届かなかった訴え | 夢で会えたら

夢で会えたら

愛犬たちの想い出とルカの記録

夏が来てぺロは10歳6ヶ月になっていた。

次に出現した症状は食事中の「空咳、空えずき」だった。


以前からペロは急いでドッグフードを食べると、喉につかえて「カハッ」と

空咳をすることがあった。この頃から、食事中に「カハッ、がハッ」と

喉のつかえやいがらっぽさを訴えることが多くなった。


気になったこの空咳は出ない日も続き、お盆過ぎには徐々に

家族の注意から薄れていった。


9月中旬に再び空咳、空えずきが出現した。食後に水を飲むペロは時々、

「カハッカハッ、ガァ」とまた喉のつかえを訴えるようになった。

あまり噛まずに急いで飲み込む賎しさゆえと思っていた。


それ以外に日常動作や全身状態には何ら変化はなかった。


10月になってペロは仰向けに寝ることが多くなった。

イビキは大きくなり、時に家族の安眠を妨げるほどになった。



夢で会えたら

【私にサインを送り続けるペロ】

この時期、深夜にトイレに行ったペロが妻の寝室に向かい、朝になって

「夜中にペロが来て、朝までイビキうるさくて眠れんかったわ」と、

妻が寝不足を嘆いていた。



どうして早く発見できなかったのか。

いくら悔やんでも悔やみきれない課題である。


ペロと触れ合う機会はいくらでもあった。

シャンプーも爪切りも耳そうじも私が担当していた。

外飼いではなく、団欒のときも就眠のときもペロは私や家族の傍にいた。

あちこち痒がるペロを手伝って、いつも体中を掻いてやっていた。



夢で会えたら

【痒がるペロ】




夢で会えたら
【掻くのを止めると何回もねだった】



ペロは私にサインを送り続けていた。

「早く見つけて」、「ここが変なの」と言葉の言えないペロの訴えは続いていた。


イビキをかき、空えずきして、仰向けで寝て喉元をさらけ出し、早くそこを触って

その小さな悪魔のしこりを私に発見してほしかった。

ペロの悲痛な訴えは愚鈍な私にまだ届かなかった。


このあとに続くペロの全ての苦しみと悲運は、気付いてやらなかった

飼い主の私の責である。



夢で会えたら
【「もう~鈍いんだから・・・」】






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