荒天時の海まで幅広いコンディションで稼働可能です。
そこには、再生可能エネルギーの利用は効率が悪いとか、ひ弱だというイメージはありません。




