フルメタルジャケット 海とサーファーが教えてくれた その20 | フルメタルジャケット

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こんな時代だけれど、日本のモノづくりを再起動したい。

[4].湘南を西へ
 その後も、休日を使って旅を続けて行きました。
 2010年は12月19日にJR東海道線の茅ヶ崎駅に到着してその年の旅の終了となりました。この間では、江ノ島から茅ヶ崎まで国道134号線の砂よけの向こう、つまり海岸に伸びる長い遊歩道を歩くのがとても気持ちが良かったのを覚えています。
 普段は逗子の海岸よりもこの辺りの方が大きな波がやって来ます。だから逗子の海岸ではウインドサーフィンが主流ですが、こちらはサーフィンが主流です。それでも、ベタ凪と言えるような天候の良い日ばかりだったので、のどかで気楽なてくてく旅を付けることができました。
 
 明けて2011年の1月は正月や出張などがあり2回しかてくてく旅をできませんでした。この2回で茅ヶ崎駅から小田原駅まで到着しました。
 1回目は1月2日。ちょうど、大学対抗箱根駅伝の往路が行われた日ですが、箱根駅伝が通過して、観客がだいぶん帰路についた後の11時過ぎに茅ヶ崎駅を出発しました。空は快晴で空気が澄んでいて気持ちの良い一日でした。
 茅ヶ崎の海岸に出てみると、西の方に富士山がくっきりと見えたのを思えています。そして多くの人達が海岸にやって来て、陽の光を浴びながら日光浴をしていました。お正月休みに海を見ながらのんびりと時間を過ごす。とても気持ちの良い正月の過ごし方もあるものだと思いました。
 そして、平塚のビーチテラスで、途中で買って来た肉巻きおにぎりを食べました。冬のさなか、リュックに2時間も入れていたのでとっくに冷たくなっていましたが、それでも何よりのご馳走でした。
 湘南海岸は車に乗って国道134号線、そして湘南バイパスと通過してしまうことが殆どですが、こうして逗子、鎌倉から海岸沿いをゆっくり歩くというのはクルマで走り抜けるよりも何倍も楽しいものです。そして、単調な砂浜が続く湘南海岸にもいろんな表情があり、いろんなお立ち寄りスポットがあるのをこの時改めて知りました。
 
 1月16日、この日は大磯駅から歩き始めました。この冬一番の寒さで風がとても冷たい日でした。iPodの中のお供の音楽は坂本冬美のカバーアルバム LoveSongsII、冬の曲がいくつか入っていてこのシーズンにぴったりです。余談になりますが、中島みゆきのカバーは良く歌われていますが、このアルバムの中の「ひとり上手」と中森明菜の「悪女」はぞくぞくするほど良いと思います。
 歩き始めて3時間くらいで酒匂川に到着しました。酒匂川は県が管理する二級河川ですが、なかなか大きな川です。橋に出ると川の上流方向から吹きさらしの強い風ががんがん当たってきます。皮のジャンバーを着ていましたが、顔から体温が奪われて行く感じです。
 でも、この寒さを何とか写真に撮ってみたくなりました。吹雪や雪の景色だとすぐに寒さは伝わりますが、晴れて雪もない場所ではなかなか難しいです。雲の形で見せるしかなないと思いました。
 国道1号線に架かる橋のほぼ中央に立って、丹沢の山々を背景に流れてくる川の上流の景色の写真を撮り続けました。そのうち、身体が冷え切って、耳の辺りがずきずきして来ました。急いで橋を渡ろうと思ったら、200メートルくらい有りそうです。じゃあ、引き返そうかと後ろを見ても同じくらい有りそうに見えます。とにかく寒い。かといって、真昼の国道1号線で遭難するのもおかしいので先を急ぎました。ちょうど、イヤフォンからはこの日何回目かの「さらばシベリア鉄道」の唄が聞こえてきました。この時のこの景色にこの体感、そしてこの曲、シチュエーションにはまりすぎています。
“伝えておくれ~1月の旅人よ~♪。”

 不思議なことに橋を渡りきり、小田原の街中に入って行くと風はぴったりと収まりました。これまでの歩きと違って、この日のウォーキングは精神修行の歩きになりました。辛くても前に行くんだと。
 そして小田原からの帰りの電車は、がんばった自分へのご褒美ということで、グリーン車に乗って、お弁当を食べながら、暖か楽ちんで帰りました。
 何処にでもあるような焼き肉弁当でしたが、格別の味がしました。
 そして、ひとまず小田原まで進もうと始めたてくてく旅のゴールを伊豆の下田に設定し直したのもこの日です。寒い中を歩いたことで、また少し自分に自信を付けていました。



$フルメタルジャケット-酒匂川



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