いつもはてくてく旅や橫浜の散歩のことを書いているこのブログですが、今日は、当社が今年の秋に取り扱い販売を開始した英国Vision Engineering社製の実体顕微鏡、拡大鏡の御紹介です。
私はこれまで、数々の検査装置、観察装置を見て、取り扱ってきました。長らく半導体業界の最先端分野に身をおいていた事で、時には1台数十億円もする装置の開発などにも係わってきました。お付き合いが有る方ならば御存知ですが、私は技術的には大変ストイックで、厳しい面があって、つまらないものに出会うとすごく素直に反応する人間です。
その私が、ここ数年間で、久しぶりに興奮を感じた装置は20万円くらいから購入できる風変わりな顕微鏡でした。
写真をご覧になってすぐに判ることは、普通の顕微鏡についている観察対象物を覗くための2つのレンズ、アイピースと呼ばれるものがありません。
代わりに像を観察するためのスコープが付いています。
Vision社は1958年に英国に設立された会社で、実体顕微鏡・拡大鏡に3D画像を取得するための技術「射出瞳拡大テクノロジー」と、それを見せるための「ダイナスコープ」を武器に、お客様のニーズに合わせて様々な形、性能の製品を開発してきました。
当初、私はカタログでこれらの製品を紹介されたときには、”ギミック”な顕微鏡だと思いました。
しかし、物事の流行り廃りが激しい今日にあって、しかもイギリスで長年作り続けられているのは、何か光るものがあるに違いないと感じました。
そこで、昔からの知人が代表をつとめる、日本ビジョン・エンジニアリング株式会社のショールームに行って来ました。
ダイナスコープを装着した実体顕微鏡・拡大鏡には倍率で4倍から500倍、機能面では単に観察するためのものから、モニターに映し出したり、ソフトを使って自動計測ができるものまで、様々なタイプがあります。
余談になりますが、このスコープがついた顕微鏡をテレビでご覧になったことはありませんか?某社のヘアケア製品のCMに脇役でちょこっと出てきています。
これから、このブログでも順を追って紹介してゆく予定ですが、今日は一番手軽なダイナスコープであるMantisについて御紹介します。
Mantisは対物レンズが4倍からの20倍の低倍率のダイナスコープで、価格もお手頃です。
この製品の特徴は、観察対象をテーブルの上に置いたり、手に持って観察することができることです。それだけ、焦点深度が深いということですね。
私も、小さなICや抵抗などがついたプリント基板を手に持って観察してみました。
このスコープ、中に液晶ディスプレイかそれに類するような表示装置が組み込まれていると思われますか?
答えは、Noです。それだったら、顕微鏡にカメラを取り付けて画像を液晶ディスプレイに表示すれば良いことです。実際は、スコープ上に左眼で見る画像と、右眼で見る画像がそれぞれ表示され、顔を近づけて覗くとスコープいっぱいに3次元画像が見えます。不思議な感じがしますが、これが「射出瞳拡大テクノロジー」と呼ばれるものの真骨頂です。
ブログ用に顕微鏡を撮影している側のカメラが1つ眼なので、なかなか上手い画像が採れませんが、iPhoneのカメラをダイナスコープのガラスにくっつけ、片方の画像を動画で撮影しながら、カメラを動かすと、3Dの実感が伝わる動画が撮れました。
3Dテレビは日本がリードする分野だと言われていますが、1950年代からこのような技術が育てられてきたとは、イギリス、侮り難しです。そういえば、航空機エンジンで有名なロールスロイス社もイギリスの会社です。
何処の国であれ、しっかりした技術を持った会社は長く成長し、生き残って行けるものだと思いました。
ここで、いつも私のブログをご覧になっていただいている方向けに、少し楽しい実験をしてみました。この写真は記憶にある方も多いと思います。レインボーブリッジのプロムナードから撮影した大井埠頭の雄大な眺めです。
このブログの写真をAndroid携帯、IS05に表示させ、Mantisで観察してみました。
先ずは、机の上に写真を表示させた携帯を置き、Mantisのヘッドを近づけます。
焦点があって画像が見えたところで、ダイナスコープにデジカメを近づけて、撮影してみました。
もとの写真が2Dなので、3Dには見えません。しかし、携帯の画面を顕微鏡で覗いてそれをカメラで撮影するという、通常ならとても手間のかかることが、楽しくできてしまいました。撮影するまでにかかった時間は、ほんの1,2分です。
ちなみに、動画を撮影してみると、こんな感じです。ときどき、携帯ディスプレイの解像度の限界が見えてきます。
これは4倍の対物レンズを使いましたが、8倍だと携帯ディスプレイのメッシュがさらにはっきりと判ってきます。これも楽しみながら撮影しましたが、仕事の現場で十分に使えるツールであることは、その道のプロフェッショナルにはおわかりいただけたと思います。
このダイナスコープシリーズの中でも最も低倍率を担うMantisという製品、こんな用途にお勧めします。
1.製品の検査に目視検査という工程があり、目視では判別しにくい場合に顕微鏡や拡大鏡を補助的にお使いの職場。
オペレータの作業効率の向上、疲労と負担の低減、見落としの撲滅に貢献します。
2.製品の品質や加工技術、施術の巧妙さを積極的にアピールしたい対面販売現場。
ライバルより、はっきり、くっきり見せることは自信の表れ、差別化につながります。
3.仕事や趣味で精密工作をされていて、細かいものを見るのが辛く感じている方。
ダイナスコープ型の拡大鏡・実体顕微鏡、Mantisの特徴としてはつぎのようなものがあります。
①Mantisにはシンプルなコンパクトと高倍率レンズやUSB2.0カメラ搭載モデルを選べるエリートの2種類が有ります。
②対物レンズは、コンパクトがx2、x4、x6、x8から2種類、エリートはx2、x4、x6、x8、x10、x15、x20から2種類を選択して同時に装着する事が可能です。観察時のレンズの切り替えが可能です。
③照明にはLEDを使用していて、長時間取り替え不要。エコロジーでエコノミーな装置です。
④スタンドとアームを複数のタイプから選択できて、お客様の使用環境に合ったシステム構成が可能です。
詳細は弊社のホームページをご覧になり、
お問い合わせ下さい。
従来の顕微鏡より手軽で、虫眼鏡よりもはっきり見えるMantisは幅広い用途で使っていただける製品です。
日本での新しい物作りを提唱している当社に取って、イギリスの老舗メーカーのこの製品と姿勢には感じるところがあって、自ら積極的に販売させていただくツールにしました。









