iPod nanoを分解してみました。 | フルメタルジャケット

フルメタルジャケット

こんな時代だけれど、日本のモノづくりを再起動したい。

 当社では昨年より、英国ヴィジョン・エンジニアリング社製の実体顕微鏡/拡大鏡の販売とサポートを行っています。今年になって、当社にMantisという、もっともお手軽な顕微鏡がデモ機としてやって来ました。
 射出鏡拡大テクノロジーとダイナスコープという技術で、目に優しく疲れが少ない、深い焦点深度、立体画像という同顕微鏡の良さをアピールするために、何か分解して覗いてみようということになりました。 


$フルメタルジャケット-00.Mantis



 そこで、持ってきたのが2009年の10月頃に購入した5代目iPod nanoです。 

$フルメタルジャケット-01.iPod


【思い出がいっぱい詰まったiPod】
 このiPodは一昨年、2010年の10月に今の6代目iPod nanoを購入してから間もなく、動かなくなってしまいました。
 昔から、”新しい物を買うと、それまでの物が急に動かなくなる。”とよく言われますが、正にその通りの展開でした。

 このiPodは私にとっては、とても思い出深い品です。
 2005年から2年連続+1で心筋梗塞で倒れ、それでも生きているのが奇跡でしたが、一時期は自分も周囲の人も諦めかけていた頃もありました。病院の廊下を少し歩くだけで息切れがして、どうしようもなかった時期もありました。退院しても、あとどれくらい生きていられるだろうかと。

 それが、NHKのBSで「街道てくてく旅」を観て、自分もいつか元気になって歩きたいと猛烈に願うようになり、闘病生活からリハビリを経て社会復帰しました。
 その後も毎日、トレーニングを続け、交差点一つ分ずつ歩ける距離を伸ばし、やがて自分の会社を作りました。そして健康に自信を取り戻した頃に、ここまでがんばった自分へのご褒美として買った品です。会社と自分の名前が刻印された世界に一つのiPodです。

 このiPodが来てからは、Nike+Activeのサイトに毎日歩いた距離を登録するのが楽しみで、それまで以上に歩くようになりました。そして去年、2011年11月11日に2年と1ヶ月で1,000万歩を記録しました。

 「 1000万歩達成しました。 」

 すごいでしょう。健常な人でもこれくらい歩く人は少ないです。ましてや、半分動かなくなった心臓を引き下げてこれだけ歩く人間は、神奈川県立循環器呼吸器病センターの循環器科部長をして「これまでに例が無い」そうです。
 現在も、てくてく旅では、かつてのサンフラワー(フェリー)のコマーシャルソングのように、太陽に守られながら、元気を充電しながら歩いています。

 twitterで自分の過去のつぶやきを見ると、この5代目iPod nanoでは1,000万歩のうちの400万歩を記録しています。ちょうど、遠くに歩いて旅を始める前に、救急医療体制のしっかりした橫浜市内で、距離を伸ばすトレーニングを続けていた頃の伴侶です。

 そんな大切なiPodをビジネスのためのもう一度役立てるのだから、分解しても天国のスティーブもきっと許してくれるはず。


【作業開始】
 と、言うことで、Mantisを活用しながらの分解作業にかかりました。
 担当するのは、私じゃなくて当社のU課長。
 彼は、何年か前まで最大手メーカーで1台が数十億円もする装置を分解・・・もとい、修理・調整していたマネージャ、まだまだ腕は確かです。
 不器用で短気な面もある私が、この難しい作業に挑むと、途中でハンマーを持ち出してぶっ壊してしまうのが目に見えています。

 先ずは慎重に分解の手順を検討しています。


$フルメタルジャケット-02.作業開始


 上部と底の蓋は比較的簡単に外せたようです。

$フルメタルジャケット-03.底を外す


 iドック(コネクタ)の中にホコリがいっぱい貯まっていると言っています。
 大きなお世話です。
 掃除をすると綺麗になりました。


 Mantisは焦点深度が非常に深いので、iドックの中の様子もよく見えます。

$フルメタルジャケット-04.iドック


 U課長は上下の蓋を外してから、その先をどうしたらよいのか思案中です。
 インターネットを使って、他の例が無いか調査を始めました。
 私はアイスクリームを食べながら口先介入を続けます。


$フルメタルジャケット-05.アイスクリーム


 戻って来たU課長は丸いスイッチを本体から外しました。
 中がよく見えます。 


$フルメタルジャケット-06.ホイールの中
  (注)部品の型番が判る記号は消してあります。
 
 そして、ついに5代目iPod nanoの分解に成功しました。

$フルメタルジャケット-07.分解完了


 それでは、Mantisで詳細をいくつか観察してみましょう。

 基板上には、細かな部品がぎっしりと。
 いい仕事していますね~。


$フルメタルジャケット-08.細かな部品


 こちらは、円盤スイッチの裏側です。 

$フルメタルジャケット-09.ホイールスイッチ


 そして、カメラとマイク

$フルメタルジャケット-10.カメラとマイク


 他にもいろいろ観察しましたが、ライバルメーカーに役立つような写真や解説は載せられません。 にひひ


 それでは、大切なiPodですので、元に戻してもらいましょう。

 ”えーっ!!” って、何!?

 基板を本体に挿入して・・・・


$フルメタルジャケット-11.最挿入


 ねじ止めをしっかりして

$フルメタルジャケット-12.ねじ止め確認


 見事、元通りになって帰って来ました。
 ケースの底の部分に、ちょっと奮闘の跡が残っていますが、彼も良い仕事をしました。


$フルメタルジャケット-13.元通り


 U課長曰く、
 「社長、次は今使っているiPodを分解しましょうか?」

 止めてくれ~!!叫び

 
 【PR】
 当社では、Mantisに興味を持たれるお客様に、出張デモも致します。
 このソフトケースにMantisを入れて伺っております。 


$フルメタルジャケット-14.ソフトケース


 当社は横浜を中心としてあまり遠くは行けませんが、遠方の場合は日本ヴィジョン・エンジニアリング株式会社と連携しながら対応いたします。
 
 御連絡お待ちしています。

 最後に、一言。

 
$フルメタルジャケット-15.スティーブ

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