ペットの事故と飼い主の健康 | 夢で会えたら

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愛犬たちの想い出とルカの記録


ペットが原因でさまざまな事故やトラブルが起こることがある。



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【ドッグランにて、ショートトラックのコーナリングを決めるルカ (本文とは関係ありません。)】


自分の愛犬がよその人や犬を咬んだり、他所の家の植木鉢を壊したり、

あるいは、来客に飛びついて服を汚したり、お客さんの脱いだ靴をかじってしまったり、

思わぬ損害をあたえてしまうことがある。


ほとんどの事故は飼い主の注意で未然に防げることが多い。

したがって、その事故の原因として飼い主の注意義務違反が問われ、飼い主が

全額もしくは一部を損害賠償することになる。


事故の被害者が幼児や病弱な高齢者だったり、当事者との初期対応に不手際があると

小さい事故が大きな損害賠償やトラブルに進行することがある。


以下の例は大きく報道されたので覚えておられる方もおられるだろう。

散歩中の犬が突然吠え、その声に驚いた高齢女性が転倒して下肢を骨折し、

横浜地裁はその犬の飼い主に440万円の支払いを命じた。


また、犬から逃げようとした人が道路に飛び出し、車にひかれ、飼い主に約820万の賠償を

命じた大阪地裁の例もある。




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【6か月の元気なワンちゃんを追いかけるルカ】



事故というものは、予想外や突発、たまたま偶然が重なって起こることが多いので、

ふだん十分に安全な飼育を心がけている愛犬家にとっても他人事ではない。


現実にワンコと街を散歩してみると、危険の元や災難にあう機会は至るところにある。

あらゆる危険性を事前に予見したり、完全に防御することは容易ではない。



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【近所を散歩中のルカ】


不幸にして事故が発生した場合、飼い主に落ち度があれば、道義的責任とともに

経済的損失の賠償責任を背負うことになる。

弁償して金銭だけ払えば済むという訳ではないが、事故の早期解決には

保険は大きな味方になり役立ってくれる。


最近ではペットの事故までカバーしてくれる「個人賠償責任保険」や「ペット賠償責任特約」

ができている。できれば、入っておきたい保険であると思う。

しかし、これらの損害賠償保険はあくまで他人やよその犬の損害に対して支払われるものであって、

飼い主のケガや損害については免責であり、何ら補償はない。


ペットが原因で起こる飼い主、あるいは飼い主の家族の事故やケガも多い。

その責任の所在が飼い主にあるので、よほど重大な事故しか報道されないが、

ペットを飼ったことのある人なら誰しもが経験するだろう。



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【いつものビーちゃん(右)と】


飼い主が通院治療や入院手術の必要なケガを受傷することも、まれではない。

私の周囲で見聞きした事故やケガだけでも相当な数がある。

プライバシー保護のため若干の修正を加えるが、ご本人から提供、同意を頂いた

画像を示して、いくつか実例を紹介してみよう。



事例1. 40歳代男性。散歩中の犬が急に引っぱり、あぜ道の傾斜面で足首を捻挫した。

     →足関節前距腓靭帯損傷でギプス固定とリハビリ。全治6週間


事例2.  50歳代女性。 夜に自宅ガレージで犬が激しく鳴き、侵入していた他所の猫を

     追い払おうとして、竹ぼうきを持って走り段差につまづき膝を打った。

     →膝蓋骨骨折で入院手術、全治3ヶ月。1年後に金具を抜くため再手術。



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【事例2.のレントゲン写真。左は受傷時、右は手術後】



事例3. 30歳代女性。散歩中、犬がよその犬と喧嘩になりかかり、リードが足にからんで

      転倒した。

     →膝内側側副靭帯損傷でギプス、装具療法。全治約8週間



事例4. 40歳代女性。抱いた犬が暴れ、階段で尻もちをついた。

     →第12胸椎圧迫骨折でコルセット固定。全治9か月  



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【事例4.のレントゲン写真】


 

事例5. 70歳代女性。 逃げた犬を追いかけて自分の布団でつまづいて転倒した。

     →股関節骨折(大腿骨頚部骨折)で入院手術。全治3ヶ月


事例6. 50歳代女性。 浴槽を洗っていて後ろから犬に飛びつかれて、足がすべり、

      浴槽の角で側胸部を打った。

     →第7、8肋骨骨折でバストバンド固定。全治6週間



事例7. 50歳代男性。 犬を捕まえようとして飛びついたところ、自分の腕が顎の下に

      入り、首を後方へひねった。

      →頚椎椎間板ヘルニア、中心性脊髄損傷で四肢不全麻痺。治療中




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【事例7.のMR画像 】


わがペットが関わった事故とはいえ、これらの事例ような深刻なケガをすると、

飼い主のダメージは大きい。場合によってはペットの飼育が困難になる。


逆にペットが飼い主の健康のバロメーターとなって、重大な病気を

早期に発見できた例もある。

ワンコのお散歩で疲れやすい、息切れや胸部痛を感じて、近医を受診し

貧血や狭心症を早期に治療できた飼い主もいる。


放置しておくと飼い主の突然死につながる疾患をペットが未然に教えてくれたことになる。




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【東本願寺と京都タワー】



ペットを飼うことには、飼い主に責任が伴う。

まずは、ペットを幸せにする責任と、社会に迷惑をかけない責任がある。

そして、さらに大切な責任は、飼い主自身が健康でいる責任である。


わずかな不注意や一瞬の油断で、飼い主自身が大きな病気やケガをして、

働けなくなったり入院になると、自分自身だけではなく家族や周囲の皆が

辛い状況になる。そのつけは時に、飼育困難などの形になって最も立場の弱い

ペットに回ってくる。


飼い主の健康があってこそ愛犬の幸せもある。



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【近くのお寺の前で】



健康管理、事故予防はワンコだけではなく、飼い主も大切だね。


拾い食いと飛び付きは止めようね、ルカ。 


ひやっとする度にパパの血圧と髪の毛によくないからね。